FORSE
2
グラムとは次の日の朝、首都から少し離れたショッピングモールで会うこととなった。
ショッピングモール、といっても仮に戦争で爆撃されないように地下に何層も分かれている、いわば“地下都市”の中にあるのだが。
そしてサリドは、その日、そこにいた。
サリドはそこまで私服を気にしないタイプなのか、ジーパンにTシャツ、それにウエストポーチという軽装だった。
「……まあ、どこ行くかわからんしな……。デートとかじゃあるまいし」
サリドは独り言のように呟いた。
「よっ。やっぱ早かったな」
サリドとの待ち合わせ場所にグラムがやってきたのは、それから五分ほど経ってからだった。
「ああ。待ち合わせをしたからにはそのどんなに遅くても五分前には着くようにはしてるからね」
「そうか」
ところで。サリドが尋ねた。
「隣にいる女の子は誰なんだい?」
待ち合わせ場所にきたのはグラムだけではなかった。正確に言えば。
グラムの隣には女の子がいた。栗色の髪にキラキラとした瞳(輝いている、と言ったほうがいいのかもしれない。ともかく光が当たって輝いているのだ)、顔立ちも整っていて、水色のワンピースを着ていた。
「彼女は……?」
「あぁ。こいつか」グラムは後ろに振り向き、そちらのほうを指差して、そして言った。
「妹だ」
「い、妹?」
グラムの言葉にサリドの対応はとても冷ややかなものだった。
「そう。妹。俺の」
「まじかよ……。まさかお前に妹がいるだなんて……」
「その発言には少し問題があるんだが?」
グラムはすこし顔をしかめながら言った。
「あ、あのっ」
その話の中心にいた少女は、恥ずかしがりながらも、サリドに話しかける。
「ん? どうしたんだい?」
サリドはそれに答える。
「いや、あの……。いつも兄がお世話になってます」
なんと丁寧にお辞儀までついている。
「出来る妹と出来ない兄、ねぇ……。普通逆じゃないの?」
サリドはグラムに話しかける。
「うるさい。なっちまったもんはしょうがないだろ」
グラムはつっけんどんに返した。
ショッピングモール、といっても仮に戦争で爆撃されないように地下に何層も分かれている、いわば“地下都市”の中にあるのだが。
そしてサリドは、その日、そこにいた。
サリドはそこまで私服を気にしないタイプなのか、ジーパンにTシャツ、それにウエストポーチという軽装だった。
「……まあ、どこ行くかわからんしな……。デートとかじゃあるまいし」
サリドは独り言のように呟いた。
「よっ。やっぱ早かったな」
サリドとの待ち合わせ場所にグラムがやってきたのは、それから五分ほど経ってからだった。
「ああ。待ち合わせをしたからにはそのどんなに遅くても五分前には着くようにはしてるからね」
「そうか」
ところで。サリドが尋ねた。
「隣にいる女の子は誰なんだい?」
待ち合わせ場所にきたのはグラムだけではなかった。正確に言えば。
グラムの隣には女の子がいた。栗色の髪にキラキラとした瞳(輝いている、と言ったほうがいいのかもしれない。ともかく光が当たって輝いているのだ)、顔立ちも整っていて、水色のワンピースを着ていた。
「彼女は……?」
「あぁ。こいつか」グラムは後ろに振り向き、そちらのほうを指差して、そして言った。
「妹だ」
「い、妹?」
グラムの言葉にサリドの対応はとても冷ややかなものだった。
「そう。妹。俺の」
「まじかよ……。まさかお前に妹がいるだなんて……」
「その発言には少し問題があるんだが?」
グラムはすこし顔をしかめながら言った。
「あ、あのっ」
その話の中心にいた少女は、恥ずかしがりながらも、サリドに話しかける。
「ん? どうしたんだい?」
サリドはそれに答える。
「いや、あの……。いつも兄がお世話になってます」
なんと丁寧にお辞儀までついている。
「出来る妹と出来ない兄、ねぇ……。普通逆じゃないの?」
サリドはグラムに話しかける。
「うるさい。なっちまったもんはしょうがないだろ」
グラムはつっけんどんに返した。
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