どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
144
サンオイルの1件から1週間程経ったある朝の海の家、俺はある事情がありそこにいた。
ん? サンオイルの件はどうなったか話せだと? あぁ……そうだな、話さないといけない。
簡単に言うと、ロアとアヤネの勝負が終わった→俺は隠れてた→直ぐ見付かった→後は察してくれ。
偉く適当に言ったなだと? こうでもしないと心身ともに限界なんだ、理解してくれるとありがたい。
でだ……あれから1週間経ったんだ、偉くすっ飛ばしたとは思うが普通に遊んでたりしたからな……対した事は無かった。
ん? ロアに何もされなかったのかって? 勿論された……だがそれもいつも通りだ、だから対した事ではない。
さて、話を戻そう……俺は海の家にいる。
しかも普段着を着てだ、覚えてるか? 俺の服を勝手に女物に仕立てられたあの服だ、それを着ている。
「言ったのは俺だが、なんと言うか……客が多いな」
何で着ているか……それには理由がある、俺達はここの所遊んでばかり……そしたら罪悪感が生まれた、だからヴァームに言ったんだ、働きたいと……そしたら「では雑貨屋シルクを海の家で開きましょう」となった。
で、海の家に雑貨屋を開いてると言う訳だ、海の家入り口には『海で役立つグッズ販売中』と看板が立てられている。
店の商品は海の家の一角を借りて商品棚を置きそこに商品が沢山並んでる。
因みにこの商品は全部ヴァームが用意してくれた。
それに群がる大勢の客、殆ど海に住んでるっぽい魔物でいっぱいだ、あまりの多さに俺は若干引いている。
「まっ……これでロアやアヤネにちょっかいかけられずに済むから別に良いか」
そう呟きながら接客する俺、そう……実はこの労働はロアから逃げる為でもある。
……だからと言って安心出来る訳ではない。
「しっシルクたんっ! 一緒に泳ぎませんか? そう言うおっオップションがあるとここに書いていました!」
当然こういった客もここにもいる、はははっ……魔物は変態しかいないのか! 俺はタツノオトシゴみたいな魔物を睨み付ける。
「煩い黙れ、俺は泳げないから無理だ」
「オデが最後までエスコートするから大丈夫!」
「心配すんなよ!」、と言いたげなタツノオトシゴの様な魔物……長いからタツノコと勝手に名乗っておくか。
そのタツノコが俺に行ってきた、だから俺は冷たい目線を向けて「帰れ」と言った……当然タツノコは帰らなかった。
余計にヒートアップしてそれに感化された他の魔物達も「2人きりでクルージングしようぜ」とか「いっその事全部脱いでくれ」と言った言葉が飛び交った、俺はこれを言った奴全てに……。
ベチッーー
バチッーー
パチンッーー
鉄拳を喰らわせてやった、但し威力は低めなので魔物達は「いた」「いっ」「うわっ」と軽い声しか上げなかった。
自分の非力さが本当に憎い! さとここで「客に対して暴力を振るうとは何事だ!」と言う奴もいるだろう……何とでも言うがいいさ、今まで我慢して手は出さなかったが出さないと色々と限界なんだ、だから出した。
まぁ……当然殴られた魔物は「もっと!」と言ってパンチを要求してきた、ラムの様なキャラは1人で充分なんだ……大人しく失せろ!
と……まぁ、ある意味充実し過ぎてる営業をやった俺。
もぅ、昼には店を閉めて大人しくロアとアヤネに色々されよう……と虚しく思った俺は静かに涙を流す。
そんな時だ、ラキュがそっと近付いてくる。
「シルク君」
「どうした?」
ラキュの今の姿は昨日と同じでビキニ……今日は青色だ、そんなラキュに群がる魔物達を軽く弾き飛ばしながら話してくる。
「姉上から伝言だよ」
「ロアから?」
……素直にロアとアヤネに色々されようと思った直後にこれか、嫌そうな顔をしつつ俺はラキュに「その伝言って?」と聞いた、すると苦痛に歪んだ顔を見せてラキュがこう言った……。
「ビーチバレーしよってさ……罰ゲーム付きの」
それを聞いた瞬間、俺は目を見開いて逃げた……3秒間でありとあらゆる恥辱的な罰ゲームを想像し身体が震えた、だから俺は……脱兎の如く逃げた、でもダメだった。
海の家の出口には黒のグラマーな水着姿のロアが待ち構えていて通せん棒していたからだ。
「くふふふ、折角店に来たんじゃ……仕事の事は一旦忘れて遊ばぬか?」
にっこりと笑って聞いてくるロア、ゆくっりと俺に近付いてくるので俺は後退りする……そんな様子を見た魔物達は「えっ? これどんなラブコメ?」と口ずさむ……少し黙っててくれないか?
