どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
53
「それで己がこの街に入った瞬間城門が閉まった訳さ……これも風の導かな?」
「ははっ……きっとそうに違いない」
他愛もない話を続ける事数10分……立ち話も何なので勝手にカウンターの奥にあった部屋を使わせてもらって貰っている、男の娘さんに張れたら怒られてしまう……だが、それも本望だ!
その最中神の息吹がこの街にやって来た理由が分かった、彼は現在自分探しの旅をしているらしい……食料がつきこの街で買い物をしようと立ち寄ったと言う事だ。
「しかし今時、自分探しの旅か……実にクールじゃないか」
「ふっ……止せよ、照れるじゃないか」
お互い軽く笑いながら木の椅子にもたれ掛かる。
「しかしあれだ……この店は素晴らしい」
「ふふ……この店のセンスが分かるとは…クールだね」
やはりイケメンは全てに通ずる……神の息吹に会えて本当に良かった。
「だろう? 実は、コスプレの服は俺の親友が仕立ててるんだ」
「だったらその親友も素晴らしいセンスだ……」
そんな事を話しつつ、神の息吹は辺りを見渡す。
「我が息子にこんな趣味があったとは驚きだ…」
天を仰いだ神の息吹は意外そうに語る、小さい声で呟いたから良く聞こえなかったが……息子と言う言葉は、はっきりと聞こえた。
「神の息吹は結婚をしているのか?」
彼の言った「息子」と言う言葉が少し気になった、だから思いきって聞いてみる事にした、すると神の息吹は俺の顔をキリッとした表情で見てくる。
「しているさ、そりゃもう綺麗な人とね……これも風の導だ」
「それは羨ましい………」
軽く嫉妬してしまう……俺も綺麗な人と出会いたい物だね、そんな事を思いながら足を組む、すると神の息吹が不意に立ち上がる。
「さてそろそろ行くとするか……風が騒ぎ始めたからな」
「おいおい、今は外に出られないと思うぜ?」
「ふっ……何とかしてみるさ、己の中の神風に掛けてな!」
そう言って彼はこの部屋から去っていく……ふむ、呼び止めた方が良かったか? 神の息吹は格好良くて素晴らしい人間だとこの短い時間で分かった……だがただの人間だ。
あの大爆走する魔物の群れ相手に対処出来るのか? いや本人が何とかしてみせると言ってるんだ、大丈夫だろう……多分。
「しかし……何故魔物達はこんなに騒いでいる?」
1人残された俺は立ち上がり腕を組んで考える、何かが起きているのは間違い無い、これは厄介な事が起きているかも知れないな、ここは城に向かって真相を聞くのが一番じゃないだろうか。
「ならば向かうとするか」
ピンチの時に颯爽とその場に駆けつけるのがイケメン鉄の掟っ!さぁ行くとするか! そう思ってスタッフルームから出ようとした時だ、この部屋にある裏口の扉が開かれる。
「あら? ヘッグじゃないですか」
「っ!…ヴァーム」
そこにひょっこり現れたのは何時もの黒メイド服を着たヴァームだ、今日もメイド服の着こなしが素晴らしい。
「どうしてこんな所に?」
「少し腹ごなしに此処に立ち寄ったのさ……」
軽く両手を広げて答える、来てみれば此処はお祭り騒ぎ……驚いたものだ。
「そうですか……と言うか、どうしてこの店にいるのです?」
「商談の時に男の娘さんが店を開くって言ってだろ? 一目みたくて感でこの場所を見付けた訳さっ」
ふぁさっと髪の毛撫でてクールに語る、この仕草自分でも惚れ惚れするよ!
