どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
226
トントントンっ……。
ヴァームの説教が終わって時間が経った頃。
鬼騎が何かを作ってる。
きっと、夕食の下準備をしてるんだろうね……。
そんな光景を、肘をついてぼけぇと見てる。
「ラキュ、こんな所にいていいんか?」
「良いよ、今は休憩中だから……だから無駄な心配とかしなくて良いから」
「そうかい……」
料理をつくる様は正直見ても良い匂いがしてお腹がすくだけなんだけど……したくもない頼まれ事をしてると疲れるんだよね。
だから休憩をしてるんだ。
でも、直ぐに席を立つつもりだよ、こんな姿をヴァームに見られたら強制コスプレじゃ済まされない……きっと、もっと酷い事されるに違いない。
そんな事が起きたら恐い、更に言うなら、強制コスプレより酷い事が思い当たらないから余計に恐い。
「……」
やっぱり探しに行こうかな? そう思って席を立った時。
ガチャ……と、扉が開いた。
っ、まっまさかヴァームじゃないよね?
身構えながら扉を見てると、そこに現れたのは……。
「あ、ラキュ……いたんだな」
シルク君だった。
つかつかと歩いて来て、僕の隣の席に座る。
「休憩中か?」
「うん、そんな所だよ。シルク君は?」
「俺も休憩しに来たんだ。まぁ……さっき、ロアとしたんだけどな」
苦笑するシルク君は鬼騎に「水貰えるか?」と言った。
それに鬼騎は、「おぅ」とだけ答えてフライパンを振りながら片手でコップを取り、水を汲んでシルク君に渡す。
すご……良くフライパンの中の物溢さなかったね。
まぁ、鬼騎は凄腕の料理人だからね……あれくらいは朝飯前か。
「そっか、さっきしたのに来たんだね」
「……悪いか?」
水を飲んで、トンっ、とカウンターにコップを置いて僕を睨んでくる。
くふふふ、別に悪い事じゃないよ? ただちょっと突っ込みたかったから突っ込んだだけだよ。
「くふふふ、別に?」
「だったら放っておいてくれ」
そう言って、そっぽを向いてしまうシルク君。
そんなシルク君に僕は聞いてみた。
言うのが遅い感じがするけど、別に聞いても良いよね?
「ねぇシルク君」
「なんだよ……ロアとは今別行動をしてるぞ」
あ、聞こうとしてた答えを言われちゃった、つまんないの。
そう思ってると鬼騎が「ふっ……」と鼻で笑った。
ちっ、腹立つなぁ、集中して料理しといてよ。
「そう、それは珍しいね……何かあったの? もしかして喧嘩?」
「いや、違う」
喧嘩? って言葉を聞いた瞬間、直ぐに答えるシルク君、即答だね。
「ロアが言ったんだよ」
「それ、聞いて良い?」
僕が聞くと、シルク君は黙って頷いた。
そして数秒間黙った後、口を開いて話してくれた。
「時には距離を取る事言うのも大切、わらわはその辺を弁えている女じゃ、って言ったんだ」
「くははは、なにそれ……変なの」
本当は一緒にいたい癖に、無理に距離をとったら、悲しくなるの分かってないのかな?
きっとその言葉、ドヤ顔さらしながら言ったんだろうけど、今頃「あぁぁ、なんであんな事言ったんじゃぁ」って後悔してるだろうね。
「ドヤ顔しながら言ってきたから、あぁ……これ決め台詞のつもりなんだろうにって思って止めなかったんだが……良かったのか? 後で攻められないか心配だ」
「くふふふ、さぁ……それは僕には分からないね」
ほら、やっぱりドヤ顔してた。
……って、シルク君、いつもと違う言葉を言ったね。
普段なら「扱いに困る」とか「疲れるから離れてくれて嬉しい」とか、そう言う風な事を言うのに……。
あ、そう言えば、ヴァームに説教されてる時、シルク君は気になる事を言ってたよね。
……それ、聞いて見ようかな。
「……ラキュ、なに悪巧みしてるんだ?」
「え、別にしてないよ? 心外だなぁ」
「いや、不気味に笑ってるし絶対にそうだろ。その笑みはからかう時の笑みだ」
シルク君も鋭くなってきたなぁ。
驚いて戸惑う様を見たかったのに……つまらないね。
ま、別に良いんだけどね。 
「くふふふ、まぁそう疑わないでよ」
「……」
くふふ、すっごい睨んでるね。
物凄く疑ってる、まぁ仕方無いよね。
面白いからってからかいまくってたもん、そりゃ疑われるよ。
でも、それでからかうのを止める僕じゃないけどね。
「シルク君」
「なんだよ……変な質問には答えないぞ?」
「別に変な事じゃないよ」
ただの僕の好奇心を満たす為の質問だよ。
内心を悟られ無いように、満面の笑みでシルク君を見る。
まだ疑いの目をされてるけど関係ないよ、さぁ……聞いてみようか。
「姉上を誘った時の事……詳しく聞きたいんだけど、良いかな?」
「…………」
僕の言葉を聞いた瞬間、シルク君の眉がピクリと動いて、舌を見て息を漏らす。
同時に「やっぱり聞いてきたか……」と呟いた。
あ、予想はしてたんだね、じゃぁ話しは早いね。
何があったか詳しく聞こうじゃないか、くふふふふ……。
ヴァームの説教が終わって時間が経った頃。
鬼騎が何かを作ってる。
きっと、夕食の下準備をしてるんだろうね……。
そんな光景を、肘をついてぼけぇと見てる。
「ラキュ、こんな所にいていいんか?」
「良いよ、今は休憩中だから……だから無駄な心配とかしなくて良いから」
「そうかい……」
料理をつくる様は正直見ても良い匂いがしてお腹がすくだけなんだけど……したくもない頼まれ事をしてると疲れるんだよね。
だから休憩をしてるんだ。
でも、直ぐに席を立つつもりだよ、こんな姿をヴァームに見られたら強制コスプレじゃ済まされない……きっと、もっと酷い事されるに違いない。
そんな事が起きたら恐い、更に言うなら、強制コスプレより酷い事が思い当たらないから余計に恐い。
「……」
やっぱり探しに行こうかな? そう思って席を立った時。
ガチャ……と、扉が開いた。
っ、まっまさかヴァームじゃないよね?
