FORSE
1-9
「な、なにを……!! コースから離れちゃったよ!」
フランシスカは半ば冷静に状況を判断出来なかった。
「後ろから敵がやって来ます! 急がねば……!!」
ロゼの言葉にフランシスカは驚いて窓から外を見て状況をなんとか知ろうとする。
しかし、見えるのは透き通った海だけだった。
「……やっぱり見えない!!」
「困りましたね……。敵の姿が見えるならまだ対策は打てるのですが……、このままじゃ打ちようがない!」
「じゃあ!」
「とりあえずADAでこの潜水艦は完璧に操れるのですが……、問題はどう敵を交わして元の地に戻れるか……」
「ロゼ、どいて」
フランシスカは気づくとシートベルトを外し、ロゼの方に来ていた。
「フランシスカ、なにを……!!」
「いいからどいて」フランシスカはさっきと変わらない、淡々とした口調で述べたのち、言った。
「私にいい考えがある」
†
その頃、フランシスカたちを追っていた潜水艦は困惑の色を隠せないでいた。
何故ならば。
「何故だ!! 何故あいつらは岩壁の中に潜り込むように消えていったんだ!!」潜水艦のリーダーであったアーケオス・サンタディアゴは言った。
「ふぅ……。なんとか撒いたわね……」
フランシスカとロゼを乗せた潜水艦は小さい洞窟の中を巧みに動いていた。
「まさかこんな抜け道があるとは……。なんで知っていたのですか?」
ロゼはフランシスカに尋ねる。もう危機も脱したのでシートベルトは外している。
「ここはもともとレイザリー軍の基地ですからね。軍用の抜け道も用意してあるんですよ」
フランシスカはなんとか事態を脱却した、とため息をつく。
「ところでこれは何処まで続いているんですか?」
「う、うーん……。えーと……確かセントラルターミナルの使われてない古倉庫に出る……と思ったけど」
フランシスカはたどたどしく言った。その感じでは本当にどこに出るのか曖昧なのだろうか。
「まぁ……いいでしょう。とりあえず武器は……」
ロゼは辺りを見渡す。
「ロゼ、あんまり見てもないと思うわよ。私もさっき見たときなかったから」
「そうですか……」フランシスカの話を聞いて、ロゼは深いため息をつく。
「ならば、仕方ありませんね」
そう言ってロゼはスカートの裾を思いっきり持ち上げた。その中にあるピンクのパンツが見えてしまうほどに。
「なにを……?」
フランシスカはその風景を怪訝に思っていたが彼女の太股にベルトで接着されていたそれを見て、息を潜めた。
小型の拳銃だった。
「どうしてそんなものを……?」
「いいからさっさと行くよ。仮にあいつらが敵国のスパイだったら捕らえられて何されるか堪ったもんじゃない。なら倒した方がマシさ」
ジャキッ、と冷たく鈍い音が潜水艦の中に響いた。
「いいかい? ここはもう平和の祭典を行う平和な場所なんかじゃない。戦場なんだ。しかも今まで水面下で巧みに動かれていた、それほどの力がある、ね」
そう言ってなぜかロゼの顔は笑っていた。
逆境を、楽しんでいたのだ。
「……行くよ」
ロゼはそう言ってもう片方の太股に装着されていた拳銃をフランシスカに投げ渡した。
フランシスカは半ば冷静に状況を判断出来なかった。
「後ろから敵がやって来ます! 急がねば……!!」
ロゼの言葉にフランシスカは驚いて窓から外を見て状況をなんとか知ろうとする。
しかし、見えるのは透き通った海だけだった。
「……やっぱり見えない!!」
「困りましたね……。敵の姿が見えるならまだ対策は打てるのですが……、このままじゃ打ちようがない!」
「じゃあ!」
「とりあえずADAでこの潜水艦は完璧に操れるのですが……、問題はどう敵を交わして元の地に戻れるか……」
「ロゼ、どいて」
フランシスカは気づくとシートベルトを外し、ロゼの方に来ていた。
「フランシスカ、なにを……!!」
「いいからどいて」フランシスカはさっきと変わらない、淡々とした口調で述べたのち、言った。
「私にいい考えがある」
†
その頃、フランシスカたちを追っていた潜水艦は困惑の色を隠せないでいた。
何故ならば。
「何故だ!! 何故あいつらは岩壁の中に潜り込むように消えていったんだ!!」潜水艦のリーダーであったアーケオス・サンタディアゴは言った。
「ふぅ……。なんとか撒いたわね……」
フランシスカとロゼを乗せた潜水艦は小さい洞窟の中を巧みに動いていた。
「まさかこんな抜け道があるとは……。なんで知っていたのですか?」
ロゼはフランシスカに尋ねる。もう危機も脱したのでシートベルトは外している。
「ここはもともとレイザリー軍の基地ですからね。軍用の抜け道も用意してあるんですよ」
フランシスカはなんとか事態を脱却した、とため息をつく。
「ところでこれは何処まで続いているんですか?」
「う、うーん……。えーと……確かセントラルターミナルの使われてない古倉庫に出る……と思ったけど」
フランシスカはたどたどしく言った。その感じでは本当にどこに出るのか曖昧なのだろうか。
「まぁ……いいでしょう。とりあえず武器は……」
ロゼは辺りを見渡す。
「ロゼ、あんまり見てもないと思うわよ。私もさっき見たときなかったから」
「そうですか……」フランシスカの話を聞いて、ロゼは深いため息をつく。
「ならば、仕方ありませんね」
そう言ってロゼはスカートの裾を思いっきり持ち上げた。その中にあるピンクのパンツが見えてしまうほどに。
「なにを……?」
フランシスカはその風景を怪訝に思っていたが彼女の太股にベルトで接着されていたそれを見て、息を潜めた。
小型の拳銃だった。
「どうしてそんなものを……?」
「いいからさっさと行くよ。仮にあいつらが敵国のスパイだったら捕らえられて何されるか堪ったもんじゃない。なら倒した方がマシさ」
ジャキッ、と冷たく鈍い音が潜水艦の中に響いた。
「いいかい? ここはもう平和の祭典を行う平和な場所なんかじゃない。戦場なんだ。しかも今まで水面下で巧みに動かれていた、それほどの力がある、ね」
そう言ってなぜかロゼの顔は笑っていた。
逆境を、楽しんでいたのだ。
「……行くよ」
ロゼはそう言ってもう片方の太股に装着されていた拳銃をフランシスカに投げ渡した。
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