どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
175
俺はヴァームの案内によって部屋に戻ってこれた。
「では、よろしくお願いしますね」
去り際にそう言った後、ヴァームは静かに帰っていった。
部屋の扉を開けると、まだ薄暗い、いや……さっきよりは若干明るくなってるか?
……まっ、それはどうでも良いか、ふぅ……ため息をつき俺はロアとアヤネが寝てる部屋に行く。
「まだ寝てるな……」
どちらも朝は弱い、昨日あんな事があってもこれだけはブレないらしい。
そんな姿を見て微笑しながら空いた布団の上にあぐらをかいて座る。
「んっ……んう」
もごもご……。
気持ち良さそうに寝ながら小声で呻くアヤネ、小山の様に膨らんだ布団がゆっくり左右に揺れる、俺はそれをじっと見る。
「くかぁ……すぴぃ……」
今度は可愛らしい寝息が聞こえる、この声はロアだな。
……布団蹴っ飛ばしてるな、普段はこんなに寝どうが悪くないんだけどな、昨日は色々あったから仕方ないだろう。
「……さて」
軽く手を叩いて決意する俺、正直ここで起こすのは可哀想だが起こそう。
「おーい、起きろー」
と言う事でゆさゆさ揺らしてみる、経験上これで起きた事は無いんだがな……。
だから軽く何度も叩いてみる、そしたら不快そうに顔を歪ませる。
「……んっ、んんっ、何じゃ?」
「なっ……に、痛い……よ」
……起きた、だがまだ完全には起きてないな。
「おはようロア、アヤネ」
「……シルク? うぅ……眠いのじゃ」
「私、まだ……眠い、ぐぅ」
ほら、起きてはいるが布団から出てこない、まだ眼をしぱしぱさせてる……これは二度寝するな、絶対にする、間違いない。
普段なら二度寝してくれるのは有り難い、だが今は違う……早く起きてほしいんだ。
それは遊びに誘うためだ、いまだかつて遊びに誘うのにこんなに緊張する事は無いだろう……普段ならもっと気軽に言える、だが状況が状況だ、仕方ない。
ここで寝かせたら言う切っ掛けを失う……よし、言おうか。
カッーー
眼を見開いて言い放つ。
「なぁ……急で変に思われるかも知れないが、俺と遊んでくれないか」
「……」
場所は切り替わり、太陽が真上に昇った砂浜、今日も空は蒼い。
この夏空はここに来てから何度も見てて少し飽きてきた、暑いし汗もかくし早く帰りたい……と言うのを肝試しをする前の俺はたまぁに思ってた。
で、今どう思ってるかと言うと……。
「シルクっ、次は泳ごう! 島に辿り着くまで泳ぐのじゃ」
「違う、スイカ割りしよ」
どうしてこうなった……。
なぜだ、なぜなんだ? なんでこの2人はこんなにも元気なんだ? なんで綺麗な水着をつけて元気良く俺の腕を引っ張りあってるんだ?
まるで昨日の事を忘れたかの様に……。
あの時、俺が「なぁ……急で変に思われるかも知れないが、俺と遊んでくれないか」って言った瞬間、急に2人共起き上がって。
「遊ぶのじゃ!」
「遊ぶっ」
と言った、その間約1秒……対応が速すぎてヴァームとリヴァイに仕組まれたか? と思った位だ。
なんだ? 俺が考えすぎてただけなのか? いっいや……そんな事は無い筈だ。
「なにぃっ、スイカ割りだと? それはもうやっただろ!」
「確かにやった、でももう一度やりたい!」
黒くグラマーで大人な水着を着るロアが白くクールで綺麗な水着を着てるアヤネに言い寄る。
言い寄るのは別に良いが俺を挟んでやらないで欲しい……胸が当たって大変なんだよ。
ん、俺はどんな水着を着てるんだって? オレンジ色の可愛い水着でフリルが付いた奴だが、何か?
分かってると思うが俺が好き好んで着た訳じゃないからな、勘違いするんじゃないぞ。
あぁ、因みにアヤネが言ってたスイカ割りだが……実際にやった。
あの時は大変だった、ほとんどの奴が割れなくて悔しい思いをしてる中、アヤネが棒を使わずキックで割った。
その時、全員が「棒使えよ」と突っ込んだのは言うまでもない。
……と、そんな思出話はどうでも良いんだ。
それよりも声に出したい事がある、なぜ周りに誰もいない!
