どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
210
スタスタスタ……。
メェの食事がやっと終わりゆっくりと城下町を歩む俺達、色んな事を話ながら歩いている。
「ふぃぃ、沢山食べたですぅ」
「全く、お主はちと食べ過ぎじゃ! そんなんじゃと太るぞ」
「メェは太らない体質なんですぅ」
ぽんぽんっーー
お腹を叩き、舌をぺろんっと出すメェに突っ込むロア。
そう、ロアの言う通りメェは大量にサラダを食べた。
だからロアの言う通りなんだが、メェは全く気にしていない。
それどころか余裕の一言を言う始末、それで後悔しても知らないぞ?
と、そんな心配をしつつ、俺はメェとロアの後ろにいる。
側にはアヤネがいて、ガッチリと腕を組まれている。
これはあれだ……いつの間にかこうなっていた。
店を出て、「さぁ、何処へ行こうか?」となって、数分歩いた頃には、この状態……離そうにも「いや」と言って離してくれない。
と言うか、それを言う時の表情が本当に嫌そうな顔をしていた。
この表情をした時のアヤネの意思は固い、なので「……あんまりキツく組むなよ」とだけ言っておいた。
そしたら直ぐに「うん、わかった」と嬉しそうに答えた。
その際に、アヤネの黒い髪が揺れた。
……本当に嬉しいんだな、俺と腕を組んだって何もならないのに。
いや、俺何もならない事はないな、少なくとも俺は、アヤネの笑顔を見て……かっ可愛いと思って、どきっとなってるよ。
だから、顔が若干紅くなってる、それを隠すのが一苦労だ。
当然、アヤネはその苦労の事なんて知る由もない。
全く、人の苦労を知らない奴め。
「ねぇ、シルク」
「なんだ?」
「あの牛っぽい人、こっち見てる」
……え?
不意に言われてアヤネの方を見ると、指を指していた。
その方向を見ると、アヤネの言う様に、牛の様な人間がこっちを見てた。
「うぉっ! こっち見てくれたぁぁっ」
野太い声で嬉しそうにはしゃぐ牛人間、巨体ではしゃいでるから、ドシッ……ドシッ……って鳴っている。
大きな男がはしゃぐな、そう言いたかったが……言うのを堪えた。
あの手の奴は、何も言わない方が良い、ここに連れられて学んだ事だ。
魔物共は無視すべし、ヴァームの強制コスプレは無心になるべし、触らぬドMスライムに祟りなし……他にも沢山あるが、割愛させて貰う。
「あの牛っぽい人……なんか変だね」
「あぁ変だな、だから無視しような」
「ん、分かった」
俺の言葉を聞いたアヤネは牛人間から目を反らした、俺も同じく目を反らす、そしたら「あっ、もっもう1回こっち見てぇっ」とか叫んだが、当然無視した。
「……あっ、魔王様」
「なんじゃ? 急に話を変えよって」
そしたら、前の2人が違う動きを見せた。
先程の話題はもう終ったらしい。
「メェは魔王城に戻るです、怖い目にあって此処に来たですが、やる事があるですよ」
「ん、そうか……では気を付けてな」
怖い目? なんの事か分からないが……あまり気にしないでおこう。
「という訳でアヤネ! こっちに来るですっ」
「……やだ、私はシルクと一緒にいたい気分」
「やれやれ、アヤネよ……お主はそればかりじゃな、って! 何腕を組んでいるのじゃぁっ!」
アヤネが何時もの返しをして、ロアが呆れた時……アヤネと俺が腕を組んでいる事に気づいた。
実はさっきから気付いていなかったのだ、何時もなら直ぐに気付いて引き剥がそうとしてくるが、今回はそうじゃなかった。
「離れるのじゃ!」
「やだ」
ロアが直ぐに俺とアヤネの側にやって来てアヤネを押し退けようとする。
2人のこのやり取りを見て、あっ……また騒がしくなるな、と思ってしまう。
だが……予想を裏切る事が起きた。
「えいっ!」
「……はわ」
メェがアヤネに向かって体当たりをした。
体当たりされたアヤネは軽く吹っ飛んで尻餅をついてしまう。
びっビックリしたぁ、いきなり何してるんだ。
驚きすぎて声が出せなかった、と言うか……アヤネ、今変な声でたな。
「メェちゃん、酷い……」
お尻を叩きながら立ち上がり、頬を膨らませて睨み付けるアヤネ、そしたらメェも睨みを効かせて言い寄ってくる。
「うっせぇですよ! 酷いのはどっちか今から教えてやるです」
「わっ、めっメェちゃんに抱っこされた……って、メェちゃん? 何処行くの? 私……そっちに行きたくない気分」
メェは軽々とアヤネをお姫様抱っこして、何か言うアヤネの言葉を無視して歩いていってしまう。
あの方向は……魔王城だな、良く分からないがメェは怒ってたな、アヤネが何かしたのか?
