どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
159
夜、こんな時間にする事と言えば寝るしかやる事がないと言うのに……肝だめしをするのか、と疲れきった目でロアを睨む。
そしたらロアが「ん?」と言いたげにこっちを見てきた。
そうだよな、俺の気持ちなんて知らないよな……はぁ。
さて、今いる場所だが……海から見えていた林だ、で……この林を抜けると灯台がある。
因みに灯りは付いていない、肝だめしをするからと言う理由で消したらしい。
「お前等注目しやがれ」
おっと、リヴァイが喋ったな……。
あっ、今言っておくが……肝だめしに俺とアヤネとロアだけでは無い、参加するのは……ラキュ、メェ、鬼騎、ヘッグ、リヴァイ、ヴァームだ。
大半が断ったらしいがロアによって強制的に参加させられたらしい……。
「あぁ……今から肝だめしをやる訳だがぁ、まだメンバーが決まってねぇ、お前等で適当に決めやがれ」
丸投げ……と言うかロアが言い始めたんだからロアが仕切るのかと思ったが……仕切るのはリヴァイなんだな。
まぁ……別に構わないんだが、気になってしまった。
「シルク君……」
「おぅ、ラキュか」
ちょんちょん、と俺の肩を突っついてくる。
服装は何時ものタキシード……女装されていないラキュを見るのは久し振りだ。
と言うか顔を叩いて以来顔を見なかったが……元気そうだ。
「なんかやつれてるけど何かあったの……愚問だったね、ごめん」
「ははは……分かったなら聞かないでくれ」
思い出しただけでも胃が痛くなる……。
さて、俺とラキュが話してる間にも皆色々と話してるな。
「適当に決めて良いなら、メェはきぃ君と行くですよ!」
「えっ! ふぁへぇっ! いっ良いでございますですよ!」
メェは白衣を靡かせて鬼騎の太い腕に抱きつく。
メェの方は肝だめしには乗り気だな、そりゃそうか……好きな相手と一緒にいれるからな。
で、鬼騎の方は……メェと2人きりになると察した時点で身体が震えて挙動不審になっている、うん……何時も通りだ。
「はっはっはぁっ! どうやら俺は1人で肝だめしをするらしい……実にクールじゃないか」
で、ヘッグだが……実に何言ってるか分からない。
なのに何で生き生きと格好良いポーズを取ってるんだろう? まっ、気にしなくてもいいか。
「おい、ヴァーム……いい加減やる気出しやがれ」
「いやです、出ません……肝だめしなんて勝手にやれば良いんですよ」
次にヴァームだが……まだビーチバレーの件が立ち直って無いらしい。
あれからずっとやる気無しのまま……実はここにはリヴァイが背負って連れてきたらしい。
今もやる気が無く地面なのにも関わらず寝そべっている……メイド服汚れるぞ? 服を汚すのは嫌なんじゃないのか? 汚そうとしたら鬼でも恐れる位に怒るのに……相当やる気無しモードらしいな。
「じゃ、俺と来い……久し振りにデートしやがれ」
ひっ人前でそんな事を言えるとは……だが少し恥ずかしかったのか少し横を向いて髪を掻いている。
「…………っ、りっリヴァイ! ひっ人前で何を言うんですか!」
あっ、ヴァームが起き上がった……。
がっ! とリヴァイの肩を掴み、ぐわんぐわんっと揺らす。
「そのまんまの意味だ、俺とデートしろ」
「あっ改めて言わなくて大丈夫です! くっ……みっ見なさい! ロア様とラキュ様がニヤニヤしています! もっもう少し言葉を慎んでください……」
慌てるヴァーム……中々新鮮な光景だ。
それを見てる俺達は恥ずかしくなってくる、なので俺は視線をそらした……だがヴァームが言うようにロアとラキュだけはそれを見てニヤニヤしている、全く……良い性格してるな。
ん? ロアが俺を見てるな……あっ、近付いてきた。
「さてシルクよ、わらわと一緒に行こう」
そして、ぎゅぅっと抱き付いてくる。
……微かに甘い香りがした、シャンプーの香りだろうか? おっと、今はそんな事より大事な事がある。
「毎度毎度言うが……離れてくれ」
「断るのじゃ」
ぶれないなぁ……まっ、そう言われるのは分かってたがな……だからこの後起きる事も大体想像がつく。
「待って、そうはさせない」
予想通りだな……。
アヤネはロアに近付き、俺から剥がそうとする。
「くふふ……アヤネがなんと言おうとわらわは譲る気はないぞ?」
「こっちも譲る気はない」
ぎゃぁぎゃぁ騒ぐ2人、ほんっと止めて欲しい、だから「俺の為に争うな!」と言おうとしたが止めた……多分この台詞は言うと恥ずかしさのあまり悶絶するであろう台詞だからだ。
で、俺は何も言わないまま2人の口喧嘩を「いつか収まるだろう」と思いながら暫く見てた。
この時、俺の側にいたラキュが少し遠くに離れているのに気付いた。
なんか、妬ましそうに見てるんだが……何故だろう?