「そうですか、流石ヘッグですね」
「それほどでも無いさ」
ふふっーーと軽く鼻を鳴らしヴァームに近寄る、そうだ、この際だから聞いておこう。
「所でこの騒ぎはなんだい? お祭りにしては騒がしいが……」
「あぁ、それはですね」
ヴァームは微笑んで今の状況を語り始める、ほぉ……成る程そんな事があったのか。
「相変わらず手段を選ばないな…ヴァームは」
「うふふ、これもメイドの嗜みですよ」
簡単に言えば鬼ごっこ、そしてその報酬が『1週間無料コスプレ券』しかもオプションも無料かなりの大盤振る舞いじゃないか。
 
「ヘッグも参加してみますか?」
メイド服のスカートを軽やかに靡かせながら美しく言ってくるヴァーム……素敵すぎる条件だ、だが此処は。
「いや、止しておこう」
これには参加しない。
「あらあら、どうしてですか?」
当然の様に聞いてくるヴァーム、疑問に思うのは当然だ。
「そんな気分じゃないからさ……」
まぁ、報酬は魅力的だが逃げ回る可愛い男の娘を追う趣味は無いさ……しかし魔王の弟様も逃げる側になっているとはねまぁ、彼も素晴らしい男の娘だから追われるのは仕方ないか。
「ふふふ…貴方らしいですね」
「ふっ…」
俺は笑ってスタッフルームの扉へと向かう。
「もう、お帰りですか?」
「あぁ……実は、面白い奴と出会ってね、彼に感化されて遠出しようと思う」
「そうですか……ではお気をつけて」
俺は扉を開けヴァームの方へ身体を向ける、そして渾身のウインクをしながら。
「そっちもやり過ぎには注意したまえよ」
そう呟いて店から去っていく、イケメンは去り際もクールに決める物……最高に痺れるよ!
「うふふふ……まさかヘッグさんに会うとは思いませんでした、ではそろそろ仕掛けましょうか……この鬼ごっこに終止符を打ちましょう」
ヘッグが立ち去った後、スタッフルームに残されたヴァームは一人不気味に笑う、ついに明かされた報酬の話……それが『1週間コスプレ無料券 オプション付き』だと2人が知った時、どんな顔をするのか?
それにヴァームはまだ明かしていない策が2つある、それは『魔法』と『ラキュの行動を封じる策』である。
此処で2人は捕まって鬼ごっこは終わってしまうのか、それともまだ鬼ごっこは続くのか? まさに神のみど知る戦い、その真実を刮目せよ!
「ははっ……きっとそうに違いない」
他愛もない話を続ける事数10分……立ち話も何なので勝手にカウンターの奥にあった部屋を使わせてもらって貰っている、男の娘さんに張れたら怒られてしまう……だが、それも本望だ!
その最中神の息吹がこの街にやって来た理由が分かった、彼は現在自分探しの旅をしているらしい……食料がつきこの街で買い物をしようと立ち寄ったと言う事だ。
「しかし今時、自分探しの旅か……実にクールじゃないか」
「ふっ……止せよ、照れるじゃないか」
お互い軽く笑いながら木の椅子にもたれ掛かる。
「しかしあれだ……この店は素晴らしい」
「ふふ……この店のセンスが分かるとは…クールだね」
やはりイケメンは全てに通ずる……神の息吹に会えて本当に良かった。
「だろう? 実は、コスプレの服は俺の親友が仕立ててるんだ」
「だったらその親友も素晴らしいセンスだ……」
そんな事を話しつつ、神の息吹は辺りを見渡す。
「我が息子にこんな趣味があったとは驚きだ…」
天を仰いだ神の息吹は意外そうに語る、小さい声で呟いたから良く聞こえなかったが……息子と言う言葉は、はっきりと聞こえた。
「神の息吹は結婚をしているのか?」
彼の言った「息子」と言う言葉が少し気になった、だから思いきって聞いてみる事にした、すると神の息吹は俺の顔をキリッとした表情で見てくる。
「しているさ、そりゃもう綺麗な人とね……これも風の導だ」
「それは羨ましい………」
軽く嫉妬してしまう……俺も綺麗な人と出会いたい物だね、そんな事を思いながら足を組む、すると神の息吹が不意に立ち上がる。
「さてそろそろ行くとするか……風が騒ぎ始めたからな」
