どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
385
あれは霧の深い村の近くの林に居た時の話し……そこに突然彼は現れた。
◇
「幻想的な霧の林、実に良い所だ」
今が、明朝と言う事もあってより素敵だ。
木々から日の光が射していて、なんと言う神秘的な光景。
実に素晴らしい!
俺は、すぅ……と深呼吸してその空気を楽しむ、とても澄んだ良い空気だ。
これは男の娘さんと魔王様をここに連れてきたいね……きっと喜んでくれるだろう。
それに、そう言うサポートをしてこそのイケメン、俺の格好良さが2倍増しに際立っていく。
実に素晴らしいじゃないか!
「さて、深呼吸はこれくらいにして……散歩と洒落込もうじゃないか」
ふっと鼻を鳴らし、執事服をばさっと靡かせて散歩を始める。
……おぉ、今リスがいたぞ。
とても可愛らしいじゃないか、ん? 鹿もいる。
案外この林には獣達が多くいるみたいだ。
一旦立ち止まり口元を押さえ考える。
ふむ、それを踏まえると男の娘さんと魔王様をここに連れて来るのは止めた方が良いかも知れない? 獣は可愛いが危険だ。
か弱い男の娘さんにとっては環境が厳しいかもしれない。
いや、待てよ? そこは魔王様の力で獣達を懐柔して仲良くなれば良い。
仲良くなれば、獣達は男の娘さんの可愛さに魅了され群がるだろう。
沢山の獣達に群がられる男の娘さん……ふふふっ、実にそそるじゃないか。
決まりだ、早速城に行ってここの事を伝えようじゃないか、思い立ったが吉日、実に良い言葉だよ。
「さて、では行こうか。男の娘さんが待つ城へ……」
ばっ! と手を広げて変身しようとする。
おっと……この辺は村が近いから、もう少し離れてした方が良いか? あぁ……でも、もう変身しようとしている、なのに途中で止めるのは絞まらない。
よし、決めた。
このまま変身しよう、村に被害が出ない様に、飛び立つ時は魔法でなんとかしよう。
イケメンは周りに迷惑を掛けたりしない、これどイケメン鉄の掟……と言う奴だ。
しっかり守らないといけない。
という訳で変身する。
その瞬間、カッ!! と強い光が俺の身体を包んだ。
そしたら、みるみる内に身体が大きくなる。
それはだんだんドラゴンの身体を形作る。
背には棘、口には鋭い牙、そして細く長い尻尾、その先には刺がついてある。
その翡翠の様な緑の鱗こそ、このニーズヘッグである俺、ヘッグのドラゴン形態なんだ。
ふふ、中々イカすだろう?
「しかし……これは目立ちすぎるな」
俺は今はドラゴン形態、周りの木々を遥かに越える体格だ。
故に目立つ、その証拠に近くの村にいる村人達が騒がしく俺を見ている。
それだけじゃない、近くにいる獣達も慌ただしく逃げ、騒いでる。
これはさっさと飛び立った方が良いな。
そう思い、雄大な翼をバサッ! と羽ばたかせる。
ビュォォッーーと凄まじい風圧が巻き起こるが、そこはご安心。
しっかり魔法で村にまで被害がいかない様にしてある。
では……いざ大空へ羽ばたこうじゃないか! そう思い、思い切り地面を蹴る。 
その時だ。
「おぉっ、大きな鳥だ」
渋めの声が聞こえた。
おいおいおい、俺が鳥だって? その勘違いはよろしくないなぁ。
少しむっとしたから、翼を畳む。
今話した人と話をする必要がある、俺はイケメンでドラゴンだ! ってね。
さぁて、今話し掛けた人は何処にいる?
近くにいる事は確かだが……あぁ、いたね。
俺の直ぐ近くに居た。
高齢の男、黒髪で少し長い髪、顎に髭を蓄えて凛々しい白と灰を基調とした服を着てる。
改めて言うが、渋い男だ。
渋い男が好きな女性ならときめく事間違い無しじゃないかな?
……って、おいおい。
さっきの風圧に耐えたのか? 普通の人なら転ぶと言うのに。
転んだ様子は何処にも無いじゃないか。
見たところ高齢の人間に見えるが……大した男だ、興味が沸いてきた。
「おぉ……。ドキドキするな、こんな大きな鳥をみるとわ。テンションが上がるぞ」
「渋めのボーイ、いや……ここはジェントルメンと言うべきか? 俺は鳥じゃない……格好良いイケメンのドラゴンだ」
バサッ! と翼を広げて俺の格好良さをアピール。
このとき、キメ顔も忘れない……凛々しい牙をおじ様に見せ付ける。
すると、おじ様は目を輝かさせ、前のめり気味に話してきた。
「喋った! 最近の鳥は喋るのか!」 
おぉぅ、まだ鳥と言っている。
そして、盛大にはしゃいでる、高齢の割りには子供っぽい仕種をするんだな。
はっはっはっ、なかなか愉快なおじ様だ。
ドラゴンだと言ったのに鳥だと思い込んでいる。
まぁ、人間にとってはドラゴンは空想上の生き物、そう簡単には理解できないか。
そう考えた俺は、暫くは鳥と言う事で良いか。
そう言う愉快な間違いは嫌いじゃ無いからね、俺はそんな事に腹を立てるイケメンじゃない。
◇
これが、フドウと俺との出会い。
ここから暫く会話をすんだが……ここから共に城へ行く切っ掛けが出てくるんだ。
さぁ話を続けるよ。
◇
「幻想的な霧の林、実に良い所だ」
今が、明朝と言う事もあってより素敵だ。
木々から日の光が射していて、なんと言う神秘的な光景。
実に素晴らしい!