「聞いておるのかシルク!」
っ! ビックリした……いきなり叱られてしまった!どうやら話し掛けられていたみたいだ。
「……えっ、あっ……すまん、聞いてなかった」
「人の話しはちゃんと聞かなきゃダメ」
アヤネの言う通りだ、反省しよう。
で、ロアとアヤネは俺に何を聞いたんだ? 正直、この状況で俺に何かを聞いてほしくは無い……何故なら困ってしまう様な質問が飛んで来そうだからだ。
「よいか? 次はちゃんと聞くのじゃぞ」
「あぁ……ちゃんと聞く」
本当は聞きたくないけどな……。
ロアとアヤネは、じぃっと俺を見つめてくる、真剣な眼差しだ。
さぁ……聞きたい事はなんなんだ?
「わらわと……」
「私」
「どっちと一緒に行きたいんじゃ?」
………はい来ました、来てしまった。
どう答えたら良いか分からず困ってしまう質問が!
「えっえと……ロア? アヤネ?」
困惑した俺は目を泳がせる……いきなり恋愛小説の1シーンみたいな台詞を言うのは止めろ! 今物凄く心臓がどっくんどっくんしてるんだぞ!
「一応説明するのじゃ……2人で言い合ってる途中でシルクに聞こうって事になったのじゃ」
「そゆこと、だからシルク……正直に答えて」
せっ説明してくれたのは嬉しい……いや、嬉しくはないのか? うん……嬉しくない、さっきより困ってしまった。
どっちと行きたいか俺が決めろって? 俺はラブコメ小説の主人公か!
「さぁ……どっちが良いんじゃ?」
「私……だよね?」
うっ、そんなに言い寄らないで欲しい……俺は後退りするが2人はそれに合わせてくる、よって離れる事が出来ない……。
どうする? どうすればいい? くっ……ほんっと、どうすれば良いんだ!
と、深く思考していた時だ……頭の中である事を思い出した。
『答えが出るまで俺は逃げないし隠れもしない……出来る限りロアを見ていたいんだ』
……そうだ、俺はこの約束を守らないといけない。
それならば、この肝だめしと言う舞台を活かして確かめないといけないんじゃないのか? そう思ったから俺はこう答える……。
「ロアと……一緒に行きたい」
声は小さく、だがはっきりと答えた。
その瞬間、アヤネが目を見開き……直ぐに悲しそうな表情をした。
「なっ! なななっ! しっシルクがわらわを……選んで……くれた?」
あぁそうだ……選んだよ、と言うか恥ずかしいんだから何度も言わせようとしないで欲しい……。
「……ばか」
っ! アヤネが急に叩いて来た……明らかに怒った声音だ。
俺が話し掛けようとすると向こうに行ってしまった……。
するとラキュが直ぐに後を追ってくれた、目で「僕に任せて」と伝えていた。
ここで俺が追うわけにはいかないだからここはラキュに任せよう……頼んだぞラキュ。
……くっ、アヤネには悪い事をしてしまった、後で理由を言わないといけない。
「……ごめんな、アヤネ」
その場で俺は呟いた、この台詞はきちんと本人に伝えないといけない……。
そう思うなかリヴァイが俺達の前に立って改めて肝だめし開催の言葉を言った。
こうして、ロアが突然開催した肝だめしが始まった……。
そしたらロアが「ん?」と言いたげにこっちを見てきた。
そうだよな、俺の気持ちなんて知らないよな……はぁ。
さて、今いる場所だが……海から見えていた林だ、で……この林を抜けると灯台がある。
因みに灯りは付いていない、肝だめしをするからと言う理由で消したらしい。
「お前等注目しやがれ」
おっと、リヴァイが喋ったな……。
あっ、今言っておくが……肝だめしに俺とアヤネとロアだけでは無い、参加するのは……ラキュ、メェ、鬼騎、ヘッグ、リヴァイ、ヴァームだ。
大半が断ったらしいがロアによって強制的に参加させられたらしい……。
「あぁ……今から肝だめしをやる訳だがぁ、まだメンバーが決まってねぇ、お前等で適当に決めやがれ」