いや……正確に言うならば、物凄く距離を取られてる。
俺とロアとアヤネがこんな事をやってるなかで遠くでは皆がわぁわぁと騒いでるのが見える。
なるほど、これはあれだな? 俺達の事は良いから楽しめ……と言う気づかいか? ごめん、普通に過ごして欲しかった、これは気まずすぎて色々と辛い。
「わらわは泳ぎたいのじゃ!」
「シルクは体力無い貧弱だから直ぐ溺れちゃうからダメ」
「おい……軽くディスるな」
人が色々と思い悩んでる時にさらっと酷い事を言うな。
「くふふふ、分かっておらんな? 溺れる……それすなわち人工呼吸が出来るのじゃっ!」
「なるほどな、そう言う事か……」
ロアはロアで魂胆が丸分かりだ、いつでもどこでもキスしようとしてくるな。
「そんな事させない、スイカ割りなら安心」
アヤネ、どう安心なのか分からないぞ? と、口に出さずに心で突っ込んでたら2人がこっちを見てきた。
「シルクっ、どっちが良いのじゃ?」
「当然スイカ割りだよね?」
……2択か、どっちを選んでも嫌な結果を辿りそうだが選ぶしかないか、俺はコリコリと頬をかきながらこたえた。
「どっちもすれば良いだろ? 時間はあるんだし……遊ぼうって言ったのは俺だ、しっかり付き合ってやるよ」
ぶっきらぼう、そう思われる言い方で言った。
そしたら2人はきょとんとした、で笑顔になった。
「本当か!」
「スイカ割り出来るのっ」
「本当だ、スイカ割りも出来るから落ち着け」
喜んだ2人は俺に抱きついてくる、柔らかい……良い匂い、相変わらず俺の理性に直接攻撃してくる奴等だな。
「では、まず泳ぐのじゃ!」
「違う、スイカ割り」
あっ、これはモメそうな雰囲気だ……よし、ここはこう切り出そう。
「……ジャンケンして決めろ」
「「じゃんけんっ……ぽんっ」」
素直にジャンケンしてくれた、でここからラリーが続いた。
……まさか、こうも簡単に遊びに誘われるとは思わなかった。
かなり戸惑っている、だがそうしてる訳にもいかない……これは2人を元気つかせる為にやる事なんだ。
だから俺が2人のやりたい事を聞く、そしたら2人は喜んでくれる……それと俺自身も遊びに集中する、難しい問題だ。
だが頑張ってやりきらなきゃな、俺は2人の悲しい顔なんて見たくないからな。
「では、よろしくお願いしますね」
去り際にそう言った後、ヴァームは静かに帰っていった。
部屋の扉を開けると、まだ薄暗い、いや……さっきよりは若干明るくなってるか?
……まっ、それはどうでも良いか、ふぅ……ため息をつき俺はロアとアヤネが寝てる部屋に行く。
「まだ寝てるな……」
どちらも朝は弱い、昨日あんな事があってもこれだけはブレないらしい。
そんな姿を見て微笑しながら空いた布団の上にあぐらをかいて座る。
「んっ……んう」
もごもご……。
気持ち良さそうに寝ながら小声で呻くアヤネ、小山の様に膨らんだ布団がゆっくり左右に揺れる、俺はそれをじっと見る。
「くかぁ……すぴぃ……」
今度は可愛らしい寝息が聞こえる、この声はロアだな。
……布団蹴っ飛ばしてるな、普段はこんなに寝どうが悪くないんだけどな、昨日は色々あったから仕方ないだろう。
「……さて」
軽く手を叩いて決意する俺、正直ここで起こすのは可哀想だが起こそう。
「おーい、起きろー」
と言う事でゆさゆさ揺らしてみる、経験上これで起きた事は無いんだがな……。
だから軽く何度も叩いてみる、そしたら不快そうに顔を歪ませる。
「……んっ、んんっ、何じゃ?」
「なっ……に、痛い……よ」
……起きた、だがまだ完全には起きてないな。
「おはようロア、アヤネ」
「……シルク? うぅ……眠いのじゃ」
「私、まだ……眠い、ぐぅ」
ほら、起きてはいるが布団から出てこない、まだ眼をしぱしぱさせてる……これは二度寝するな、絶対にする、間違いない。
普段なら二度寝してくれるのは有り難い、だが今は違う……早く起きてほしいんだ。
それは遊びに誘うためだ、いまだかつて遊びに誘うのにこんなに緊張する事は無いだろう……普段ならもっと気軽に言える、だが状況が状況だ、仕方ない。
ここで寝かせたら言う切っ掛けを失う……よし、言おうか。
カッーー
眼を見開いて言い放つ。
「なぁ……急で変に思われるかも知れないが、俺と遊んでくれないか」
「……」
場所は切り替わり、太陽が真上に昇った砂浜、今日も空は蒼い。
この夏空はここに来てから何度も見てて少し飽きてきた、暑いし汗もかくし早く帰りたい……と言うのを肝試しをする前の俺はたまぁに思ってた。
で、今どう思ってるかと言うと……。
「シルクっ、次は泳ごう! 島に辿り着くまで泳ぐのじゃ」
「違う、スイカ割りしよ」
どうしてこうなった……。
なぜだ、なぜなんだ? なんでこの2人はこんなにも元気なんだ? なんで綺麗な水着をつけて元気良く俺の腕を引っ張りあってるんだ?
