どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
174
「おはようございます、シルク様」
「おっおはよう……ヴァーム」
なんてこった、もう一度言う、なんてこった。
リヴァイに着いていったら導かれた場所はヴァームの所だった。
俺とロアとアヤネと同じ内装の部屋、畳の上にクッション……か? 紫色の四角い物を敷いて正座している、服装は何時ものメイド服だ。
「あらあら、なぜ固まっているんですか? ほらっ、こちらに来て下さい」
で、入り口で固まってたらヴァームが微笑み手招きしてくる、このまま逃げたい……だがそれは叶わないだろう。
なぜなら既にリヴァイによって退路をたたれているからだ、くそっ……さっき前にいたのに何時の間に背後にまわったんだよ!
「今はコスプレする気分じゃないんだが?」
逃げるのが無理なら抵抗だけしてみる、だから本音をぶつける、今はこんな事をしてる時じゃないんだ。
すると、ヴァームは驚いた様に目を見開きくすりっと笑う。
「あらあら、何か勘違いしてる様ですね」
「……なっなに、勘違い……だと」
ちっ違うのか? ヴァームがいると言う事はそう言う事だと思ったんだが……違うらしい。
だっだが油断はしてはダメだ、きっと裏がある筈……って、おぉっ!?
「りっリヴァイっ! 担ぐな!」
「うっせぇ、てめぇは黙って言う事聞いてりゃ良いんだ」
ぐぉっーー
勢い良く持ち上げられる俺、リヴァイに肩に担がれヴァームの側に下ろされ強制的に座らされる、その後リヴァイはヴァームの横にあぐらをかく。
「ふふふ、随分と困惑してますね……今すぐにでもコスプレさせたいくらいです」
「ぐっ……やっやっぱりさせるつもりじゃないか!」
「いえいえ、ほんの冗談ですよ? メイドのお茶目な戯言です」
気にしてはいけません、そう呟いてウィンクしてくる。
なっなんなんだ、この状況……俺はいったい何をさせられるんだ?
「……さて、そんな戯言は置いておいて、そろそろ本題に入りましょうか」
さっきとうって代わって真剣な表情になる、場の空気がピリッと張りつめた。
「単刀直入に言いますね」
「っ……」
ごくりっーー
唾を飲み込む俺、ヴァームとリヴァイは俺を見つめながらこう言った。
「今日はアヤネ様とロア様とで遊んで下さい」
「……あっ遊ぶ……?」
えっ……なっ……遊ぶって、そのまんまの意味の遊ぶだよな。
と言うか、なんでヴァームとリヴァイがこんな事を言ってくるんだ?
「てめぇ今、なんでこんな事を言うんだって思ったか?」
「っ!」
「……図星か、分かりやすい奴だ」
リヴァイは舌打ちをしつつ畳を軽く殴る。
「最初に言ったよな? てめぇは固いんだよ、もう少し柔らかくなりやがれ」
「……」
呆れた顔を見せため息をつくと、次にヴァームが口を開いた。
「私とリヴァイは考えたんですよ? きっとあの3人は深く悩んでいると……」
たっ確かに悩んでいる……だがなんで一緒に遊ぶって結論になったんだ、他にすべき事があるんじゃないのか?
「ふふふ……まぁあれです、固い話しは抜きにして遊んで下さい」
「あっ、遊ぶって言っても……俺は!」
身をのりだしながら言う俺、その言葉を遮る様に……リヴァイはこう言った。
「昨日の原因は自分にあるだとか、どうやって元気つかせるとか……正直まどろっこしいんだよ、んなもんは全部ひっくるめて忘れて遊べ!」
「っ、いっいや……流石に忘れるのは……」
ダメだろ、そう言おうとした、そしたらまた言葉を遮られた。
「この場合空気なんて読まなくて良いと思いますよ? テンション高めに遊びに誘って下さい」
「でっ……でも」
「あらあら、まだ悩みますか?」
ふぅ……。
やれやれ、と言いたげに手を広げるヴァーム、なっ悩みますかだって? そりゃそうだ……悩むに決まっている。
あの時の原因を作ったのは俺、そんな俺が遊びになんて誘ったら……アヤネはどう思うんだ?