丸投げ……と言うかロアが言い始めたんだからロアが仕切るのかと思ったが……仕切るのはリヴァイなんだな。
まぁ……別に構わないんだが、気になってしまった。
「シルク君……」
「おぅ、ラキュか」
ちょんちょん、と俺の肩を突っついてくる。
服装は何時ものタキシード……女装されていないラキュを見るのは久し振りだ。
と言うか顔を叩いて以来顔を見なかったが……元気そうだ。
「なんかやつれてるけど何かあったの……愚問だったね、ごめん」
「ははは……分かったなら聞かないでくれ」
思い出しただけでも胃が痛くなる……。
さて、俺とラキュが話してる間にも皆色々と話してるな。
「適当に決めて良いなら、メェはきぃ君と行くですよ!」
「えっ! ふぁへぇっ! いっ良いでございますですよ!」
メェは白衣を靡かせて鬼騎の太い腕に抱きつく。
メェの方は肝だめしには乗り気だな、そりゃそうか……好きな相手と一緒にいれるからな。
で、鬼騎の方は……メェと2人きりになると察した時点で身体が震えて挙動不審になっている、うん……何時も通りだ。
「はっはっはぁっ! どうやら俺は1人で肝だめしをするらしい……実にクールじゃないか」
で、ヘッグだが……実に何言ってるか分からない。
なのに何で生き生きと格好良いポーズを取ってるんだろう? まっ、気にしなくてもいいか。
「おい、ヴァーム……いい加減やる気出しやがれ」
「いやです、出ません……肝だめしなんて勝手にやれば良いんですよ」
次にヴァームだが……まだビーチバレーの件が立ち直って無いらしい。
あれからずっとやる気無しのまま……実はここにはリヴァイが背負って連れてきたらしい。
今もやる気が無く地面なのにも関わらず寝そべっている……メイド服汚れるぞ? 服を汚すのは嫌なんじゃないのか? 汚そうとしたら鬼でも恐れる位に怒るのに……相当やる気無しモードらしいな。
「じゃ、俺と来い……久し振りにデートしやがれ」
ひっ人前でそんな事を言えるとは……だが少し恥ずかしかったのか少し横を向いて髪を掻いている。
「…………っ、りっリヴァイ! ひっ人前で何を言うんですか!」
あっ、ヴァームが起き上がった……。
がっ! とリヴァイの肩を掴み、ぐわんぐわんっと揺らす。
「そのまんまの意味だ、俺とデートしろ」
「あっ改めて言わなくて大丈夫です! くっ……みっ見なさい! ロア様とラキュ様がニヤニヤしています! もっもう少し言葉を慎んでください……」
慌てるヴァーム……中々新鮮な光景だ。
それを見てる俺達は恥ずかしくなってくる、なので俺は視線をそらした……だがヴァームが言うようにロアとラキュだけはそれを見てニヤニヤしている、全く……良い性格してるな。
ん? ロアが俺を見てるな……あっ、近付いてきた。
「さてシルクよ、わらわと一緒に行こう」
そして、ぎゅぅっと抱き付いてくる。
……微かに甘い香りがした、シャンプーの香りだろうか? おっと、今はそんな事より大事な事がある。
「毎度毎度言うが……離れてくれ」
「断るのじゃ」
ぶれないなぁ……まっ、そう言われるのは分かってたがな……だからこの後起きる事も大体想像がつく。
「待って、そうはさせない」
予想通りだな……。
アヤネはロアに近付き、俺から剥がそうとする。
「くふふ……アヤネがなんと言おうとわらわは譲る気はないぞ?」
「こっちも譲る気はない」
ぎゃぁぎゃぁ騒ぐ2人、ほんっと止めて欲しい、だから「俺の為に争うな!」と言おうとしたが止めた……多分この台詞は言うと恥ずかしさのあまり悶絶するであろう台詞だからだ。
で、俺は何も言わないまま2人の口喧嘩を「いつか収まるだろう」と思いながら暫く見てた。
この時、俺の側にいたラキュが少し遠くに離れているのに気付いた。
なんか、妬ましそうに見てるんだが……何故だろう?
