どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
209
「毎回毎回、邪魔ばかりして、お前は何がしたいのじゃ!」
「シルクと一緒にいたいの、だからロアと2人きりはダメ」
「なんじゃ、その理屈は!」
「……わかんない」
「うがぁぁっ、むかつくのじゃぁぁっ」
俺は、両隣で言い合いをしてるお前等にムカついてるよ。
はぁ……さっきの真剣な雰囲気なんて何処へやら、他の客の迷惑省みず口喧嘩、店では静かにするのがマナーだろ。
ほら、目の前にいるメェを見ろ。
「アヤネに恐い目に合わされてお腹減ったです、と言う訳で食べるですよ!」
喫茶店に来てるのに、サラダを3つも頼んで、食べ始めた。
だが、煩く喋らないだけマシだ。
俺は、両隣の口喧嘩が終わるまで運ばれて来たアイスティとケーキを食べて静かに待つとしよう。
という訳で、アイスティを手に持ち、こくりっと飲んでいく。
うん、茶葉の味がしっかり出て美味しい。
……少し気になったんだが、魔界にも茶葉はあるのか? そんな疑問を抱きつつ、ちらりと両隣を見る。
「だいたい、毎度毎度わらわとシルクが一緒にいる時に来るが、あれか? 嫌がらせかえ?」
「違う、隙を見て奪おうとしてる」
「こっこいつ、真顔でそんな事を言うとは……」
「はっ、しまった……今のは秘密にしておくべき事だった、だから忘れて」
「アホかっ、無理に決まっとるじゃろう!」
やいやい、ぎゃいぎゃい、騒いでる。
これ、いつまで続くんだ? そろそろ店員さんや他の客が迷惑そうにしてるぞ。
あと、店員さん、相手は魔王だが、遠慮なく「うるせぇっ」って言っても良いんだぞ?
言っても、逆に「うるさいのじゃ」って言われるんだろうけどな……。
「……ぁ」
と、ここで俺は気づく。
俺が言えば良い、2人の言い合いを聞いてれば、俺の名前が、ガンガン出てくる。
だから、俺が一言注意すれば止まるかもしれない。
だが、今までの様に、言いくるめられて、この騒動が続くって事もありうる。
……だが、言った方が良いだろう。
さっきはアヤネとメェが来て言いそびれてしまったが、今この瞬間、この言葉はしっかり言ってやる。
変に言いくるめられた時は……その時は、金を払ってこの店から出ていこう。
「煩いぞ2人共、静かにしろ、他の客に迷惑だ」
「シルクは黙っておれ!」
「シルク、今は静かにしてて」
……なるほど、やはりそんな態度を取ったか。
「じゃぁ、俺は帰る」
「んなっ……なんじゃと!」
ガタッ……。
テーブルを揺らし、出ていこうとする俺だったが、そう言えば、外側にはアヤネが座ってたんだった。
「帰っちゃダメ、ここは通さない」
「……だったら静かにしてくれ」
そう言われたので睨み付けつつ言った。
そしたら、こう返ってきた。
「ロアが静かにしたら、私は静かにする」
「んなっ、なんじゃその理屈は!」
ロアの言う通りだ、相変わらず自分本意な事ばかり言うな。
で、ロアもロアで……お前がそれを言うかって突っ込んでやりたい。
「屁理屈だよ?」
とか考えてたら、アヤネが、さらっと言った。
ロアを真っ直ぐみて、ハッキリと……。
アヤネよ、それ……下手したら人を怒らせる返しだぞ? もう少し言葉を選べ。
「こっこやつ、おちょくっておるのか?」
ほらみろ、ロアが怒ったじゃないか。
眉をぴくぴくさせて、また俺の肩を持ち、身を乗り出してきた。
こうなると、また煩くなる。
なんとしても止めないとな……出来れば、メェにも協力して欲しいんだが、無理だな。
ちらっと、メェの方を見てみると、いつの間にかサラダを追加注文してた。
どんだけ野菜を食べるんだよ。
「んあ? なにみてりゅれしゅか?」
「食べながら喋るな、何も無いから、ゆっくり食べててくれ」
「ふぁかっられす」
もっしゃもっしゃ……。
両手にフォークを持って、食べる食べる、凄い勢いでサラダが減る。
こりゃ、また追加注文するな。
……おっと、メェの事はいい。
今は目の前の問題を解決しないとダメだ。
「アヤネよ、そなたはあれか? 喧嘩でも売ってるのかえ?」
「売ってないよ」
アヤネの言葉を聞いたロアの表情が固まる、小声で「ぐっぐぬぬっ、なんか腹立つのじゃ……」と言ってる。
あぁヤバイ、これはダメなパターンだ。
間違いなく手が出る、ロアの眼には怒りの炎が燃えている。
これはあれだ、多少強引な手を取らせて貰おう。
俺は、1度深呼吸する、その後は両手を上に挙げて、握り拳をつくる。
そしたらだ、ロアとアヤネは2人して、不思議そうな顔をする。
何かを言おうとしていたが、それを言わせる前にわ2人の頭に拳を降り降ろす。
ごいんっ! がいんっ!
