どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
282
……あのあと適当にぶらついた後、城に帰った。
城に帰ったらヴァームに「新しい服が出来たので着てください」と言われたから逃げた、そしたら追いかけ回された。
そんな散々な事があった日の翌日の朝。
僕は城下町地下に来ていた。
今回は何となくで来た訳じゃない、ちゃんと理由があって来たんだ。
その理由? あぁ理由は……ただ単に、またあの娘に会えるかな? って思ったからだよ。
別に顔が見たかったからとか、話をしたいとなそう言う意味合いじゃない。
ただ単にあの娘の事が気になったんだ。
だって、物凄く独特な雰囲気してたからね。
そう言う訳で、昨日通った通りに来てるわけだけど……まぁ会わないよね。
あの出会いは偶然だった訳で、此処に来たからといって会えるわけでもない。
「まぁ仕方無いか」
ふぅ、と息を吐きつつ僕はその通りを歩いてく。
さて……これからどうしようか? このまま城に帰ったらまたヴァームに追いかけ回されそうだし、出来れば他の事をしたいなぁ。
ツカッ……ツカッ……ツカッ……。
ん? 誰かの足音が聞こえる、その音は後ろから聞こえるね……気になったので振り返ってみようか。
そう思ってくるっと方向転換、するとそこには……。
「……っ!?」
真っ黒のローブを着た、ソバージュヘアの女の子がいた、鼻の頭の辺りにはそばかすがある。
ジト目な瞳で僕を見て大変驚いている。
で、同じく僕も驚いた。
この娘、多分だけど……いや確実に昨日会った娘だ。
昨日はハッキリ顔を見てないけど、分かったよ。
この身体の震えよう、緊張して硬直する様……昨日のあの娘と重なってる。
同じ服装だし、同じ様な仕草をしてるし、流石に他人と言うのは有り得ない。
まさか会えるとは思わなかったなぁ……。
「あっ、うっ、あぅっ……あぅぅ」
あ、なんかあうあう言ってるね。
……で、後ろを向いちゃったよ、そんなに顔を会わせるのが嫌なのかな? まぁ気にしないけど。
「ねぇ、そのままで良いから聞いて良いかな?」
なので、そのまま話し掛けて見た。
びくんっ! と身体を震えさせる。
あぁ……見事に緊張してるねぇ、話し掛け無い方が良かったかな?
「えと、君……昨日ここで会った娘だよね?」
と思いつつもはなしかけてみる。
意地悪とか言わないでね?
僕がそう言うと、その娘はは身体を動かして、びくんっ! と跳ねた後、壊れそうな位に首を縦に振るう。
なるほど、やっぱりそうか。
……だからと言って特に何にも無いんだけどね? って、今の僕ってナンパしてる様に見えてるのかな?
違うからね? これは僕の興味を満たす為の事だからね?
「そう、あぁ……急に話し掛けてごめん。だから気にしないでね」
と、自分で思ってるだけで相手はどう思ってるだろうね。
今おもいっきしがくんがくん震えてるからね……「何コイツ、急に話し掛けてきたんだけど、こわ」とか思ってるんじゃないかな?
自分でも「あぁ、何で話し掛けちゃったかなぁ」って思ってるもの。
今の僕って、ただの面倒臭い魔物じゃん。
「あぁ、えと……ちょっと気になって話し掛けただけだから、じゃぁね」
多少強引だけど、もう話を終わらそう。
あぁ……興味が出たからと言って何でも突っ込むのも問題あったね、反省しよう……。
ペコリと一礼したあと、僕はそのまま前へと進んでいく。
少しだけ後ろを見てみると、あの娘はポカーンと立ち尽くしてた。
それを見た後、僕は前向き直してこの場から立ち去っていく。
「……あの娘に悪い事したなぁ」
あの場から立ち去って何分かしたあと、僕は地上に戻っていた。
まだ太陽が昇っている時間、眩しいなぁと思いつつそんな事を呟く。
あぁあ、やらかしたなぁ……と言うか、そもそも会って何かするって訳でも無いのになんで話し掛けたのさ。
って、そろそろ思い詰めるのは止めよう……こんなの僕らしく無いしね。
この事は反省するとして、この事は考えるのは良そう。
そう言う訳で、何かしよう。
……何するか考えてないけどね、まぁそれは今から考えれば良いか。
「あら、妙な所で会いますね……ラキュ様」
っ!?