そんな事を思いながら遠ざかっていく2人を見て、嵐の様な出来事だったな、と思ってしまった。
あまりの出来事に呆気に取られていると、服を引っ張られた、その方向を見ると……上目使いをしているロアがいた。
「なんか良く分からんが……やっと2人になれたの」
「え? あっあぁ……そうだな」
苦笑するロアに対して、俺も苦笑して言葉を返す。
…………あ、また気まずくなってきたな。
「そっその、ちと良いかの?」
「別に良いが、どうした?」
気まずさで、また良く分からない気持ちになりつつ、ロアの話を聞く事にした。
そんな彼女を見てみると、恥じらう乙女の様にもじもじしていた。
………正直に言おう、とても可愛い。
「そっその……えと、ここじゃあれじゃから……ひっ人目のつかぬ所に行くのじゃ!」
「え? あっ……うぉっ!?」
とか思ってたら、ぐいっと腕を引っ張られた。
どっどうした? 俺を何処に連れてくつもりだよ!
突然の行動に抵抗できない俺は、ロアに手を引かれて何処かへ連れていかれてしまう。
行く先は勿論何処だか分からない、なので不安で仕方なかった。
ロア……お前は何を俺に言うつもりなんだ?
メェの食事がやっと終わりゆっくりと城下町を歩む俺達、色んな事を話ながら歩いている。
「ふぃぃ、沢山食べたですぅ」
「全く、お主はちと食べ過ぎじゃ! そんなんじゃと太るぞ」
「メェは太らない体質なんですぅ」
ぽんぽんっーー
お腹を叩き、舌をぺろんっと出すメェに突っ込むロア。
そう、ロアの言う通りメェは大量にサラダを食べた。
だからロアの言う通りなんだが、メェは全く気にしていない。
それどころか余裕の一言を言う始末、それで後悔しても知らないぞ?
と、そんな心配をしつつ、俺はメェとロアの後ろにいる。
側にはアヤネがいて、ガッチリと腕を組まれている。
これはあれだ……いつの間にかこうなっていた。
店を出て、「さぁ、何処へ行こうか?」となって、数分歩いた頃には、この状態……離そうにも「いや」と言って離してくれない。
と言うか、それを言う時の表情が本当に嫌そうな顔をしていた。
この表情をした時のアヤネの意思は固い、なので「……あんまりキツく組むなよ」とだけ言っておいた。
そしたら直ぐに「うん、わかった」と嬉しそうに答えた。
その際に、アヤネの黒い髪が揺れた。
……本当に嬉しいんだな、俺と腕を組んだって何もならないのに。
いや、俺何もならない事はないな、少なくとも俺は、アヤネの笑顔を見て……かっ可愛いと思って、どきっとなってるよ。
だから、顔が若干紅くなってる、それを隠すのが一苦労だ。
当然、アヤネはその苦労の事なんて知る由もない。
全く、人の苦労を知らない奴め。
「ねぇ、シルク」
「なんだ?」
「あの牛っぽい人、こっち見てる」
……え?