まるで昨日の事を忘れたかの様に……。
あの時、俺が「なぁ……急で変に思われるかも知れないが、俺と遊んでくれないか」って言った瞬間、急に2人共起き上がって。
「遊ぶのじゃ!」
「遊ぶっ」
と言った、その間約1秒……対応が速すぎてヴァームとリヴァイに仕組まれたか? と思った位だ。
なんだ? 俺が考えすぎてただけなのか? いっいや……そんな事は無い筈だ。
「なにぃっ、スイカ割りだと? それはもうやっただろ!」
「確かにやった、でももう一度やりたい!」
黒くグラマーで大人な水着を着るロアが白くクールで綺麗な水着を着てるアヤネに言い寄る。
言い寄るのは別に良いが俺を挟んでやらないで欲しい……胸が当たって大変なんだよ。
ん、俺はどんな水着を着てるんだって? オレンジ色の可愛い水着でフリルが付いた奴だが、何か?
分かってると思うが俺が好き好んで着た訳じゃないからな、勘違いするんじゃないぞ。
あぁ、因みにアヤネが言ってたスイカ割りだが……実際にやった。
あの時は大変だった、ほとんどの奴が割れなくて悔しい思いをしてる中、アヤネが棒を使わずキックで割った。
その時、全員が「棒使えよ」と突っ込んだのは言うまでもない。
……と、そんな思出話はどうでも良いんだ。
それよりも声に出したい事がある、なぜ周りに誰もいない!
いや……正確に言うならば、物凄く距離を取られてる。
俺とロアとアヤネがこんな事をやってるなかで遠くでは皆がわぁわぁと騒いでるのが見える。
なるほど、これはあれだな? 俺達の事は良いから楽しめ……と言う気づかいか? ごめん、普通に過ごして欲しかった、これは気まずすぎて色々と辛い。
「わらわは泳ぎたいのじゃ!」
「シルクは体力無い貧弱だから直ぐ溺れちゃうからダメ」
「おい……軽くディスるな」
人が色々と思い悩んでる時にさらっと酷い事を言うな。
「くふふふ、分かっておらんな? 溺れる……それすなわち人工呼吸が出来るのじゃっ!」
「なるほどな、そう言う事か……」
ロアはロアで魂胆が丸分かりだ、いつでもどこでもキスしようとしてくるな。
「そんな事させない、スイカ割りなら安心」
アヤネ、どう安心なのか分からないぞ? と、口に出さずに心で突っ込んでたら2人がこっちを見てきた。
「シルクっ、どっちが良いのじゃ?」
「当然スイカ割りだよね?」
……2択か、どっちを選んでも嫌な結果を辿りそうだが選ぶしかないか、俺はコリコリと頬をかきながらこたえた。
「どっちもすれば良いだろ? 時間はあるんだし……遊ぼうって言ったのは俺だ、しっかり付き合ってやるよ」
ぶっきらぼう、そう思われる言い方で言った。
そしたら2人はきょとんとした、で笑顔になった。
「本当か!」
「スイカ割り出来るのっ」
「本当だ、スイカ割りも出来るから落ち着け」
喜んだ2人は俺に抱きついてくる、柔らかい……良い匂い、相変わらず俺の理性に直接攻撃してくる奴等だな。
「では、まず泳ぐのじゃ!」
「違う、スイカ割り」
あっ、これはモメそうな雰囲気だ……よし、ここはこう切り出そう。
「……ジャンケンして決めろ」
「「じゃんけんっ……ぽんっ」」
素直にジャンケンしてくれた、でここからラリーが続いた。
……まさか、こうも簡単に遊びに誘われるとは思わなかった。
かなり戸惑っている、だがそうしてる訳にもいかない……これは2人を元気つかせる為にやる事なんだ。
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