「っ! なっ何をする、シルク!」
「シルクが打った、打つのはダメなんだよ」
殴られた事に対して怒る2人に、俺は冷やかな目をして、テーブルに手を置く。
そして、低い声で言ってやった。
「静かにしろ、良いな?」
なるべく恐く聞こえる様にした。
じゃないと効果がない、脅してるみたいで嫌だが、もうこれしか方法は無いと思うんだ。
さぁ、結果はどうだ?
左右を確認してみると、ロアもアヤネも怯えた顔をしていた。
そして、消え入りそうな声で言って来た。
「……あい」
「……分かった」
明らかに、しゅんっとした態度を見せる2人。
ふぅ……やっと静かになった。
良かった、と安堵したその時だった。
「店員さぁんっ、サラダ追加でぇす」
また問題が浮上した、さっきから食べてばかりのメェをどうしよう……。
こればっかりは何も思い付かない。
いや、たった1つ解決する方法があるな。
それは……メェの腹が満たされるまで、じっと待つ。
やれやれ、大事な事を聞けないまま、こんな面倒な事になるなんてな。
……こうなるんだったら、さっさと聞けば良かった。
そう後悔する俺は、深いため息をついた。
この後、メェが満腹になるまで待ち続けたのだが……大分時間が掛かったのは言うまでもない。
「シルクと一緒にいたいの、だからロアと2人きりはダメ」
「なんじゃ、その理屈は!」
「……わかんない」
「うがぁぁっ、むかつくのじゃぁぁっ」
俺は、両隣で言い合いをしてるお前等にムカついてるよ。
はぁ……さっきの真剣な雰囲気なんて何処へやら、他の客の迷惑省みず口喧嘩、店では静かにするのがマナーだろ。
ほら、目の前にいるメェを見ろ。
「アヤネに恐い目に合わされてお腹減ったです、と言う訳で食べるですよ!」
喫茶店に来てるのに、サラダを3つも頼んで、食べ始めた。
だが、煩く喋らないだけマシだ。
俺は、両隣の口喧嘩が終わるまで運ばれて来たアイスティとケーキを食べて静かに待つとしよう。
という訳で、アイスティを手に持ち、こくりっと飲んでいく。
うん、茶葉の味がしっかり出て美味しい。
……少し気になったんだが、魔界にも茶葉はあるのか? そんな疑問を抱きつつ、ちらりと両隣を見る。
「だいたい、毎度毎度わらわとシルクが一緒にいる時に来るが、あれか? 嫌がらせかえ?」
「違う、隙を見て奪おうとしてる」
「こっこいつ、真顔でそんな事を言うとは……」
「はっ、しまった……今のは秘密にしておくべき事だった、だから忘れて」
「アホかっ、無理に決まっとるじゃろう!」
やいやい、ぎゃいぎゃい、騒いでる。
これ、いつまで続くんだ? そろそろ店員さんや他の客が迷惑そうにしてるぞ。
あと、店員さん、相手は魔王だが、遠慮なく「うるせぇっ」って言っても良いんだぞ?