「きっ気遣いありがとな……なぁロア、因みにその遊びは絶対に参加しないとダメか?」
そんな魔物達の言葉はスルーして応える、そこで俺は気付く、聞いても出る答えは分かりきっているのに聞いてしまったと! いっいやしかし! しかしだ! ロアもたまには俺の事を考えて「別に強制ではないのじゃ」と言ってくれるかも……。
「勿論絶対じゃ、不参加は許さんのじゃ!」
はい、そんな事ありませんでした……ロアはロアだった、くそっ! 俺に普通の休息をさせろ!
と思ってる隙にロアに抱き付かれ耳元である言葉を呟かれる。
「逃げずにわらわを見てくれるのじゃろ?」
……それ、こんな状況で出すのは卑怯だと思うぞ? あっあと……むっ胸が……あっ当たってる。
「わっ分かった……やるよ、だが俺は運動音痴だからな? 上手いプレイは期待するなよ?」
 「分かっておるよ、では行くのじゃ! ラキュも早く来ぬか」
スマイルを浮かべて俺を砂浜へと引っ張って行く、うっ……今日も太陽が眩しい。
と、感じていた時だ……素直にコートとビーチバレー用のネットが用意されていた、俺の見ていない所でこんな物が準備されていたのか……手際が良すぎて軽く引いてしまう。
まじまじと見ていたらドンッーーと俺の背中に誰かがぶつかって来た。
「シルク、勝ちに行く」
「うぉっ……あっアヤネか、ビックリした」
真剣な表情で勢い良く「ふんすっ」と鼻息を出す、そんなアヤネの今日の水着……いや、これ水着じゃない、包帯を胸に巻いてる……いっ所謂サラシって奴だ、下は普通に白のビキニだった、めっ目線に困る水着だな……。
「くふふふ、アヤネの言う通り勝ちに行くのじゃ……」
偉く気合い充分だな……と心に思った時だ、ロアが続けて話し出す。
「ラキュから聞いてると思うが今からやるビーチバレーは罰ゲーム付きじゃ! 負けた物は……ヴァーム主催の水着コンテストに出て貰うのじゃ」
その時、俺の身体に戦慄が走った……遠くでラキュが頭を抱えている。
ロア、アヤネ、ヴァームは妖しい笑みを浮かべて俺とラキュを見てくる、まるで獲物を見付けた肉食獣の様に……。
こうして始まってしまったビーチバレー……悪しき思惑と巻き込まれて正直面倒臭いなぁと言う思惑、そして絶対に負けられない! 出来れば今直ぐにでも逃げたい! と言う思惑が交錯し合う灼熱の太陽に照らされた白い砂浜……この美しき場所で互いのプライドを掛けた戦いが今始まる……。
ん? サンオイルの件はどうなったか話せだと? あぁ……そうだな、話さないといけない。
簡単に言うと、ロアとアヤネの勝負が終わった→俺は隠れてた→直ぐ見付かった→後は察してくれ。
偉く適当に言ったなだと? こうでもしないと心身ともに限界なんだ、理解してくれるとありがたい。
でだ……あれから1週間経ったんだ、偉くすっ飛ばしたとは思うが普通に遊んでたりしたからな……対した事は無かった。
ん? ロアに何もされなかったのかって? 勿論された……だがそれもいつも通りだ、だから対した事ではない。
さて、話を戻そう……俺は海の家にいる。
しかも普段着を着てだ、覚えてるか? 俺の服を勝手に女物に仕立てられたあの服だ、それを着ている。
「言ったのは俺だが、なんと言うか……客が多いな」
何で着ているか……それには理由がある、俺達はここの所遊んでばかり……そしたら罪悪感が生まれた、だからヴァームに言ったんだ、働きたいと……そしたら「では雑貨屋シルクを海の家で開きましょう」となった。
で、海の家に雑貨屋を開いてると言う訳だ、海の家入り口には『海で役立つグッズ販売中』と看板が立てられている。
店の商品は海の家の一角を借りて商品棚を置きそこに商品が沢山並んでる。
因みにこの商品は全部ヴァームが用意してくれた。
それに群がる大勢の客、殆ど海に住んでるっぽい魔物でいっぱいだ、あまりの多さに俺は若干引いている。
「まっ……これでロアやアヤネにちょっかいかけられずに済むから別に良いか」
そう呟きながら接客する俺、そう……実はこの労働はロアから逃げる為でもある。
……だからと言って安心出来る訳ではない。
「しっシルクたんっ! 一緒に泳ぎませんか? そう言うおっオップションがあるとここに書いていました!」
当然こういった客もここにもいる、はははっ……魔物は変態しかいないのか! 俺はタツノオトシゴみたいな魔物を睨み付ける。
「煩い黙れ、俺は泳げないから無理だ」
「オデが最後までエスコートするから大丈夫!」
「心配すんなよ!」、と言いたげなタツノオトシゴの様な魔物……長いからタツノコと勝手に名乗っておくか。
そのタツノコが俺に行ってきた、だから俺は冷たい目線を向けて「帰れ」と言った……当然タツノコは帰らなかった。
余計にヒートアップしてそれに感化された他の魔物達も「2人きりでクルージングしようぜ」とか「いっその事全部脱いでくれ」と言った言葉が飛び交った、俺はこれを言った奴全てに……。
ベチッーー
バチッーー
パチンッーー
鉄拳を喰らわせてやった、但し威力は低めなので魔物達は「いた」「いっ」「うわっ」と軽い声しか上げなかった。
自分の非力さが本当に憎い! さとここで「客に対して暴力を振るうとは何事だ!」と言う奴もいるだろう……何とでも言うがいいさ、今まで我慢して手は出さなかったが出さないと色々と限界なんだ、だから出した。
まぁ……当然殴られた魔物は「もっと!」と言ってパンチを要求してきた、ラムの様なキャラは1人で充分なんだ……大人しく失せろ!