「聞いておるのかシルク!」
っ! ビックリした……いきなり叱られてしまった!どうやら話し掛けられていたみたいだ。
「……えっ、あっ……すまん、聞いてなかった」
「人の話しはちゃんと聞かなきゃダメ」
アヤネの言う通りだ、反省しよう。
で、ロアとアヤネは俺に何を聞いたんだ? 正直、この状況で俺に何かを聞いてほしくは無い……何故なら困ってしまう様な質問が飛んで来そうだからだ。
「よいか? 次はちゃんと聞くのじゃぞ」
「あぁ……ちゃんと聞く」
本当は聞きたくないけどな……。
ロアとアヤネは、じぃっと俺を見つめてくる、真剣な眼差しだ。
さぁ……聞きたい事はなんなんだ?
「わらわと……」
「私」
「どっちと一緒に行きたいんじゃ?」
………はい来ました、来てしまった。
どう答えたら良いか分からず困ってしまう質問が!
「えっえと……ロア? アヤネ?」
困惑した俺は目を泳がせる……いきなり恋愛小説の1シーンみたいな台詞を言うのは止めろ! 今物凄く心臓がどっくんどっくんしてるんだぞ!
「一応説明するのじゃ……2人で言い合ってる途中でシルクに聞こうって事になったのじゃ」
「そゆこと、だからシルク……正直に答えて」
せっ説明してくれたのは嬉しい……いや、嬉しくはないのか? うん……嬉しくない、さっきより困ってしまった。
どっちと行きたいか俺が決めろって? 俺はラブコメ小説の主人公か!
「さぁ……どっちが良いんじゃ?」
「私……だよね?」
うっ、そんなに言い寄らないで欲しい……俺は後退りするが2人はそれに合わせてくる、よって離れる事が出来ない……。
どうする? どうすればいい? くっ……ほんっと、どうすれば良いんだ!
と、深く思考していた時だ……頭の中である事を思い出した。
『答えが出るまで俺は逃げないし隠れもしない……出来る限りロアを見ていたいんだ』
……そうだ、俺はこの約束を守らないといけない。
それならば、この肝だめしと言う舞台を活かして確かめないといけないんじゃないのか? そう思ったから俺はこう答える……。
「ロアと……一緒に行きたい」
声は小さく、だがはっきりと答えた。
その瞬間、アヤネが目を見開き……直ぐに悲しそうな表情をした。
「なっ! なななっ! しっシルクがわらわを……選んで……くれた?」
あぁそうだ……選んだよ、と言うか恥ずかしいんだから何度も言わせようとしないで欲しい……。
「……ばか」
っ! アヤネが急に叩いて来た……明らかに怒った声音だ。
俺が話し掛けようとすると向こうに行ってしまった……。
するとラキュが直ぐに後を追ってくれた、目で「僕に任せて」と伝えていた。
ここで俺が追うわけにはいかないだからここはラキュに任せよう……頼んだぞラキュ。
……くっ、アヤネには悪い事をしてしまった、後で理由を言わないといけない。
「……ごめんな、アヤネ」
その場で俺は呟いた、この台詞はきちんと本人に伝えないといけない……。
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