どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
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「はぁどうしようかな……」
僕の名はラキュ、魔王をやっている姉上の弟……そんな僕は今何をしているかと言うと。
「超顔合わせ辛いんだよね……」
自室のトマトソファーに横になって天井を見つめつつぼやいている……こうなった原因は僕にある。
「ついイライラして言っちゃったけど……迂闊だったよね」
それは最近の事だ、姉上と会って会話した時に僕が言った言葉、何故あんな事言ったんだろと後悔している所だ……と言うか姉上が変な意地張ってるからいけないんだよね? だから僕が展開が進む様に言っただけ、でもあれはなぁ……言い過ぎたかもしれないよね。
「あぁ……こんなに思い詰めるのってらしくないよね」
多分姉上は気にしてない……いや多分じゃない絶対だね、姉上は頑固だから人に何かを言われて考えを変える様な簡単な魔物じゃない!
「簡単だったら今頃シルク君とイチャイチャしてるよ……」
僕は弟として心配だっただけさ……だからさっきも騒がしかった侵入者を然り気無く取り押さえた……で、速攻自分の部屋に戻って来た……だって今は姉上と顔を合わせたく無いんだ。
「やけに悩んでいるじゃないかドラキュラさん」
と、色々考えていたら僕を見下ろすように顔を除かせる奴が一人出て来た。
「……何でお前がいるのさ」
そいつは知った顔だった、出来ればヴァームの次に会いたく無い奴……。
「近くの山で住んでいた筈だよね?ヘッグ……と言うか何か濡れてない?」
そのままの状態で目を細めて言ってやる、こいつもヴァームと同く危険人物……隙あらば色々と仕掛けてくる自称イケメンドラゴンだ。
「ふっ……ある男に感化されてね、旅に出たのさっ実にクールじゃないか!」
何故濡れてるのかはスルーされてしまった……まぁ外は雨が降ってるから十中八九それで濡れてしまったんだろうね。
「はいはい、クールだね……で?」
ヘッグの乗りを軽くあしらって手っ取り早く用件を聞く事にした、じゃないと一々ポーズとるからねこのドラゴンは……少しイラッとするんだよ、だからこんな時は軽くあしらうのが一番なんだ。
「相変わらず冷たいね君は」
「好きに言えば良いよ」
素っ気ない態度を取るとヘッグは目を瞑ってやれやれと手を広げる。
「確か何故此処にいるかだったよね?」
「そう……呼んでもないのに来たって事は何かあったんだよね?」
頷くヘッグ……成る程非常事態っぽいね、まったく今日は色々と起きすぎて休む暇も無いって感じだね……。
「これは上空で聞いた話さ……じっくり聞くと良い」
「上空って……訳が分からないんだけど?」
何て事を言うとウインクしてきた……意味が分からない。
「男の娘さん……逃げも隠れもしないと魔王様に言ったよ、はっはっはっ実にクールだね」
「逃げも隠れもしない……あぁそう言う事か」
聞いた瞬間何の事か分からなかったけど……シルク君は決意したみたいだね、自ら答えを出すって……。
「嬉しそうに笑っているね……」
「そんな顔してる?」
「あぁしてるさ」と言った後ヘッグは後ろに下がった、僕は起き上がってヘッグの方を見る。
「少し発展しそうだね」
シルク君が動いたのなら自ずとそうなるだろう……いやそうならないと可笑しい、だがそんな考えとは裏腹にヘッグは渋い顔をした。
「ちっちっち……実はそうもいかない」
「どう言う事?」
何か事情がある……もしかして姉上が何か言ったとか? いやいや有り得ない……そんな事を言われたら顔を真っ赤にして喜ぶ筈だ……シルク君の決意を無駄にする様な事は言わない筈……だったら何んだろう? そんな事を思っているとヘッグは額に手を置いて語り始める。
「俺は旅の途中でアヤネと言う女性に会ったのさ……その人がこれまた凄い人でね……」
「へー……ん?」
アヤネ……何処かで聞いた様な気がする、気のせいかな?