「立場がどうであれ、アヤネさんは誘ってくれたら嬉しいと思いますよ?」
……はたしてそうだろうか、何時ものアヤネならそうだろうが今の状態じゃ、誘ったら怒るかもしれない。
「私は何もしないよりかはマシだと思います、この方法が納得いかないのでしたら……シルク様は他に考えている方法があるんですか?」
「っ……そっそれは」
……無い、あれだけ悩んで置いて何も考えついてない。
「だったら俺等の案をのみやがれ」
「その通りですよ、あっ……その時はロア様も誘ってくださいね? きっと2人きりだと知ると嫉妬して大変な事になるので」
……正直、普通の方法では無いと思う。
これでアヤネが元気になるとは思えない……昨日の俺はアヤネを選ばなかった。
そんな奴が今更遊びに誘おうとしてるんだ……どう考えても可笑しいだろう。
と言うか選ぶとか選ばなかったとか……あの状況で俺は考えるべきじゃ無かったんじゃないか? くっ……だめだ、考えすぎて頭が痛くなってきた。
「考え事の最中、申し訳ないのですが……1つ言わせて下さい」
「なんだ?」
「考えるのを止めるのも選択の1つですよ」
……考えるのを止める、か。
ははっ、そんなの出来る訳が無い。
なぜなら、考えないと答えが出ないからだ、まぁ……さっきは考えても答えは出なかったけどな……。
「ふふふ、どうしますシルクさん……やってくれますか?」
「………あぁ、やるだけやってみるよ」
悩んだ結果の答えだった。
この選択でどう動くかなんて分からない……。
「そうですか、やってくれますか」
微笑むヴァームは、静かに立ち上がると俺の前へとやって来る。
「では、お部屋まで送ります……」
「あぁ……」
頷いた後、俺も立ち上がる、するとリヴァイも立ち上がって俺の前に立った。
「俺からも1つ言わせろ……」
っ……凄い威圧感が出ている、なっなんだ? 何を言うつもりだ?
「遊ぶ時は遊びに集中しろ……よけいに悲しませたく無いんならな」
「………あぁ、肝に命じておく」
そんな俺の言葉を聞いたリヴァイは「おぉ……」と呟き後ろを向く。
「後は頼んだぞ……ヴァーム」
「えぇ、任せて下さいリヴァイ」
そんな挨拶を交わした後、俺とヴァームは部屋から出ていく、それからは静かに元いた部屋へと戻っていく……。
アヤネとロアを遊びに誘う、そう言えば俺から誘うのは無かったかもしれない。
……こんな状況で初めて誘う事になるなんて思わなかった。
……よし、遊びに誘うと決めたならしっかり誘おう。
そしてアヤネには元気になってもらう、ロアともギクシャクした感じになっていたからな……それも何とかして見せる。
さぁ……しっかりやるんだぞ、俺!
「おっおはよう……ヴァーム」
なんてこった、もう一度言う、なんてこった。
リヴァイに着いていったら導かれた場所はヴァームの所だった。
俺とロアとアヤネと同じ内装の部屋、畳の上にクッション……か? 紫色の四角い物を敷いて正座している、服装は何時ものメイド服だ。
「あらあら、なぜ固まっているんですか? ほらっ、こちらに来て下さい」
で、入り口で固まってたらヴァームが微笑み手招きしてくる、このまま逃げたい……だがそれは叶わないだろう。
なぜなら既にリヴァイによって退路をたたれているからだ、くそっ……さっき前にいたのに何時の間に背後にまわったんだよ!
「今はコスプレする気分じゃないんだが?」
逃げるのが無理なら抵抗だけしてみる、だから本音をぶつける、今はこんな事をしてる時じゃないんだ。
すると、ヴァームは驚いた様に目を見開きくすりっと笑う。
「あらあら、何か勘違いしてる様ですね」
「……なっなに、勘違い……だと」
ちっ違うのか? ヴァームがいると言う事はそう言う事だと思ったんだが……違うらしい。
だっだが油断はしてはダメだ、きっと裏がある筈……って、おぉっ!?
「りっリヴァイっ! 担ぐな!」
「うっせぇ、てめぇは黙って言う事聞いてりゃ良いんだ」
ぐぉっーー
勢い良く持ち上げられる俺、リヴァイに肩に担がれヴァームの側に下ろされ強制的に座らされる、その後リヴァイはヴァームの横にあぐらをかく。
「ふふふ、随分と困惑してますね……今すぐにでもコスプレさせたいくらいです」
「ぐっ……やっやっぱりさせるつもりじゃないか!」
「いえいえ、ほんの冗談ですよ? メイドのお茶目な戯言です」
気にしてはいけません、そう呟いてウィンクしてくる。
なっなんなんだ、この状況……俺はいったい何をさせられるんだ?