不意に言われてアヤネの方を見ると、指を指していた。
その方向を見ると、アヤネの言う様に、牛の様な人間がこっちを見てた。
「うぉっ! こっち見てくれたぁぁっ」
野太い声で嬉しそうにはしゃぐ牛人間、巨体ではしゃいでるから、ドシッ……ドシッ……って鳴っている。
大きな男がはしゃぐな、そう言いたかったが……言うのを堪えた。
あの手の奴は、何も言わない方が良い、ここに連れられて学んだ事だ。
魔物共は無視すべし、ヴァームの強制コスプレは無心になるべし、触らぬドMスライムに祟りなし……他にも沢山あるが、割愛させて貰う。
「あの牛っぽい人……なんか変だね」
「あぁ変だな、だから無視しような」
「ん、分かった」
俺の言葉を聞いたアヤネは牛人間から目を反らした、俺も同じく目を反らす、そしたら「あっ、もっもう1回こっち見てぇっ」とか叫んだが、当然無視した。
「……あっ、魔王様」
「なんじゃ? 急に話を変えよって」
そしたら、前の2人が違う動きを見せた。
先程の話題はもう終ったらしい。
「メェは魔王城に戻るです、怖い目にあって此処に来たですが、やる事があるですよ」
「ん、そうか……では気を付けてな」
怖い目? なんの事か分からないが……あまり気にしないでおこう。
「という訳でアヤネ! こっちに来るですっ」
「……やだ、私はシルクと一緒にいたい気分」
「やれやれ、アヤネよ……お主はそればかりじゃな、って! 何腕を組んでいるのじゃぁっ!」
アヤネが何時もの返しをして、ロアが呆れた時……アヤネと俺が腕を組んでいる事に気づいた。
実はさっきから気付いていなかったのだ、何時もなら直ぐに気付いて引き剥がそうとしてくるが、今回はそうじゃなかった。
「離れるのじゃ!」
「やだ」
ロアが直ぐに俺とアヤネの側にやって来てアヤネを押し退けようとする。
2人のこのやり取りを見て、あっ……また騒がしくなるな、と思ってしまう。
だが……予想を裏切る事が起きた。
「えいっ!」
「……はわ」
メェがアヤネに向かって体当たりをした。
体当たりされたアヤネは軽く吹っ飛んで尻餅をついてしまう。
びっビックリしたぁ、いきなり何してるんだ。
驚きすぎて声が出せなかった、と言うか……アヤネ、今変な声でたな。
「メェちゃん、酷い……」
お尻を叩きながら立ち上がり、頬を膨らませて睨み付けるアヤネ、そしたらメェも睨みを効かせて言い寄ってくる。
「うっせぇですよ! 酷いのはどっちか今から教えてやるです」
「わっ、めっメェちゃんに抱っこされた……って、メェちゃん? 何処行くの? 私……そっちに行きたくない気分」
メェは軽々とアヤネをお姫様抱っこして、何か言うアヤネの言葉を無視して歩いていってしまう。
あの方向は……魔王城だな、良く分からないがメェは怒ってたな、アヤネが何かしたのか?
そんな事を思いながら遠ざかっていく2人を見て、嵐の様な出来事だったな、と思ってしまった。
あまりの出来事に呆気に取られていると、服を引っ張られた、その方向を見ると……上目使いをしているロアがいた。
「なんか良く分からんが……やっと2人になれたの」
「え? あっあぁ……そうだな」
苦笑するロアに対して、俺も苦笑して言葉を返す。
…………あ、また気まずくなってきたな。
「そっその、ちと良いかの?」
「別に良いが、どうした?」
気まずさで、また良く分からない気持ちになりつつ、ロアの話を聞く事にした。
そんな彼女を見てみると、恥じらう乙女の様にもじもじしていた。
………正直に言おう、とても可愛い。
「そっその……えと、ここじゃあれじゃから……ひっ人目のつかぬ所に行くのじゃ!」
「え? あっ……うぉっ!?」
とか思ってたら、ぐいっと腕を引っ張られた。
どっどうした? 俺を何処に連れてくつもりだよ!
突然の行動に抵抗できない俺は、ロアに手を引かれて何処かへ連れていかれてしまう。
行く先は勿論何処だか分からない、なので不安で仕方なかった。
ロア……お前は何を俺に言うつもりなんだ?
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