FORSE
18
そんな平和な一時を破壊するかのようにけたたましいサイレンが鳴り響いたのはレイデンがカップに入ったお湯を丁度飲み終わったところですこしその余韻に浸っているところだった。
最初は何のことだったが訳が解らなかったようだったが直ぐにその状況を理解し行動を開始した。
先ず行ったことはコンピュータには絶対に触らないようにして小さな画面を確認することだった。
リーダーが機械に疎いレイデンの事を解っていたために最低限のマニュアルを作ってくれていたが為の行動だ。レイデンは基本何も信じずに基本自分の考えを信念として動いているのだがこの時に限っては例外で彼はこのマニュアルに従って行動する。それほどリーダーを信頼している証拠なのだろう。
「畜生……。いったいなにがどうなってるんだ?」
レイデンはマニュアルを見ながら目の前のキーボードを丁寧にひとつひとつ打っていく。
「……エラーコード74438? ……まさかハッキングだってのか?」
レイデンはマニュアルに書かれた表と照らし合わせたのだろう。その表と画面を目が行き来し、その度にレイデンの目は丸くなっていった。
「どうやら失敗のようだね」
レイデンの背中に声がかかった。その冷たい声はまるでナイフでも突き立てられているかのような錯覚を呼ぶ程であった。
「リーダー……。なぜここに!! ……いや、違うな?」
レイデンは少し違和感を感じた。それはたぶん普通の人間なら感じ得なかっただろう僅かな違和感だったが、それを読み取れたのは彼が傭兵だからであろう。
「……流石だね。僕を見破るなんて。初めてじゃないかな」
レイデンは妙な感じを覚えた。
それは、熱。
背中からじわじわと熱が感じられる。それと考えられないほどの緊張感も合い重なって、レイデンはそこを振り返ることが出来なかった。
「君は用済みだよ。だが、その後ろのコンピュータはまだ利用価値があるから大切にしろ、との上からの命令でね? だから退いてくんないかなぁ」
声はレイデンに答える隙を与えずにまた話を続ける。
「僕としてはここを全て燃やしたいんだよ? でもね、仕方ないよね。彼らには逆らえないし、逆らってもメリットなんてないし」
「……それを素直に従うとでも?」
レイデンは後ろを振り向き、背中のベルトにかかったナイフを引こうとして、
ふと、息を呑んだ。
何故ならそこにいたのはレイデンの腰ほどしかない小さい子供だった。しかし目は所謂子供らしい目などではなく光の消えかけた目。腰の据わった目とも云えるそれはつまらなそうな感じにレイデンを見つめていた。
髪は炎のように真っ赤で服は仄かにオレンジ色のポロシャツ、他は……あまりよく見ることができない。しなかったのではなく、できない。
何故ならここは戦場。一瞬の油断が命取りに為り得る場所。だから、レイデンはナイフを引き抜いた。少年の姿を一瞬でも見つめた時点で油断していたことに気付かずに。
「敗けだよ」
少年はぽつりと呟いて手をレイデンの目の前に向ける。
そして、轟!! と炎が渦を巻いてレイデンの方に恐ろしいスピードで向かってきた。
レイデンは避けようとして……それをやめた。
そしてレイデンは少年が放った炎に包まれた。
最初は何のことだったが訳が解らなかったようだったが直ぐにその状況を理解し行動を開始した。
先ず行ったことはコンピュータには絶対に触らないようにして小さな画面を確認することだった。
リーダーが機械に疎いレイデンの事を解っていたために最低限のマニュアルを作ってくれていたが為の行動だ。レイデンは基本何も信じずに基本自分の考えを信念として動いているのだがこの時に限っては例外で彼はこのマニュアルに従って行動する。それほどリーダーを信頼している証拠なのだろう。
「畜生……。いったいなにがどうなってるんだ?」
レイデンはマニュアルを見ながら目の前のキーボードを丁寧にひとつひとつ打っていく。
「……エラーコード74438? ……まさかハッキングだってのか?」
レイデンはマニュアルに書かれた表と照らし合わせたのだろう。その表と画面を目が行き来し、その度にレイデンの目は丸くなっていった。
「どうやら失敗のようだね」
レイデンの背中に声がかかった。その冷たい声はまるでナイフでも突き立てられているかのような錯覚を呼ぶ程であった。
「リーダー……。なぜここに!! ……いや、違うな?」
レイデンは少し違和感を感じた。それはたぶん普通の人間なら感じ得なかっただろう僅かな違和感だったが、それを読み取れたのは彼が傭兵だからであろう。
「……流石だね。僕を見破るなんて。初めてじゃないかな」
レイデンは妙な感じを覚えた。
それは、熱。
背中からじわじわと熱が感じられる。それと考えられないほどの緊張感も合い重なって、レイデンはそこを振り返ることが出来なかった。
「君は用済みだよ。だが、その後ろのコンピュータはまだ利用価値があるから大切にしろ、との上からの命令でね? だから退いてくんないかなぁ」
声はレイデンに答える隙を与えずにまた話を続ける。
「僕としてはここを全て燃やしたいんだよ? でもね、仕方ないよね。彼らには逆らえないし、逆らってもメリットなんてないし」
「……それを素直に従うとでも?」
レイデンは後ろを振り向き、背中のベルトにかかったナイフを引こうとして、
ふと、息を呑んだ。
何故ならそこにいたのはレイデンの腰ほどしかない小さい子供だった。しかし目は所謂子供らしい目などではなく光の消えかけた目。腰の据わった目とも云えるそれはつまらなそうな感じにレイデンを見つめていた。
髪は炎のように真っ赤で服は仄かにオレンジ色のポロシャツ、他は……あまりよく見ることができない。しなかったのではなく、できない。
何故ならここは戦場。一瞬の油断が命取りに為り得る場所。だから、レイデンはナイフを引き抜いた。少年の姿を一瞬でも見つめた時点で油断していたことに気付かずに。
「敗けだよ」
少年はぽつりと呟いて手をレイデンの目の前に向ける。
そして、轟!! と炎が渦を巻いてレイデンの方に恐ろしいスピードで向かってきた。
レイデンは避けようとして……それをやめた。
そしてレイデンは少年が放った炎に包まれた。
「FORSE」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
9,386
-
2.4万
-
-
6,645
-
2.9万
-
-
5,170
-
2.6万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
9,691
-
1.6万
-
-
2,492
-
6,724
-
-
8,170
-
5.5万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
6,176
-
2.6万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
2,858
-
4,949
-
-
3,540
-
5,228
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
12
-
6
-
-
2,621
-
7,283
-
-
3,643
-
9,420
-
-
2,419
-
9,367
-
-
6,207
-
3.1万
-
-
611
-
1,139
-
-
3,202
-
1.5万
-
-
40
-
13
-
-
83
-
150
-
-
341
-
841
-
-
49
-
163
-
-
153
-
244
-
-
217
-
516
-
-
1,289
-
8,764
-
-
5,030
-
1万
-
-
4,916
-
1.7万
-
-
2,794
-
1万
-
-
610
-
221
-
-
9,166
-
2.3万
コメント