「おいおい、今は外に出られないと思うぜ?」
「ふっ……何とかしてみるさ、己の中の神風に掛けてな!」
そう言って彼はこの部屋から去っていく……ふむ、呼び止めた方が良かったか? 神の息吹は格好良くて素晴らしい人間だとこの短い時間で分かった……だがただの人間だ。
あの大爆走する魔物の群れ相手に対処出来るのか? いや本人が何とかしてみせると言ってるんだ、大丈夫だろう……多分。
「しかし……何故魔物達はこんなに騒いでいる?」
1人残された俺は立ち上がり腕を組んで考える、何かが起きているのは間違い無い、これは厄介な事が起きているかも知れないな、ここは城に向かって真相を聞くのが一番じゃないだろうか。
「ならば向かうとするか」
ピンチの時に颯爽とその場に駆けつけるのがイケメン鉄の掟っ!さぁ行くとするか! そう思ってスタッフルームから出ようとした時だ、この部屋にある裏口の扉が開かれる。
「あら? ヘッグじゃないですか」
「っ!…ヴァーム」
そこにひょっこり現れたのは何時もの黒メイド服を着たヴァームだ、今日もメイド服の着こなしが素晴らしい。
「どうしてこんな所に?」
「少し腹ごなしに此処に立ち寄ったのさ……」
軽く両手を広げて答える、来てみれば此処はお祭り騒ぎ……驚いたものだ。
「そうですか……と言うか、どうしてこの店にいるのです?」
「商談の時に男の娘さんが店を開くって言ってだろ? 一目みたくて感でこの場所を見付けた訳さっ」
ふぁさっと髪の毛撫でてクールに語る、この仕草自分でも惚れ惚れするよ!
「そうですか、流石ヘッグですね」
「それほどでも無いさ」
ふふっーーと軽く鼻を鳴らしヴァームに近寄る、そうだ、この際だから聞いておこう。
「所でこの騒ぎはなんだい? お祭りにしては騒がしいが……」
「あぁ、それはですね」
ヴァームは微笑んで今の状況を語り始める、ほぉ……成る程そんな事があったのか。
「相変わらず手段を選ばないな…ヴァームは」
「うふふ、これもメイドの嗜みですよ」
簡単に言えば鬼ごっこ、そしてその報酬が『1週間無料コスプレ券』しかもオプションも無料かなりの大盤振る舞いじゃないか。
 
「ヘッグも参加してみますか?」
メイド服のスカートを軽やかに靡かせながら美しく言ってくるヴァーム……素敵すぎる条件だ、だが此処は。
「いや、止しておこう」
これには参加しない。
「あらあら、どうしてですか?」
当然の様に聞いてくるヴァーム、疑問に思うのは当然だ。
「そんな気分じゃないからさ……」
まぁ、報酬は魅力的だが逃げ回る可愛い男の娘を追う趣味は無いさ……しかし魔王の弟様も逃げる側になっているとはねまぁ、彼も素晴らしい男の娘だから追われるのは仕方ないか。
「ふふふ…貴方らしいですね」
「ふっ…」
俺は笑ってスタッフルームの扉へと向かう。
「もう、お帰りですか?」
「あぁ……実は、面白い奴と出会ってね、彼に感化されて遠出しようと思う」
「そうですか……ではお気をつけて」
俺は扉を開けヴァームの方へ身体を向ける、そして渾身のウインクをしながら。
「そっちもやり過ぎには注意したまえよ」
そう呟いて店から去っていく、イケメンは去り際もクールに決める物……最高に痺れるよ!
「うふふふ……まさかヘッグさんに会うとは思いませんでした、ではそろそろ仕掛けましょうか……この鬼ごっこに終止符を打ちましょう」
ヘッグが立ち去った後、スタッフルームに残されたヴァームは一人不気味に笑う、ついに明かされた報酬の話……それが『1週間コスプレ無料券 オプション付き』だと2人が知った時、どんな顔をするのか?
それにヴァームはまだ明かしていない策が2つある、それは『魔法』と『ラキュの行動を封じる策』である。
此処で2人は捕まって鬼ごっこは終わってしまうのか、それともまだ鬼ごっこは続くのか? まさに神のみど知る戦い、その真実を刮目せよ!
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