FORSE
3
何もない、乾いた大地。
かつてあったであろう都市群の瓦礫が目につく。
「ひでぇな。これがすべて戦争の結果か」
「『戦争はなにも生み出さない』とか言ったのはどこの学者だったっけか」サリドはグラムに尋ねた。
「さあ。どうだろうね。もしそいつがそこにいたら、その通り人間は馬鹿です、とでも言ってやろうか」
グラムは端末に手をとり、言った。
「サリド、なにやってんだ。おまえ?」
「地形調査」サリドは端的に述べ、「人為的に作られた空洞を探してるんだけども。見当たらないね」
「サリド……? これなんだ?」
気づくとグラムはサリドの持つ携帯端末の画面をじっと見ていた。
「ん……?」サリドはグラムが言っていることに気づき、「あぁ。これはエネルギー反応を示すやつだよ。だから地上に青白い二つの塊があるだろう? それは僕らさ」
グラムは頭を掻いて、ひとこと「よくわからん」と不貞腐れたように呟いた。しかし、すぐになにか思い出したのか、
「……じゃなくて、深度7m付近のエネルギー反応について俺は言いたいんだ」
「え?」
サリドはそれを聞いてもう一度携帯端末とにらめっこする。
するとグラムの言う通り、その場所には高エネルギー反応を示す緑の膜がみられた。
「……なるほどね。妨害電波を送っているのか、はたまたフロートの熱を逃がす管か……。行ってみる価値はあるね」
サリドがそう考察した。
「おいおいサリド待てって! その確証はあるのか? 仮に後者だったら俺ら焼け死ぬぞ……」
「それでも、行ってみる価値はある」
「……分ぁーったよ。行きゃいいんだろ?」
「君がそういう性格で助かる」
「好きでこんな性格じゃないんだがね」
グラムはため息のように声を吐き出した。
かつてあったであろう都市群の瓦礫が目につく。
「ひでぇな。これがすべて戦争の結果か」
「『戦争はなにも生み出さない』とか言ったのはどこの学者だったっけか」サリドはグラムに尋ねた。
「さあ。どうだろうね。もしそいつがそこにいたら、その通り人間は馬鹿です、とでも言ってやろうか」
グラムは端末に手をとり、言った。
「サリド、なにやってんだ。おまえ?」
「地形調査」サリドは端的に述べ、「人為的に作られた空洞を探してるんだけども。見当たらないね」
「サリド……? これなんだ?」
気づくとグラムはサリドの持つ携帯端末の画面をじっと見ていた。
「ん……?」サリドはグラムが言っていることに気づき、「あぁ。これはエネルギー反応を示すやつだよ。だから地上に青白い二つの塊があるだろう? それは僕らさ」
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「……じゃなくて、深度7m付近のエネルギー反応について俺は言いたいんだ」
「え?」
サリドはそれを聞いてもう一度携帯端末とにらめっこする。
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「おいおいサリド待てって! その確証はあるのか? 仮に後者だったら俺ら焼け死ぬぞ……」
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グラムはため息のように声を吐き出した。
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