俺は、すぅ……と深呼吸してその空気を楽しむ、とても澄んだ良い空気だ。
これは男の娘さんと魔王様をここに連れてきたいね……きっと喜んでくれるだろう。
それに、そう言うサポートをしてこそのイケメン、俺の格好良さが2倍増しに際立っていく。
実に素晴らしいじゃないか!
「さて、深呼吸はこれくらいにして……散歩と洒落込もうじゃないか」
ふっと鼻を鳴らし、執事服をばさっと靡かせて散歩を始める。
……おぉ、今リスがいたぞ。
とても可愛らしいじゃないか、ん? 鹿もいる。
案外この林には獣達が多くいるみたいだ。
一旦立ち止まり口元を押さえ考える。
ふむ、それを踏まえると男の娘さんと魔王様をここに連れて来るのは止めた方が良いかも知れない? 獣は可愛いが危険だ。
か弱い男の娘さんにとっては環境が厳しいかもしれない。
いや、待てよ? そこは魔王様の力で獣達を懐柔して仲良くなれば良い。
仲良くなれば、獣達は男の娘さんの可愛さに魅了され群がるだろう。
沢山の獣達に群がられる男の娘さん……ふふふっ、実にそそるじゃないか。
決まりだ、早速城に行ってここの事を伝えようじゃないか、思い立ったが吉日、実に良い言葉だよ。
「さて、では行こうか。男の娘さんが待つ城へ……」
ばっ! と手を広げて変身しようとする。
おっと……この辺は村が近いから、もう少し離れてした方が良いか? あぁ……でも、もう変身しようとしている、なのに途中で止めるのは絞まらない。
よし、決めた。
このまま変身しよう、村に被害が出ない様に、飛び立つ時は魔法でなんとかしよう。
イケメンは周りに迷惑を掛けたりしない、これどイケメン鉄の掟……と言う奴だ。
しっかり守らないといけない。
という訳で変身する。
その瞬間、カッ!! と強い光が俺の身体を包んだ。
そしたら、みるみる内に身体が大きくなる。
それはだんだんドラゴンの身体を形作る。
背には棘、口には鋭い牙、そして細く長い尻尾、その先には刺がついてある。
その翡翠の様な緑の鱗こそ、このニーズヘッグである俺、ヘッグのドラゴン形態なんだ。
ふふ、中々イカすだろう?
「しかし……これは目立ちすぎるな」
俺は今はドラゴン形態、周りの木々を遥かに越える体格だ。
故に目立つ、その証拠に近くの村にいる村人達が騒がしく俺を見ている。
それだけじゃない、近くにいる獣達も慌ただしく逃げ、騒いでる。
これはさっさと飛び立った方が良いな。
そう思い、雄大な翼をバサッ! と羽ばたかせる。
ビュォォッーーと凄まじい風圧が巻き起こるが、そこはご安心。
しっかり魔法で村にまで被害がいかない様にしてある。
では……いざ大空へ羽ばたこうじゃないか! そう思い、思い切り地面を蹴る。 
その時だ。
「おぉっ、大きな鳥だ」
渋めの声が聞こえた。
おいおいおい、俺が鳥だって? その勘違いはよろしくないなぁ。
少しむっとしたから、翼を畳む。
今話した人と話をする必要がある、俺はイケメンでドラゴンだ! ってね。
さぁて、今話し掛けた人は何処にいる?
近くにいる事は確かだが……あぁ、いたね。
俺の直ぐ近くに居た。
高齢の男、黒髪で少し長い髪、顎に髭を蓄えて凛々しい白と灰を基調とした服を着てる。
改めて言うが、渋い男だ。
渋い男が好きな女性ならときめく事間違い無しじゃないかな?
……って、おいおい。
さっきの風圧に耐えたのか? 普通の人なら転ぶと言うのに。
転んだ様子は何処にも無いじゃないか。
見たところ高齢の人間に見えるが……大した男だ、興味が沸いてきた。
「おぉ……。ドキドキするな、こんな大きな鳥をみるとわ。テンションが上がるぞ」
「渋めのボーイ、いや……ここはジェントルメンと言うべきか? 俺は鳥じゃない……格好良いイケメンのドラゴンだ」
バサッ! と翼を広げて俺の格好良さをアピール。
このとき、キメ顔も忘れない……凛々しい牙をおじ様に見せ付ける。
すると、おじ様は目を輝かさせ、前のめり気味に話してきた。
「喋った! 最近の鳥は喋るのか!」 
おぉぅ、まだ鳥と言っている。
そして、盛大にはしゃいでる、高齢の割りには子供っぽい仕種をするんだな。
はっはっはっ、なかなか愉快なおじ様だ。
ドラゴンだと言ったのに鳥だと思い込んでいる。
まぁ、人間にとってはドラゴンは空想上の生き物、そう簡単には理解できないか。
そう考えた俺は、暫くは鳥と言う事で良いか。
そう言う愉快な間違いは嫌いじゃ無いからね、俺はそんな事に腹を立てるイケメンじゃない。
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