「その人、好きみたいなんだ……」
「好き……ってまさか!」
大きな声を上げるとヘッグは頷きこう答えた。
「そう……アヤネは男の娘さんの事が好きみたいだ、まっ本人は気付いて無いけどね」
いっ意味が分からない……ヘッグだって姉上の事は分かっている筈……なのに。
「何でそんな人を連れて来たのさ!」
近付いて胸ぐらをつかんだ、だが動じる所かヘッグは軽快に笑う。
「はっはっはっ……良く言うじゃないか、何事もフェアにいかないとね……クールじゃないだろう?」
そう言って僕の手を振り払う、クールとかクールじゃないとかそんな問題じゃないだろ。
「そんなに睨まないでくれたまえ……俺は彼女の意思も尊重したいのさ、それとも君は愛に走る人にこう言うのかい? その恋は実らない諦めろと」
「……くっ」
そんなの言える訳ないじゃないか……。
「で、そこで問題が起きた」
「……なっ何の?」
やっと本題に入る気がする、ヘッグは何時もの様に笑っているけど明らかに困っている様に見える、笑顔でそれを隠してるって感じだね。
「何かバトルするみたいだよ……魔王様と」
「……え?」
バトル……えと、つまり……あれだよね?
「戦闘……」
「いやそうじゃないんだ……まっまぁついて来たまえ、魔王様は君を呼んでいる」
よっ良く分からない……本当に良く分からない! え? なに? 何なの?何が起きているのさ……ヘッグが僕を呼びに来たから此処に来たのは分かったよ? でもそれ以外がさっぱり分からない!
「……行かないと駄目かな?」
「駄目だね、はっはっは……厄介な事になってきたよ」
厄介な事……もうヘッグは笑顔から困った顔になっている、隠しきれない程の何かが起きたんだ? ヘッグが此処まで困るなんてね、なっ何か不安だから行きたく無いんだけど……行かなきゃ駄目みたいだ。
「分かった……行くよ」
「じゃ、共に行こうじゃないか……」
パチンと指を鳴らすヘッグ……すると僕とヘッグはある場所へと転移される、この後超平和的で超壊滅的かつ超混沌とした物を見る事なんてこの時は思いもしなかった。
僕の名はラキュ、魔王をやっている姉上の弟……そんな僕は今何をしているかと言うと。
「超顔合わせ辛いんだよね……」
自室のトマトソファーに横になって天井を見つめつつぼやいている……こうなった原因は僕にある。
「ついイライラして言っちゃったけど……迂闊だったよね」
それは最近の事だ、姉上と会って会話した時に僕が言った言葉、何故あんな事言ったんだろと後悔している所だ……と言うか姉上が変な意地張ってるからいけないんだよね? だから僕が展開が進む様に言っただけ、でもあれはなぁ……言い過ぎたかもしれないよね。
「あぁ……こんなに思い詰めるのってらしくないよね」
多分姉上は気にしてない……いや多分じゃない絶対だね、姉上は頑固だから人に何かを言われて考えを変える様な簡単な魔物じゃない!