ぞわっとした悪寒を感じた。
いっ今、聞きたくない声を後ろから聞こえたんだけど……気のせいかな?
ぎぎぎっ……と、ぎこなくゆっくりと後ろを向いてみる。
そこには……メイド服を着てる、満面の笑みのヴァームがいた。
あぁ、やばいね……これは。
そう思った瞬間、僕は再び前を向いてダッシュする。
しかし!
「会った瞬間、逃げるだなんて……失礼ですねぇ」
ガシッと腕を掴まれ、そのまま床に倒される。
「いだっ、いたたたたっ!」
これ、極ってる! 腕の関節極ってる!
君の主の弟の腕の関節を決めちゃってるよ!
と言いたいけど、痛いからそんな事は言えない。
主の弟に危害を加える従者ってなんなの?
「昨日、着せられなかった服があるので……向かえに来ました」
「え、そっそれは……いっいだいっ! いやっいや、いだだだだだっ!」
色んな意味で最悪だ!
なんだよこれ、意味分かんないよ! 向かえに来た? 来るなよっ、迷惑だよ!
痛い痛いと言いながら、心の中で沢山叫んだ。
だけどヴァームには届かなかった……そんな思いも虚しく、僕は強制的に城に連れ帰られて行く。
ははは……。
これってあれかな? 今日あの娘を怖がらせた? バチがあたったのかな? そうだとしたらあの事はほんっとうに猛省しないといけない。
……だからと言ってコスプレなんてしたくないけどね、それとこれとは話が別だよ!
はぁ……誰か助けてくれないかなぁ?
城に帰ったらヴァームに「新しい服が出来たので着てください」と言われたから逃げた、そしたら追いかけ回された。
そんな散々な事があった日の翌日の朝。
僕は城下町地下に来ていた。
今回は何となくで来た訳じゃない、ちゃんと理由があって来たんだ。
その理由? あぁ理由は……ただ単に、またあの娘に会えるかな? って思ったからだよ。
別に顔が見たかったからとか、話をしたいとなそう言う意味合いじゃない。
ただ単にあの娘の事が気になったんだ。
だって、物凄く独特な雰囲気してたからね。
そう言う訳で、昨日通った通りに来てるわけだけど……まぁ会わないよね。
あの出会いは偶然だった訳で、此処に来たからといって会えるわけでもない。
「まぁ仕方無いか」
ふぅ、と息を吐きつつ僕はその通りを歩いてく。
さて……これからどうしようか? このまま城に帰ったらまたヴァームに追いかけ回されそうだし、出来れば他の事をしたいなぁ。
ツカッ……ツカッ……ツカッ……。
ん? 誰かの足音が聞こえる、その音は後ろから聞こえるね……気になったので振り返ってみようか。
そう思ってくるっと方向転換、するとそこには……。
「……っ!?」
真っ黒のローブを着た、ソバージュヘアの女の子がいた、鼻の頭の辺りにはそばかすがある。
ジト目な瞳で僕を見て大変驚いている。
で、同じく僕も驚いた。
この娘、多分だけど……いや確実に昨日会った娘だ。
昨日はハッキリ顔を見てないけど、分かったよ。
この身体の震えよう、緊張して硬直する様……昨日のあの娘と重なってる。
同じ服装だし、同じ様な仕草をしてるし、流石に他人と言うのは有り得ない。
まさか会えるとは思わなかったなぁ……。
「あっ、うっ、あぅっ……あぅぅ」
あ、なんかあうあう言ってるね。
……で、後ろを向いちゃったよ、そんなに顔を会わせるのが嫌なのかな? まぁ気にしないけど。
「ねぇ、そのままで良いから聞いて良いかな?」
なので、そのまま話し掛けて見た。
びくんっ! と身体を震えさせる。
あぁ……見事に緊張してるねぇ、話し掛け無い方が良かったかな?
