FORSE
8
とある少年は瓦礫の中に埋まっていた。
少年は母親と一緒に街を歩いていた訳だが、そのところでヒュロルフタームの猛攻に巻き込まれてしまったのだ。
彼は、彼の母親の名前を叫ぶ。何度も、何度も。
でも、母親は答えない。
少年にゾワッ!! とこれまで以上には感じない悪寒を感じた。
――俺は死ぬのか?
少年はついこの前兵隊に入ったばかりでプログライト戦争にも出陣していた。今回は休暇だったわけだが。
――俺は死ぬのか?
その言葉だけが頭にリフレインする。
希望はどこにある。絶望はここにある。現実は絶望を、ここまでも簡単に、単純に、かつ恐ろしい方法で与えるものなのか。
少年は何かに取りつかれたように体を丸くして、そのまま動かなくなった。
――俺は……。
少年は決意する。
それは何かをも動かせない程の小さな意志だが、
一人の人生を変えるには大きな意志でもあった。
――俺は、生きたい!
そのころ、グラムとサリド。
「ほんと……、仲間だと心強いのだけど敵になると忌々しい……!!」
「リーフガットさん!」
「なぜここに……?」
サリドとグラムはそれぞれ違った反応をした。
それを見て、彼女は少しだけ笑った。
「……ヴァリヤーを追い詰めて、捕まえようとしたらこのザマよ!! まったく、まさかあんなかくし球があるなんてね!!」
「あれはなんなんですか!!」
「あれは試作品のヒュロルフターム『第三世代』!! コードはたしか」
『ビースト、さ。そうだったかな? リーフガットくん』
リーフガットの代わりにヴァリヤーが述べた。
「獣……。即ち戦闘能力が第二世代と段違いなのよ!! こいつに敵うのはヒュロルフタームしかいないし、第三世代も幻としてとらえられていた!! だから細かい資料なんて、残っちゃいない!!」
精一杯の声で、リーフガットは叫んだ。
「第三世代……」
グラムとサリドはただそれだけを呟くことしかできなかった。
『驚いたかね? この第三世代は対社会連盟用に制作された最高傑作! 貴様らなんかに簡単に壊せる代物ではない!!』
「ふーん。だったらそれじゃあ、」
サリドはウエストポーチのポケットのチャックを開けた。
「試してみようか」
サリドが手にとったもの。
それは手榴弾。
しかし、ただの手榴弾ではない。そんなものを投げても無駄、という前例があるからだ。
なのに、なぜ彼はその失敗すると決まってる道具を使おうとするのか?
『ハハハ!! 手榴弾だと?! 血迷ったか!! お前らはそんなのは無駄だとグラディアとプログライトで学ばなかったのか?!』
「……何を勘違いしている?」
なにっ、と思わずヴァリヤーは小さく、だがサリドたちに聞こえるくらいに声を発してしまった。
サリドは続ける。
「だれも、『外を壊すのが目的』にこれを使うだなんて言ってないんだけど?」
そう言って、サリドは第三世代向かって手榴弾を投げつける。
刹那、
閃光が辺り一面に弾けた。
少年は母親と一緒に街を歩いていた訳だが、そのところでヒュロルフタームの猛攻に巻き込まれてしまったのだ。
彼は、彼の母親の名前を叫ぶ。何度も、何度も。
でも、母親は答えない。
少年にゾワッ!! とこれまで以上には感じない悪寒を感じた。
――俺は死ぬのか?
少年はついこの前兵隊に入ったばかりでプログライト戦争にも出陣していた。今回は休暇だったわけだが。
――俺は死ぬのか?
その言葉だけが頭にリフレインする。
希望はどこにある。絶望はここにある。現実は絶望を、ここまでも簡単に、単純に、かつ恐ろしい方法で与えるものなのか。
少年は何かに取りつかれたように体を丸くして、そのまま動かなくなった。
――俺は……。
少年は決意する。
それは何かをも動かせない程の小さな意志だが、
一人の人生を変えるには大きな意志でもあった。
――俺は、生きたい!
そのころ、グラムとサリド。
「ほんと……、仲間だと心強いのだけど敵になると忌々しい……!!」
「リーフガットさん!」
「なぜここに……?」
サリドとグラムはそれぞれ違った反応をした。
それを見て、彼女は少しだけ笑った。
「……ヴァリヤーを追い詰めて、捕まえようとしたらこのザマよ!! まったく、まさかあんなかくし球があるなんてね!!」
「あれはなんなんですか!!」
「あれは試作品のヒュロルフターム『第三世代』!! コードはたしか」
『ビースト、さ。そうだったかな? リーフガットくん』
リーフガットの代わりにヴァリヤーが述べた。
「獣……。即ち戦闘能力が第二世代と段違いなのよ!! こいつに敵うのはヒュロルフタームしかいないし、第三世代も幻としてとらえられていた!! だから細かい資料なんて、残っちゃいない!!」
精一杯の声で、リーフガットは叫んだ。
「第三世代……」
グラムとサリドはただそれだけを呟くことしかできなかった。
『驚いたかね? この第三世代は対社会連盟用に制作された最高傑作! 貴様らなんかに簡単に壊せる代物ではない!!』
「ふーん。だったらそれじゃあ、」
サリドはウエストポーチのポケットのチャックを開けた。
「試してみようか」
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それは手榴弾。
しかし、ただの手榴弾ではない。そんなものを投げても無駄、という前例があるからだ。
なのに、なぜ彼はその失敗すると決まってる道具を使おうとするのか?
『ハハハ!! 手榴弾だと?! 血迷ったか!! お前らはそんなのは無駄だとグラディアとプログライトで学ばなかったのか?!』
「……何を勘違いしている?」
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サリドは続ける。
「だれも、『外を壊すのが目的』にこれを使うだなんて言ってないんだけど?」
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刹那、
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