「……さて、そんな戯言は置いておいて、そろそろ本題に入りましょうか」
さっきとうって代わって真剣な表情になる、場の空気がピリッと張りつめた。
「単刀直入に言いますね」
「っ……」
ごくりっーー
唾を飲み込む俺、ヴァームとリヴァイは俺を見つめながらこう言った。
「今日はアヤネ様とロア様とで遊んで下さい」
「……あっ遊ぶ……?」
えっ……なっ……遊ぶって、そのまんまの意味の遊ぶだよな。
と言うか、なんでヴァームとリヴァイがこんな事を言ってくるんだ?
「てめぇ今、なんでこんな事を言うんだって思ったか?」
「っ!」
「……図星か、分かりやすい奴だ」
リヴァイは舌打ちをしつつ畳を軽く殴る。
「最初に言ったよな? てめぇは固いんだよ、もう少し柔らかくなりやがれ」
「……」
呆れた顔を見せため息をつくと、次にヴァームが口を開いた。
「私とリヴァイは考えたんですよ? きっとあの3人は深く悩んでいると……」
たっ確かに悩んでいる……だがなんで一緒に遊ぶって結論になったんだ、他にすべき事があるんじゃないのか?
「ふふふ……まぁあれです、固い話しは抜きにして遊んで下さい」
「あっ、遊ぶって言っても……俺は!」
身をのりだしながら言う俺、その言葉を遮る様に……リヴァイはこう言った。
「昨日の原因は自分にあるだとか、どうやって元気つかせるとか……正直まどろっこしいんだよ、んなもんは全部ひっくるめて忘れて遊べ!」
「っ、いっいや……流石に忘れるのは……」
ダメだろ、そう言おうとした、そしたらまた言葉を遮られた。
「この場合空気なんて読まなくて良いと思いますよ? テンション高めに遊びに誘って下さい」
「でっ……でも」
「あらあら、まだ悩みますか?」
ふぅ……。
やれやれ、と言いたげに手を広げるヴァーム、なっ悩みますかだって? そりゃそうだ……悩むに決まっている。
あの時の原因を作ったのは俺、そんな俺が遊びになんて誘ったら……アヤネはどう思うんだ?
「立場がどうであれ、アヤネさんは誘ってくれたら嬉しいと思いますよ?」
……はたしてそうだろうか、何時ものアヤネならそうだろうが今の状態じゃ、誘ったら怒るかもしれない。
「私は何もしないよりかはマシだと思います、この方法が納得いかないのでしたら……シルク様は他に考えている方法があるんですか?」
「っ……そっそれは」
……無い、あれだけ悩んで置いて何も考えついてない。
「だったら俺等の案をのみやがれ」
「その通りですよ、あっ……その時はロア様も誘ってくださいね? きっと2人きりだと知ると嫉妬して大変な事になるので」
……正直、普通の方法では無いと思う。
これでアヤネが元気になるとは思えない……昨日の俺はアヤネを選ばなかった。
そんな奴が今更遊びに誘おうとしてるんだ……どう考えても可笑しいだろう。
と言うか選ぶとか選ばなかったとか……あの状況で俺は考えるべきじゃ無かったんじゃないか? くっ……だめだ、考えすぎて頭が痛くなってきた。
「考え事の最中、申し訳ないのですが……1つ言わせて下さい」
「なんだ?」
「考えるのを止めるのも選択の1つですよ」
……考えるのを止める、か。
ははっ、そんなの出来る訳が無い。
なぜなら、考えないと答えが出ないからだ、まぁ……さっきは考えても答えは出なかったけどな……。
「ふふふ、どうしますシルクさん……やってくれますか?」
「………あぁ、やるだけやってみるよ」
悩んだ結果の答えだった。
この選択でどう動くかなんて分からない……。
「そうですか、やってくれますか」
微笑むヴァームは、静かに立ち上がると俺の前へとやって来る。
「では、お部屋まで送ります……」
「あぁ……」
頷いた後、俺も立ち上がる、するとリヴァイも立ち上がって俺の前に立った。
「俺からも1つ言わせろ……」
っ……凄い威圧感が出ている、なっなんだ? 何を言うつもりだ?
「遊ぶ時は遊びに集中しろ……よけいに悲しませたく無いんならな」
「………あぁ、肝に命じておく」
そんな俺の言葉を聞いたリヴァイは「おぉ……」と呟き後ろを向く。
「後は頼んだぞ……ヴァーム」
「えぇ、任せて下さいリヴァイ」
そんな挨拶を交わした後、俺とヴァームは部屋から出ていく、それからは静かに元いた部屋へと戻っていく……。
アヤネとロアを遊びに誘う、そう言えば俺から誘うのは無かったかもしれない。
……こんな状況で初めて誘う事になるなんて思わなかった。
……よし、遊びに誘うと決めたならしっかり誘おう。
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