どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
221
……俺はアヤネの話を聞いた。
聞き終わった後、アヤネが本気なのが分かった。
あそこは、やはりメェ自身の問題だから止めるべきだったんだろうが……止められなかった。
俺の話も聞きたい、そんな感じの事を言ってたのにも関わらず……話に話した所でアヤネは「じゃ、今からメェちゃんに会ってくる」と言って、素早く部屋から出ていってしまった。
……騒がしい奴だな。
もう少し落ち着いて行動すればいいのに。
 
なんて事を思ってると……。
ガチャリーー
扉が開いた。
開けたのはロア、何やら不思議そうな顔をしながらソファの所へやって来て座る。
「シルクよ」
「なんだ?」
「アヤネが此処に来たのかえ?」
「あぁ……来たぞ」
アヤネが出ていった後、直ぐに入ってきたからな。
当然、顔を合わせているだろう。
「やはり来たのか……」
うむぅ……と唸るロア、顔を合わせた時、何かあったのか?
そう気になってると、ロアは話し出した。
「いやの、アヤネの奴がわらわの部屋の方から来たから、またシルクにちょっかいでも掛けたのかと思ってな……一言文句をいったんじゃよ」
ふんすっ、と鼻息を出すロア、そうか……文句言ったのか。
「そしたらの? 何も言い返さずに、やる気に満ち溢れた顔で通り過ぎて行ったのじゃよ」
「ほぉ……そうなのか」
やる気に満ち溢れてるのは、俺に話した事だろうな。
それでやる気が一杯なんだろう……正直言えば、不安で一杯だ。
近い内にまた騒がしくなるんだろうな……。
「シルクよ、アヤネは何を話しておった?」
「ん? えと、それは……」
あぁ、やはり聞いてきたか。
そりゃ、聞いてくるよな……仮に逆の立場だったら、俺も聞く。
コリコリと頬を掻いて考える。
ふむ……どうしよう、言おうか? 別に言っても問題ないだろう。
よしっ、言うか。
「えと、簡潔に話すとだな……」
という訳で、アヤネとの会話を話した。
ロアは相づちしながら、それを聞いていく……そして。
「なっなにぃぃっ、メェに告白させるじゃとっ!」
驚いた。
うん、俺と同じ反応をしたな……。
「あっアヤネの奴、余計な事を……」
「俺も止めるべきだと思ったんだが……止める前に出ていったよ」
思った事は直ぐに口にするし、行動に移す奴だからな……。
止めたとしても、絶対に止めなかっただろう。
「……いや、もしかしたらアヤネのやった事は正しいのかも知れん」
なんて事を考えて苦笑してたら、ロアがそんな事を言ってきた。
アヤネのやった事が正しい事? 明らかに余計なお世話に思えるんだが……一体どういう事だ?
「詳しく話してくれるか?」
「うむ、詳しく話すとだな……」
ロアは、人差し指を立てて説明していく。 
「メェと鬼騎が両思いなのは知っとるよな?」
「あぁ、知ってる」
「メェと鬼騎は昔からの付き合いがあって、度々顔を合わせて、一緒にいる時間も多いのじゃよ」
ほぉ、なるほど……。
それを聞けば、もう好きなら告白すれば良いと思うな。
「なのにも関わらず、あの2人と来たら告白しないのじゃよ。見ていて、はよ告白せんか! って何度思った事か……」
はぁ……。
深いため息をつくロア、色々と思うところがあるらしい。
そっそうか……きっとお互い恥ずかしがってしないんだろうな。
特に鬼騎の場合……絶対にしないだろうな。
メェの前に立つと可笑しくなって、変な口調になる。
そうなったら、告白なんて出来ない。
……ロアの言う通り、もどかしいな。
「じゃから、アヤネのお節介で2人がくっつけば、もどかしい思いとはおさらば出来るかも知れん」
「そうか、それは良い事……なのか?」
仮に2人が付き合ったとして……考え付くのは。
イチャイチャっぷりを見せられて、またイライラするんじゃないか?
