FORSE
3
というわけなので、サリドたち三人はショッピングモールで遊ぶこととなった。
ショッピングモールはサリドたちが今までいたプログライトのベースキャンプ(あれでも一つの国がすっぽりと入ってしまうくらいなのだが)が二個ほど入ってしまうほどの大きさだ。とても一日では回り切れない。
「んじゃー、まずどこ行くか」
グラムがマップをつまらなさそうに眺めて、言った。
「お兄ちゃん、私洋服買いたいんだけど」
妹が話しかけてきた。
「あ、そう? わかった。じゃあそこまで行くよ。キャティ」
グラムがそう言うとキャティは嬉しそうに小走りになって、通路の先に向かった。
「兄弟、っていいなぁ」呟くようにサリドは言う。
「そうか? あれでも会ったらいつも喧嘩だぜ? 思春期の妹、って結構めんどくさいもんなんだ」
「そんなもんなのか?」
「あぁ」
そんな世間話をしながら二人もキャティの後を追った。
そのころ。リーフガットはとある場所にいた。
いつものように軍服じゃなく、黒いスーツでびしっとしている。ところで、ここは何処なのだろうか?
ここは、議員会館、と呼ばれる場所で、この国の全議員の事務所がある所だ。
彼女はその最上階にいた。そこには噴水やら小高い山やら、はたまた滝まで付けられた庭が広がっていた。
「これが事務所ねぇ……。もはや別荘じゃない」
ここにいる人間はただひとり。
ヴァリヤー・リオール。
先の戦争で妨害行為を行なったと見られている人間。そんな現在は自主的に中に籠っている。
「なにも工作していなければいいのだが……」
そう言って、リーフガットは庭の終着にある扉にたどり着いた。
「やぁやぁ。リーフガットくん。よくここまでやってきたなぁ」
扉を開けると、その嗄れた声。
ヴァリヤーの声だった。
「ひとつ、お尋ねしたいことがございまして来たのですが」
「まぁ、座るがいい。大丈夫だ。罠なんぞ仕掛けてはおらんよ」
ヴァリヤーがそう言うのでリーフガットはそれに従って近くのソファに腰かけた。
「……して、聞きたいこととは?」
「これ、読ませていただきました」リーフガットはカバンからある本を取り出す。
それを見てヴァリヤーは僅かに眉をひそめて、「いかんなぁ。これは書物庫に保管されていた、持ち出し厳禁のやつじゃないかね? こんなものを持ち込んで……、君も只では済まんだろう?」
「こんかいは委員会の協力を得た上です」
リーフガットは即座にそれについて返す。
それを聞いたヴァリヤーは思わず立ち上がった。
「まさか……!! 委員会は私を裏切って……! こんなことを」
「なにを仰いますか?」
リーフガットは笑って、
「貴方が国を裏切ったんでしょう?」
「違う! 私はただ……っ。世界の安寧とヒュロルフタームのことを思って……」
「その結果のためにやったことが妨害か? ほんと何を思っているのやら?」
「……もう、我慢ならん」
「ん?」
「許さん…… 許さんっ!! せめて貴様だけでも殺すっ!!」
そう言ってヴァリヤーは近くにあったボタンを押す。
「なんでわしがこんなビルの最上階にいるのか、わかるかね?」
ゴウン、と低い唸り声が部屋の中に響いた。
「まさか……、このためだったと……?」
そこにいたのは小型の人型戦闘兵器。
ヒュロルフタームだった。
ショッピングモールはサリドたちが今までいたプログライトのベースキャンプ(あれでも一つの国がすっぽりと入ってしまうくらいなのだが)が二個ほど入ってしまうほどの大きさだ。とても一日では回り切れない。
「んじゃー、まずどこ行くか」
グラムがマップをつまらなさそうに眺めて、言った。
「お兄ちゃん、私洋服買いたいんだけど」
妹が話しかけてきた。
「あ、そう? わかった。じゃあそこまで行くよ。キャティ」
グラムがそう言うとキャティは嬉しそうに小走りになって、通路の先に向かった。
「兄弟、っていいなぁ」呟くようにサリドは言う。
「そうか? あれでも会ったらいつも喧嘩だぜ? 思春期の妹、って結構めんどくさいもんなんだ」
「そんなもんなのか?」
「あぁ」
そんな世間話をしながら二人もキャティの後を追った。
そのころ。リーフガットはとある場所にいた。
いつものように軍服じゃなく、黒いスーツでびしっとしている。ところで、ここは何処なのだろうか?
ここは、議員会館、と呼ばれる場所で、この国の全議員の事務所がある所だ。
彼女はその最上階にいた。そこには噴水やら小高い山やら、はたまた滝まで付けられた庭が広がっていた。
「これが事務所ねぇ……。もはや別荘じゃない」
ここにいる人間はただひとり。
ヴァリヤー・リオール。
先の戦争で妨害行為を行なったと見られている人間。そんな現在は自主的に中に籠っている。
「なにも工作していなければいいのだが……」
そう言って、リーフガットは庭の終着にある扉にたどり着いた。
「やぁやぁ。リーフガットくん。よくここまでやってきたなぁ」
扉を開けると、その嗄れた声。
ヴァリヤーの声だった。
「ひとつ、お尋ねしたいことがございまして来たのですが」
「まぁ、座るがいい。大丈夫だ。罠なんぞ仕掛けてはおらんよ」
ヴァリヤーがそう言うのでリーフガットはそれに従って近くのソファに腰かけた。
「……して、聞きたいこととは?」
「これ、読ませていただきました」リーフガットはカバンからある本を取り出す。
それを見てヴァリヤーは僅かに眉をひそめて、「いかんなぁ。これは書物庫に保管されていた、持ち出し厳禁のやつじゃないかね? こんなものを持ち込んで……、君も只では済まんだろう?」
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リーフガットは笑って、
「貴方が国を裏切ったんでしょう?」
「違う! 私はただ……っ。世界の安寧とヒュロルフタームのことを思って……」
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