言っても、逆に「うるさいのじゃ」って言われるんだろうけどな……。
「……ぁ」
と、ここで俺は気づく。
俺が言えば良い、2人の言い合いを聞いてれば、俺の名前が、ガンガン出てくる。
だから、俺が一言注意すれば止まるかもしれない。
だが、今までの様に、言いくるめられて、この騒動が続くって事もありうる。
……だが、言った方が良いだろう。
さっきはアヤネとメェが来て言いそびれてしまったが、今この瞬間、この言葉はしっかり言ってやる。
変に言いくるめられた時は……その時は、金を払ってこの店から出ていこう。
「煩いぞ2人共、静かにしろ、他の客に迷惑だ」
「シルクは黙っておれ!」
「シルク、今は静かにしてて」
……なるほど、やはりそんな態度を取ったか。
「じゃぁ、俺は帰る」
「んなっ……なんじゃと!」
ガタッ……。
テーブルを揺らし、出ていこうとする俺だったが、そう言えば、外側にはアヤネが座ってたんだった。
「帰っちゃダメ、ここは通さない」
「……だったら静かにしてくれ」
そう言われたので睨み付けつつ言った。
そしたら、こう返ってきた。
「ロアが静かにしたら、私は静かにする」
「んなっ、なんじゃその理屈は!」
ロアの言う通りだ、相変わらず自分本意な事ばかり言うな。
で、ロアもロアで……お前がそれを言うかって突っ込んでやりたい。
「屁理屈だよ?」
とか考えてたら、アヤネが、さらっと言った。
ロアを真っ直ぐみて、ハッキリと……。
アヤネよ、それ……下手したら人を怒らせる返しだぞ? もう少し言葉を選べ。
「こっこやつ、おちょくっておるのか?」
ほらみろ、ロアが怒ったじゃないか。
眉をぴくぴくさせて、また俺の肩を持ち、身を乗り出してきた。
こうなると、また煩くなる。
なんとしても止めないとな……出来れば、メェにも協力して欲しいんだが、無理だな。
ちらっと、メェの方を見てみると、いつの間にかサラダを追加注文してた。
どんだけ野菜を食べるんだよ。
「んあ? なにみてりゅれしゅか?」
「食べながら喋るな、何も無いから、ゆっくり食べててくれ」
「ふぁかっられす」
もっしゃもっしゃ……。
両手にフォークを持って、食べる食べる、凄い勢いでサラダが減る。
こりゃ、また追加注文するな。
……おっと、メェの事はいい。
今は目の前の問題を解決しないとダメだ。
「アヤネよ、そなたはあれか? 喧嘩でも売ってるのかえ?」
「売ってないよ」
アヤネの言葉を聞いたロアの表情が固まる、小声で「ぐっぐぬぬっ、なんか腹立つのじゃ……」と言ってる。
あぁヤバイ、これはダメなパターンだ。
間違いなく手が出る、ロアの眼には怒りの炎が燃えている。
これはあれだ、多少強引な手を取らせて貰おう。
俺は、1度深呼吸する、その後は両手を上に挙げて、握り拳をつくる。
そしたらだ、ロアとアヤネは2人して、不思議そうな顔をする。
何かを言おうとしていたが、それを言わせる前にわ2人の頭に拳を降り降ろす。
ごいんっ! がいんっ!
「っ! なっ何をする、シルク!」
「シルクが打った、打つのはダメなんだよ」
殴られた事に対して怒る2人に、俺は冷やかな目をして、テーブルに手を置く。
そして、低い声で言ってやった。
「静かにしろ、良いな?」
なるべく恐く聞こえる様にした。
じゃないと効果がない、脅してるみたいで嫌だが、もうこれしか方法は無いと思うんだ。
さぁ、結果はどうだ?
左右を確認してみると、ロアもアヤネも怯えた顔をしていた。
そして、消え入りそうな声で言って来た。
「……あい」
「……分かった」
明らかに、しゅんっとした態度を見せる2人。
ふぅ……やっと静かになった。
良かった、と安堵したその時だった。
「店員さぁんっ、サラダ追加でぇす」
また問題が浮上した、さっきから食べてばかりのメェをどうしよう……。
こればっかりは何も思い付かない。
いや、たった1つ解決する方法があるな。
それは……メェの腹が満たされるまで、じっと待つ。
やれやれ、大事な事を聞けないまま、こんな面倒な事になるなんてな。
……こうなるんだったら、さっさと聞けば良かった。
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