と考えたが、それを言うのは止めた。
だって、ロアもそれは分かってそうだからだ。
「まっ、だとしてもアヤネのする行為は、完全なるお節介じゃがな」
「ははは……ハッキリ言うんだな」
「当たり前じゃ、わらわは隠し事は……せんよ」
おい、今間を開けたな? しかも、視線を反らせたな? 明らかにばつの悪そうな顔してたぞ。
してるんだな……隠し事。
まぁ、それについては追求しないでおこう。
「とっ兎に角じゃ……その、わらわが今すべき事は、天に任せる事じゃな。アヤネのお節介で2人が付き合えば、それはそれで万事解決じゃ」
「そうだな。新しいカップルが出来るのは悪い事じゃないもんな……」
俺の言葉を聞いたロアは微笑んで「そうじゃな」と呟く。
しかしその後、うってかわって苦笑いする。
「まぁ……もしメェが鬼騎に告白したら、確実に鬼騎は挙動不審になって可笑しい事になるじゃろう」
「そっそうだな……目とか泳ぎまくるだろうな」
最悪気絶するかもしれない……無くはない話だ。
だから笑ってはいけない。
「まっ、鬼騎も告白されたらビシッ! と答えを言える位の勇気は持ってるじゃろう」
「そう……なのか?」
「そうじゃよ、鬼騎はヘタレじゃが決める所では決める男じゃよ」
くふふふっと誇らしげに笑うロアはソファから立ち上がる。
……なぜロアが誇らしげなのかは知らないが、そうだよな。
鬼騎ならビシッ! と決めるだろう、俺もそう思うよ。
「では、そろそろ再開するかの」
「あぁ」
ロアの言葉を聞いて、俺もソファから立ち上がり部屋から出ていく。
メェと鬼騎の告白の事も大事だが、こっちもこっちでやらない事がある。
アヤネもヴァームに犯人探しを頼まれたんだから探さないといけないんだが……。
メェの事を気にしていて大丈夫なのか?
心配しながら宛の無い犯人探しをする……まぁ、アヤネなら上手くやれるだろう。
俺はそう考える事にして、犯人探しに集中するのであった。
聞き終わった後、アヤネが本気なのが分かった。
あそこは、やはりメェ自身の問題だから止めるべきだったんだろうが……止められなかった。
俺の話も聞きたい、そんな感じの事を言ってたのにも関わらず……話に話した所でアヤネは「じゃ、今からメェちゃんに会ってくる」と言って、素早く部屋から出ていってしまった。
……騒がしい奴だな。
もう少し落ち着いて行動すればいいのに。
 
なんて事を思ってると……。
ガチャリーー
扉が開いた。
開けたのはロア、何やら不思議そうな顔をしながらソファの所へやって来て座る。
「シルクよ」
「なんだ?」
「アヤネが此処に来たのかえ?」
「あぁ……来たぞ」
アヤネが出ていった後、直ぐに入ってきたからな。
当然、顔を合わせているだろう。
「やはり来たのか……」
うむぅ……と唸るロア、顔を合わせた時、何かあったのか?
そう気になってると、ロアは話し出した。
「いやの、アヤネの奴がわらわの部屋の方から来たから、またシルクにちょっかいでも掛けたのかと思ってな……一言文句をいったんじゃよ」
ふんすっ、と鼻息を出すロア、そうか……文句言ったのか。
「そしたらの? 何も言い返さずに、やる気に満ち溢れた顔で通り過ぎて行ったのじゃよ」
「ほぉ……そうなのか」
やる気に満ち溢れてるのは、俺に話した事だろうな。
それでやる気が一杯なんだろう……正直言えば、不安で一杯だ。
近い内にまた騒がしくなるんだろうな……。
「シルクよ、アヤネは何を話しておった?」
「ん? えと、それは……」
あぁ、やはり聞いてきたか。
そりゃ、聞いてくるよな……仮に逆の立場だったら、俺も聞く。
コリコリと頬を掻いて考える。
ふむ……どうしよう、言おうか? 別に言っても問題ないだろう。
よしっ、言うか。
「えと、簡潔に話すとだな……」
という訳で、アヤネとの会話を話した。
ロアは相づちしながら、それを聞いていく……そして。
「なっなにぃぃっ、メェに告白させるじゃとっ!」
驚いた。
うん、俺と同じ反応をしたな……。
「あっアヤネの奴、余計な事を……」
「俺も止めるべきだと思ったんだが……止める前に出ていったよ」
思った事は直ぐに口にするし、行動に移す奴だからな……。
止めたとしても、絶対に止めなかっただろう。
「……いや、もしかしたらアヤネのやった事は正しいのかも知れん」
なんて事を考えて苦笑してたら、ロアがそんな事を言ってきた。
アヤネのやった事が正しい事? 明らかに余計なお世話に思えるんだが……一体どういう事だ?
