FORSE
5
リーフガットは医者を呼んでいた。医者といっても部隊に備え付けの軍医だが。
「ふむ……」
医者は聴診器をあて、怪訝な表情を示した。
「どうですか?」
リーフガットが心配そうな目で見詰めていた。
「芳しくありませんね。薬を投与しても治らないならば風邪ではないのかも……」
「風邪でなければ……」
「透明病」
医者はしばらくして、呟くように言った。
「……透明病、ですか?」
「聞いたことがないようですな。たしかにレイザリーでは縁も所縁もない病名でありましょうからな」
「その……透明病、とはなんですか?」
リーフガットが医者に丁寧に尋ねる。
「簡単だ。早い話が消えてなくなってしまうのだよ」
医者は何の躊躇もなく話した。
「消えて……なくなる」
「あぁ。そうだ。この症状の進み方から行けば……1ヶ月くらいでそうなってしまうんじゃないのかね」
「助ける方法はないのか。あなたは医者なのだろう?」
「と言われてもねぇ。僕は神でもないから。確かに僕は何千人もの人を救ってきた。だから『生と死の番人』とも喚ばれるが、さすがに今回ばかりは……いや、」
話が不意に途切れた事に思わずリーフガットは目を合わせる。
「そういえば、まだいましたね。透明病の毒を吸い取り、ある程度の条件つきだが、治してくれるところが」
「どこですか?!」
そして、医者は呟く。
「……シスター部隊」
と。
「シスター部隊……」
「えぇ。そこならば姫様を助けられる筈です」
医者はすっかり髪のなくなった頭を撫でながら言った。
「……まて。ならばシスター部隊はどこにいる?」
「今は全国を回っている筈ですからリフディラの何処かにいるかと」
「阿呆。リフディラと言っても単純計算でレイザリーの半分はあるんだからね……。そこを虱潰しに探すといっても1ヶ月で済むかどうか」
「大丈夫です。大体場所は把握しています」
医者はまるで直射日光の太陽のように爽やかに笑う。
そして、医者は静かな口調で言った。
「ここから北へ60km離れた首都ウェイロック……。そこにシスター部隊は駐留しています」
「ふむ……」
医者は聴診器をあて、怪訝な表情を示した。
「どうですか?」
リーフガットが心配そうな目で見詰めていた。
「芳しくありませんね。薬を投与しても治らないならば風邪ではないのかも……」
「風邪でなければ……」
「透明病」
医者はしばらくして、呟くように言った。
「……透明病、ですか?」
「聞いたことがないようですな。たしかにレイザリーでは縁も所縁もない病名でありましょうからな」
「その……透明病、とはなんですか?」
リーフガットが医者に丁寧に尋ねる。
「簡単だ。早い話が消えてなくなってしまうのだよ」
医者は何の躊躇もなく話した。
「消えて……なくなる」
「あぁ。そうだ。この症状の進み方から行けば……1ヶ月くらいでそうなってしまうんじゃないのかね」
「助ける方法はないのか。あなたは医者なのだろう?」
「と言われてもねぇ。僕は神でもないから。確かに僕は何千人もの人を救ってきた。だから『生と死の番人』とも喚ばれるが、さすがに今回ばかりは……いや、」
話が不意に途切れた事に思わずリーフガットは目を合わせる。
「そういえば、まだいましたね。透明病の毒を吸い取り、ある程度の条件つきだが、治してくれるところが」
「どこですか?!」
そして、医者は呟く。
「……シスター部隊」
と。
「シスター部隊……」
「えぇ。そこならば姫様を助けられる筈です」
医者はすっかり髪のなくなった頭を撫でながら言った。
「……まて。ならばシスター部隊はどこにいる?」
「今は全国を回っている筈ですからリフディラの何処かにいるかと」
「阿呆。リフディラと言っても単純計算でレイザリーの半分はあるんだからね……。そこを虱潰しに探すといっても1ヶ月で済むかどうか」
「大丈夫です。大体場所は把握しています」
医者はまるで直射日光の太陽のように爽やかに笑う。
そして、医者は静かな口調で言った。
「ここから北へ60km離れた首都ウェイロック……。そこにシスター部隊は駐留しています」
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