身構えながら扉を見てると、そこに現れたのは……。
「あ、ラキュ……いたんだな」
シルク君だった。
つかつかと歩いて来て、僕の隣の席に座る。
「休憩中か?」
「うん、そんな所だよ。シルク君は?」
「俺も休憩しに来たんだ。まぁ……さっき、ロアとしたんだけどな」
苦笑するシルク君は鬼騎に「水貰えるか?」と言った。
それに鬼騎は、「おぅ」とだけ答えてフライパンを振りながら片手でコップを取り、水を汲んでシルク君に渡す。
すご……良くフライパンの中の物溢さなかったね。
まぁ、鬼騎は凄腕の料理人だからね……あれくらいは朝飯前か。
「そっか、さっきしたのに来たんだね」
「……悪いか?」
水を飲んで、トンっ、とカウンターにコップを置いて僕を睨んでくる。
くふふふ、別に悪い事じゃないよ? ただちょっと突っ込みたかったから突っ込んだだけだよ。
「くふふふ、別に?」
「だったら放っておいてくれ」
そう言って、そっぽを向いてしまうシルク君。
そんなシルク君に僕は聞いてみた。
言うのが遅い感じがするけど、別に聞いても良いよね?
「ねぇシルク君」
「なんだよ……ロアとは今別行動をしてるぞ」
あ、聞こうとしてた答えを言われちゃった、つまんないの。
そう思ってると鬼騎が「ふっ……」と鼻で笑った。
ちっ、腹立つなぁ、集中して料理しといてよ。
「そう、それは珍しいね……何かあったの? もしかして喧嘩?」
「いや、違う」
喧嘩? って言葉を聞いた瞬間、直ぐに答えるシルク君、即答だね。
「ロアが言ったんだよ」
「それ、聞いて良い?」
僕が聞くと、シルク君は黙って頷いた。
そして数秒間黙った後、口を開いて話してくれた。
「時には距離を取る事言うのも大切、わらわはその辺を弁えている女じゃ、って言ったんだ」
「くははは、なにそれ……変なの」
本当は一緒にいたい癖に、無理に距離をとったら、悲しくなるの分かってないのかな?
きっとその言葉、ドヤ顔さらしながら言ったんだろうけど、今頃「あぁぁ、なんであんな事言ったんじゃぁ」って後悔してるだろうね。
「ドヤ顔しながら言ってきたから、あぁ……これ決め台詞のつもりなんだろうにって思って止めなかったんだが……良かったのか? 後で攻められないか心配だ」
「くふふふ、さぁ……それは僕には分からないね」
ほら、やっぱりドヤ顔してた。
……って、シルク君、いつもと違う言葉を言ったね。
普段なら「扱いに困る」とか「疲れるから離れてくれて嬉しい」とか、そう言う風な事を言うのに……。
あ、そう言えば、ヴァームに説教されてる時、シルク君は気になる事を言ってたよね。
……それ、聞いて見ようかな。
「……ラキュ、なに悪巧みしてるんだ?」
「え、別にしてないよ? 心外だなぁ」
「いや、不気味に笑ってるし絶対にそうだろ。その笑みはからかう時の笑みだ」
シルク君も鋭くなってきたなぁ。
驚いて戸惑う様を見たかったのに……つまらないね。
ま、別に良いんだけどね。 
「くふふふ、まぁそう疑わないでよ」
「……」
くふふ、すっごい睨んでるね。
物凄く疑ってる、まぁ仕方無いよね。
面白いからってからかいまくってたもん、そりゃ疑われるよ。
でも、それでからかうのを止める僕じゃないけどね。
「シルク君」
「なんだよ……変な質問には答えないぞ?」
「別に変な事じゃないよ」
ただの僕の好奇心を満たす為の質問だよ。
内心を悟られ無いように、満面の笑みでシルク君を見る。
まだ疑いの目をされてるけど関係ないよ、さぁ……聞いてみようか。
「姉上を誘った時の事……詳しく聞きたいんだけど、良いかな?」
「…………」
僕の言葉を聞いた瞬間、シルク君の眉がピクリと動いて、舌を見て息を漏らす。
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