FORSE
1-7
「そんなわけはない。あれは立派な発明だよ。今まで人間程の大きさにしか作れなかったロボットが、50mのものになるんだもの。ヨシノ博士――君の父親が産み出した“それ”は世界を画期的に変えたんだ」
「違う」フランシスカは小さく横に首を振って、
「そんなわけない。例えヒトがどんなに綺麗事を並べたってあれは兵器にしか他ならないわ。あれが内部爆発を起こしたら主要なエネルギー源としてるプルトニウムが原子炉から漏れ出してしまうわ。炉心溶融を起こしてしまうかもしれない」
「いいかい?」ロゼはフランシスカの肩を持って、
「確かにそうなってしまう可能性もゼロではない。でも、そういうマイナスばかりを考えていると何も進歩はしないんだ。だって、そうだろ? 人間の少なからず大きな犠牲によってそれ以上に利益をもたらした大きなものが産み出される。まさか、君はこの世界が何の犠牲もなく今まで成長し続けた、とでも思っているのかい?」
ロゼの問いにフランシスカは答えない。
「……こんな話はやめにしよう。今はデートの場なのだから」
ロゼはひとつため息をしてフランシスカの手を握り返した。
「えぇ。そうね」フランシスカもそう言って彼女の手を握り返した。
セントラルターミナル。
名前の通り、オリンピアドームの中央に位置し、まるで深いスープ皿を交互に載せていったようなそんな形をしており、ターミナルと名前が付いているから解ると思うが、ここは他の国とを結ぶオリンピアドーム唯一の空港である。
しかし全てが空港というわけでなく、滑走路、今の飛行機は滑走路が殆ど必要ないタイプになっているのだが、として使っているエリアは上の僅か10エリアに過ぎない。残りのエリアは所謂お土産屋やアミューズメントなどの興業施設となっていて空港自体はそれで収入を得ている。
「うわぁ……広いわねぇ……」
「別に僕は広くは感じませんが……。レイザリーにもこの程度、いやこれ以上の設備が為された空港があるはずでしょう?」
ロゼの言葉にフランシスカはため息をつきながら首を横に振る。
「それがさぁ……。本国の方のボディーガードが飛行機の時間を一時間勘違いしてたみたいで。私のプランだったら一時間は空港をぶらぶらと巡れたんだけどねぇ……」
「アハハ。でも今回は制限はありませんよ。こんな僕で宜しければエスコートしますが?」
ロゼは笑って、フランシスカの掌を再び強く握った。
「違う」フランシスカは小さく横に首を振って、
「そんなわけない。例えヒトがどんなに綺麗事を並べたってあれは兵器にしか他ならないわ。あれが内部爆発を起こしたら主要なエネルギー源としてるプルトニウムが原子炉から漏れ出してしまうわ。炉心溶融を起こしてしまうかもしれない」
「いいかい?」ロゼはフランシスカの肩を持って、
「確かにそうなってしまう可能性もゼロではない。でも、そういうマイナスばかりを考えていると何も進歩はしないんだ。だって、そうだろ? 人間の少なからず大きな犠牲によってそれ以上に利益をもたらした大きなものが産み出される。まさか、君はこの世界が何の犠牲もなく今まで成長し続けた、とでも思っているのかい?」
ロゼの問いにフランシスカは答えない。
「……こんな話はやめにしよう。今はデートの場なのだから」
ロゼはひとつため息をしてフランシスカの手を握り返した。
「えぇ。そうね」フランシスカもそう言って彼女の手を握り返した。
セントラルターミナル。
名前の通り、オリンピアドームの中央に位置し、まるで深いスープ皿を交互に載せていったようなそんな形をしており、ターミナルと名前が付いているから解ると思うが、ここは他の国とを結ぶオリンピアドーム唯一の空港である。
しかし全てが空港というわけでなく、滑走路、今の飛行機は滑走路が殆ど必要ないタイプになっているのだが、として使っているエリアは上の僅か10エリアに過ぎない。残りのエリアは所謂お土産屋やアミューズメントなどの興業施設となっていて空港自体はそれで収入を得ている。
「うわぁ……広いわねぇ……」
「別に僕は広くは感じませんが……。レイザリーにもこの程度、いやこれ以上の設備が為された空港があるはずでしょう?」
ロゼの言葉にフランシスカはため息をつきながら首を横に振る。
「それがさぁ……。本国の方のボディーガードが飛行機の時間を一時間勘違いしてたみたいで。私のプランだったら一時間は空港をぶらぶらと巡れたんだけどねぇ……」
「アハハ。でも今回は制限はありませんよ。こんな僕で宜しければエスコートしますが?」
ロゼは笑って、フランシスカの掌を再び強く握った。
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