「詳しく話してくれるか?」
「うむ、詳しく話すとだな……」
ロアは、人差し指を立てて説明していく。 
「メェと鬼騎が両思いなのは知っとるよな?」
「あぁ、知ってる」
「メェと鬼騎は昔からの付き合いがあって、度々顔を合わせて、一緒にいる時間も多いのじゃよ」
ほぉ、なるほど……。
それを聞けば、もう好きなら告白すれば良いと思うな。
「なのにも関わらず、あの2人と来たら告白しないのじゃよ。見ていて、はよ告白せんか! って何度思った事か……」
はぁ……。
深いため息をつくロア、色々と思うところがあるらしい。
そっそうか……きっとお互い恥ずかしがってしないんだろうな。
特に鬼騎の場合……絶対にしないだろうな。
メェの前に立つと可笑しくなって、変な口調になる。
そうなったら、告白なんて出来ない。
……ロアの言う通り、もどかしいな。
「じゃから、アヤネのお節介で2人がくっつけば、もどかしい思いとはおさらば出来るかも知れん」
「そうか、それは良い事……なのか?」
仮に2人が付き合ったとして……考え付くのは。
イチャイチャっぷりを見せられて、またイライラするんじゃないか?
と考えたが、それを言うのは止めた。
だって、ロアもそれは分かってそうだからだ。
「まっ、だとしてもアヤネのする行為は、完全なるお節介じゃがな」
「ははは……ハッキリ言うんだな」
「当たり前じゃ、わらわは隠し事は……せんよ」
おい、今間を開けたな? しかも、視線を反らせたな? 明らかにばつの悪そうな顔してたぞ。
してるんだな……隠し事。
まぁ、それについては追求しないでおこう。
「とっ兎に角じゃ……その、わらわが今すべき事は、天に任せる事じゃな。アヤネのお節介で2人が付き合えば、それはそれで万事解決じゃ」
「そうだな。新しいカップルが出来るのは悪い事じゃないもんな……」
俺の言葉を聞いたロアは微笑んで「そうじゃな」と呟く。
しかしその後、うってかわって苦笑いする。
「まぁ……もしメェが鬼騎に告白したら、確実に鬼騎は挙動不審になって可笑しい事になるじゃろう」
「そっそうだな……目とか泳ぎまくるだろうな」
最悪気絶するかもしれない……無くはない話だ。
だから笑ってはいけない。
「まっ、鬼騎も告白されたらビシッ! と答えを言える位の勇気は持ってるじゃろう」
「そう……なのか?」
「そうじゃよ、鬼騎はヘタレじゃが決める所では決める男じゃよ」
くふふふっと誇らしげに笑うロアはソファから立ち上がる。
……なぜロアが誇らしげなのかは知らないが、そうだよな。
鬼騎ならビシッ! と決めるだろう、俺もそう思うよ。
「では、そろそろ再開するかの」
「あぁ」
ロアの言葉を聞いて、俺もソファから立ち上がり部屋から出ていく。
メェと鬼騎の告白の事も大事だが、こっちもこっちでやらない事がある。
アヤネもヴァームに犯人探しを頼まれたんだから探さないといけないんだが……。
メェの事を気にしていて大丈夫なのか?
心配しながら宛の無い犯人探しをする……まぁ、アヤネなら上手くやれるだろう。
俺はそう考える事にして、犯人探しに集中するのであった。
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