どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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場所はわらわのくそ親父の部屋……わらわは此処でアヤネとか言う生意気な貧乳相手に良い女3本勝負の2回戦目の内容である掃除をしておる、1勝目はわらわの圧倒的勝利……くふふふ、わらわの料理センスが輝いた1戦じゃったな。

「ふんふんふーん……」

……と、染々とそんな事を考えておる間にアヤネは箒を巧みに使い床のゴミを掃いておる、陽気に鼻唄なんど歌いおってからに……気に喰わん奴じゃ!

「わらわも負けておられんな」

気合いを入れるかの様に呟いてわらわが手にしたのは先端にひらひらした布が付いている長い棒じゃ、長さは大体人間の腕位の長さじゃな、これは本屋の店員が立ち読みしてる客の頭をパタパタ叩く道具じゃな、じゃがこれには全く別の道具にもなるのじゃ!
なっなんとこれは高い所の汚れも拭き取れる掃除道具にもなるんじゃ! 凄い、人間はこんな物を使っておるのか……しかもそれを普段使っているヴァームもそうした使い方をしておった……やはりメイド長の名は伊達ではないようじゃ。

「よし、まずはこのクローゼットから掃除するのじゃ」

そのクローゼットに椅子を持って近付きそれを土台にクローゼットの上を掃除していく、掃除は上からとか聞いたことがあるのじゃって…うぇっ埃だらけではないか!? 良くこんな汚い部屋に家の馬鹿親父は生活出来ておったのぅ! ちらりと後ろの方を見るとそこにはベットが見えた、此処からでも分かるがベットにも埃が被っている……わらわはあんなベットには寝たくないのじゃ!
……ん? と言うか何でわらわが父親の部屋の掃除をやっているんじゃ?

「いやいやいや……勝負じゃからじゃ、これは勝負……その場所が此処だった訳じゃ」

うん、そうじゃが……なっ納得がいかんと思ってしまった、いっ今更何でこんな事を思うか分からんが……これは勝負じゃから納得せねばならん……うん、やっぱりふに落ちん。
そもそも何故ヴァームは此処を掃除せんのじゃ!メイドじゃろう?あいつメイド長じゃろう?なのに何故せん……くっ不満を思っても仕方無い掃除するのじゃ。


という訳で掃除を進めるわらわ、もうクローゼットの上は掃除出来たので今度は床を掃除しておる、箒とを使って埃やゴミを掃くその途中でアヤネの方を見てみる、あやつまだベッドを掃除しておるな……仕切りに下の方を掃除しておる……ふっ効率の悪い奴め! その間にわらわは完璧に掃除してやるのじゃ!

「ん……んしょ」

何かもごもご動いておるのぅ……そんなにベッドの下が気になるのかえ? そこだけ掃除しても意味無いだろうに……。
しかしあれじゃな……わらわにあんな大口叩いた割りには対した事無いのぅ、料理の時もそうじゃった、何だか良く分からん物を使ってシルクがそれを食べた瞬間ぶっ倒れてしまった……つまりアヤネは料理が下手と言う事じゃ、くふふふ……わらわに挑んで来たのだけは誉めねばならんのぅ。
おっと! わらわもアヤネを見ずに掃除せねば……掃除を再開するわらわ、その時ある事が思い浮かんだ。

「そう言えば幼馴染みとか言うておったのぅ」

幼馴染み……幼馴染みか、なっ何かそう言うの羨ましいのじゃ。
さっさっーー
と箒を掃きチラリとアヤネをみる。

「……ん、あやつ何か読んでおらんか?」

また手を止めてアヤネを見ると確実に何かを読んでいた、かなり埃の被った本……それを埃だらけの床に座って食い入る様に見ておる……若干頬が赤くなっておるのぅ……一体何の本じゃ?

「ふむふむ……これはハードかもしれない」

はっハード?……くっ気になって掃除に集中出来んではないか!

「おいアヤネっ一体何の本を読んでおる!」

わらわが声を掛けると身体をビクッとさせる。

「……きっ気になったなら読んで」

そう言ってわらわの方に本を投げてくる、わらわはそれをキャッチする、すると埃がもわぁ……と飛び散る、けほけほっ……アヤネめこの埃の量で良く気にも止めずによんでおったのぅ……まぁそれは良い、さてさて一体何の本を……こっこれは! わらわは本の表紙を見て驚く……そこには! はっ裸のエルフが…… しょっしょしょしょく……くっ! 恥ずかしすぎて心にも思えんわ! まさか糞親父のエロ本を娘であるわらわが見てしまうとは……至極嫌な気分なのじゃ。
うぅ……なっ何か知らんが少し見て見たいのじゃ、ちょっちょっとちょっとだけ診て見るのじゃ……そう思ってペラリと本を捲ってみる。

「うぐぁぁぁっ!?」

ちょっ直視できんっ、それ程までにエロエロでヌチャヌチャした物が描かれておるぅ……ぐぬぬっまだ1ページ目だと言うにのっけから飛ばしてくるのぅ、その性でかっ顔が赤くなってきたではないかぁ……。
もっもう少しだけ見てみるのじゃ、ふっふぉぉっこっこんなに沢山……すっ凄いのじゃ……はっ!

「じぃぃ……」

なっ何か後ろから視線を感じる……振り返ってみるとじと目でアヤネがわらわの事を見ておった。

「なっ何じゃ?」
「やけに細かく見てるね……興味あるの?」
「あっあるわけなかろう!」

ばしんっと本を投げ捨てて掃除を再開するわらわ、アヤネは「そう」とだけ呟いて掃除をし始めた……この本は後でわらわが処分せねば、その為に大事に置いておこう、かっ勘違いするでないぞ? わらわはシルク一筋じゃからこんな本等微塵も興味が無い! だから後で捨てるのじゃ、ほっ本当じゃからなっ! と、決心しつつ箒をぶんぶん振り回しながら掃除する……くぅぅっあの本の性でちっとも集中出来ん! この勝負で格の差を見せねばならんと言うに……あの糞親父が帰って来たら思いっきりぶっ飛ばしてやるのじゃ! そう心に決めたわらわであった。
そんなこんなでまだまだ掃除勝負は続く。

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