「えと、君……昨日ここで会った娘だよね?」
と思いつつもはなしかけてみる。
意地悪とか言わないでね?
僕がそう言うと、その娘はは身体を動かして、びくんっ! と跳ねた後、壊れそうな位に首を縦に振るう。
なるほど、やっぱりそうか。
……だからと言って特に何にも無いんだけどね? って、今の僕ってナンパしてる様に見えてるのかな?
違うからね? これは僕の興味を満たす為の事だからね?
「そう、あぁ……急に話し掛けてごめん。だから気にしないでね」
と、自分で思ってるだけで相手はどう思ってるだろうね。
今おもいっきしがくんがくん震えてるからね……「何コイツ、急に話し掛けてきたんだけど、こわ」とか思ってるんじゃないかな?
自分でも「あぁ、何で話し掛けちゃったかなぁ」って思ってるもの。
今の僕って、ただの面倒臭い魔物じゃん。
「あぁ、えと……ちょっと気になって話し掛けただけだから、じゃぁね」
多少強引だけど、もう話を終わらそう。
あぁ……興味が出たからと言って何でも突っ込むのも問題あったね、反省しよう……。
ペコリと一礼したあと、僕はそのまま前へと進んでいく。
少しだけ後ろを見てみると、あの娘はポカーンと立ち尽くしてた。
それを見た後、僕は前向き直してこの場から立ち去っていく。
「……あの娘に悪い事したなぁ」
あの場から立ち去って何分かしたあと、僕は地上に戻っていた。
まだ太陽が昇っている時間、眩しいなぁと思いつつそんな事を呟く。
あぁあ、やらかしたなぁ……と言うか、そもそも会って何かするって訳でも無いのになんで話し掛けたのさ。
って、そろそろ思い詰めるのは止めよう……こんなの僕らしく無いしね。
この事は反省するとして、この事は考えるのは良そう。
そう言う訳で、何かしよう。
……何するか考えてないけどね、まぁそれは今から考えれば良いか。
「あら、妙な所で会いますね……ラキュ様」
っ!?
ぞわっとした悪寒を感じた。
いっ今、聞きたくない声を後ろから聞こえたんだけど……気のせいかな?
ぎぎぎっ……と、ぎこなくゆっくりと後ろを向いてみる。
そこには……メイド服を着てる、満面の笑みのヴァームがいた。
あぁ、やばいね……これは。
そう思った瞬間、僕は再び前を向いてダッシュする。
しかし!
「会った瞬間、逃げるだなんて……失礼ですねぇ」
ガシッと腕を掴まれ、そのまま床に倒される。
「いだっ、いたたたたっ!」
これ、極ってる! 腕の関節極ってる!
君の主の弟の腕の関節を決めちゃってるよ!
と言いたいけど、痛いからそんな事は言えない。
主の弟に危害を加える従者ってなんなの?
「昨日、着せられなかった服があるので……向かえに来ました」
「え、そっそれは……いっいだいっ! いやっいや、いだだだだだっ!」
色んな意味で最悪だ!
なんだよこれ、意味分かんないよ! 向かえに来た? 来るなよっ、迷惑だよ!
痛い痛いと言いながら、心の中で沢山叫んだ。
だけどヴァームには届かなかった……そんな思いも虚しく、僕は強制的に城に連れ帰られて行く。
ははは……。
これってあれかな? 今日あの娘を怖がらせた? バチがあたったのかな? そうだとしたらあの事はほんっとうに猛省しないといけない。
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