と……まぁ、ある意味充実し過ぎてる営業をやった俺。
もぅ、昼には店を閉めて大人しくロアとアヤネに色々されよう……と虚しく思った俺は静かに涙を流す。
そんな時だ、ラキュがそっと近付いてくる。
「シルク君」
「どうした?」
ラキュの今の姿は昨日と同じでビキニ……今日は青色だ、そんなラキュに群がる魔物達を軽く弾き飛ばしながら話してくる。
「姉上から伝言だよ」
「ロアから?」
……素直にロアとアヤネに色々されようと思った直後にこれか、嫌そうな顔をしつつ俺はラキュに「その伝言って?」と聞いた、すると苦痛に歪んだ顔を見せてラキュがこう言った……。
「ビーチバレーしよってさ……罰ゲーム付きの」
それを聞いた瞬間、俺は目を見開いて逃げた……3秒間でありとあらゆる恥辱的な罰ゲームを想像し身体が震えた、だから俺は……脱兎の如く逃げた、でもダメだった。
海の家の出口には黒のグラマーな水着姿のロアが待ち構えていて通せん棒していたからだ。
「くふふふ、折角店に来たんじゃ……仕事の事は一旦忘れて遊ばぬか?」
にっこりと笑って聞いてくるロア、ゆくっりと俺に近付いてくるので俺は後退りする……そんな様子を見た魔物達は「えっ? これどんなラブコメ?」と口ずさむ……少し黙っててくれないか?
「きっ気遣いありがとな……なぁロア、因みにその遊びは絶対に参加しないとダメか?」
そんな魔物達の言葉はスルーして応える、そこで俺は気付く、聞いても出る答えは分かりきっているのに聞いてしまったと! いっいやしかし! しかしだ! ロアもたまには俺の事を考えて「別に強制ではないのじゃ」と言ってくれるかも……。
「勿論絶対じゃ、不参加は許さんのじゃ!」
はい、そんな事ありませんでした……ロアはロアだった、くそっ! 俺に普通の休息をさせろ!
と思ってる隙にロアに抱き付かれ耳元である言葉を呟かれる。
「逃げずにわらわを見てくれるのじゃろ?」
……それ、こんな状況で出すのは卑怯だと思うぞ? あっあと……むっ胸が……あっ当たってる。
「わっ分かった……やるよ、だが俺は運動音痴だからな? 上手いプレイは期待するなよ?」
 「分かっておるよ、では行くのじゃ! ラキュも早く来ぬか」
スマイルを浮かべて俺を砂浜へと引っ張って行く、うっ……今日も太陽が眩しい。
と、感じていた時だ……素直にコートとビーチバレー用のネットが用意されていた、俺の見ていない所でこんな物が準備されていたのか……手際が良すぎて軽く引いてしまう。
まじまじと見ていたらドンッーーと俺の背中に誰かがぶつかって来た。
「シルク、勝ちに行く」
「うぉっ……あっアヤネか、ビックリした」
真剣な表情で勢い良く「ふんすっ」と鼻息を出す、そんなアヤネの今日の水着……いや、これ水着じゃない、包帯を胸に巻いてる……いっ所謂サラシって奴だ、下は普通に白のビキニだった、めっ目線に困る水着だな……。
「くふふふ、アヤネの言う通り勝ちに行くのじゃ……」
偉く気合い充分だな……と心に思った時だ、ロアが続けて話し出す。
「ラキュから聞いてると思うが今からやるビーチバレーは罰ゲーム付きじゃ! 負けた物は……ヴァーム主催の水着コンテストに出て貰うのじゃ」
その時、俺の身体に戦慄が走った……遠くでラキュが頭を抱えている。
ロア、アヤネ、ヴァームは妖しい笑みを浮かべて俺とラキュを見てくる、まるで獲物を見付けた肉食獣の様に……。
こうして始まってしまったビーチバレー……悪しき思惑と巻き込まれて正直面倒臭いなぁと言う思惑、そして絶対に負けられない! 出来れば今直ぐにでも逃げたい! と言う思惑が交錯し合う灼熱の太陽に照らされた白い砂浜……この美しき場所で互いのプライドを掛けた戦いが今始まる……。
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