「簡単だったら今頃シルク君とイチャイチャしてるよ……」
僕は弟として心配だっただけさ……だからさっきも騒がしかった侵入者を然り気無く取り押さえた……で、速攻自分の部屋に戻って来た……だって今は姉上と顔を合わせたく無いんだ。
「やけに悩んでいるじゃないかドラキュラさん」
と、色々考えていたら僕を見下ろすように顔を除かせる奴が一人出て来た。
「……何でお前がいるのさ」
そいつは知った顔だった、出来ればヴァームの次に会いたく無い奴……。
「近くの山で住んでいた筈だよね?ヘッグ……と言うか何か濡れてない?」
そのままの状態で目を細めて言ってやる、こいつもヴァームと同く危険人物……隙あらば色々と仕掛けてくる自称イケメンドラゴンだ。
「ふっ……ある男に感化されてね、旅に出たのさっ実にクールじゃないか!」
何故濡れてるのかはスルーされてしまった……まぁ外は雨が降ってるから十中八九それで濡れてしまったんだろうね。
「はいはい、クールだね……で?」
ヘッグの乗りを軽くあしらって手っ取り早く用件を聞く事にした、じゃないと一々ポーズとるからねこのドラゴンは……少しイラッとするんだよ、だからこんな時は軽くあしらうのが一番なんだ。
「相変わらず冷たいね君は」
「好きに言えば良いよ」
素っ気ない態度を取るとヘッグは目を瞑ってやれやれと手を広げる。
「確か何故此処にいるかだったよね?」
「そう……呼んでもないのに来たって事は何かあったんだよね?」
頷くヘッグ……成る程非常事態っぽいね、まったく今日は色々と起きすぎて休む暇も無いって感じだね……。
「これは上空で聞いた話さ……じっくり聞くと良い」
「上空って……訳が分からないんだけど?」
何て事を言うとウインクしてきた……意味が分からない。
「男の娘さん……逃げも隠れもしないと魔王様に言ったよ、はっはっはっ実にクールだね」
「逃げも隠れもしない……あぁそう言う事か」
聞いた瞬間何の事か分からなかったけど……シルク君は決意したみたいだね、自ら答えを出すって……。
「嬉しそうに笑っているね……」
「そんな顔してる?」
「あぁしてるさ」と言った後ヘッグは後ろに下がった、僕は起き上がってヘッグの方を見る。
「少し発展しそうだね」
シルク君が動いたのなら自ずとそうなるだろう……いやそうならないと可笑しい、だがそんな考えとは裏腹にヘッグは渋い顔をした。
「ちっちっち……実はそうもいかない」
「どう言う事?」
何か事情がある……もしかして姉上が何か言ったとか? いやいや有り得ない……そんな事を言われたら顔を真っ赤にして喜ぶ筈だ……シルク君の決意を無駄にする様な事は言わない筈……だったら何んだろう? そんな事を思っているとヘッグは額に手を置いて語り始める。
「俺は旅の途中でアヤネと言う女性に会ったのさ……その人がこれまた凄い人でね……」
「へー……ん?」
アヤネ……何処かで聞いた様な気がする、気のせいかな?
「その人、好きみたいなんだ……」
「好き……ってまさか!」
大きな声を上げるとヘッグは頷きこう答えた。
「そう……アヤネは男の娘さんの事が好きみたいだ、まっ本人は気付いて無いけどね」
いっ意味が分からない……ヘッグだって姉上の事は分かっている筈……なのに。
「何でそんな人を連れて来たのさ!」
近付いて胸ぐらをつかんだ、だが動じる所かヘッグは軽快に笑う。
「はっはっはっ……良く言うじゃないか、何事もフェアにいかないとね……クールじゃないだろう?」
そう言って僕の手を振り払う、クールとかクールじゃないとかそんな問題じゃないだろ。
「そんなに睨まないでくれたまえ……俺は彼女の意思も尊重したいのさ、それとも君は愛に走る人にこう言うのかい? その恋は実らない諦めろと」
「……くっ」
そんなの言える訳ないじゃないか……。
「で、そこで問題が起きた」
「……なっ何の?」
やっと本題に入る気がする、ヘッグは何時もの様に笑っているけど明らかに困っている様に見える、笑顔でそれを隠してるって感じだね。
「何かバトルするみたいだよ……魔王様と」
「……え?」
バトル……えと、つまり……あれだよね?
「戦闘……」
「いやそうじゃないんだ……まっまぁついて来たまえ、魔王様は君を呼んでいる」
よっ良く分からない……本当に良く分からない! え? なに? 何なの?何が起きているのさ……ヘッグが僕を呼びに来たから此処に来たのは分かったよ? でもそれ以外がさっぱり分からない!
「……行かないと駄目かな?」
「駄目だね、はっはっは……厄介な事になってきたよ」
厄介な事……もうヘッグは笑顔から困った顔になっている、隠しきれない程の何かが起きたんだ? ヘッグが此処まで困るなんてね、なっ何か不安だから行きたく無いんだけど……行かなきゃ駄目みたいだ。
「分かった……行くよ」
「じゃ、共に行こうじゃないか……」
パチンと指を鳴らすヘッグ……すると僕とヘッグはある場所へと転移される、この後超平和的で超壊滅的かつ超混沌とした物を見る事なんてこの時は思いもしなかった。
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