FORSE
1-11
「ご心配なく。傷付けるつもりは毛頭ない故」
敵の声は予想外にも、目の前から聞こえてきた。
敵の姿はこちらからはよく見えなかったのだが、その雰囲気でロゼは感じ取る。
「……神殿協会か」
「……、」
しかし声は答えない。
「答えろ。さもなくばこのショットガンでお前の体を撃ち抜くぞ」
「……私は神殿協会枢機卿、レイシャリオ・マイクロツェフです」
「……で? その神殿協会サンが何の御用で? まさか平和の祭典に茶々入れに来たのか?」
「……半分は、合ってますね。……でも、もう半分が足りない。それを言うこともないし、その義理もない」
そう言って影はゆっくりと振り返って立ち去り、周りの影と同化していった。
「……神殿協会、か。本物でしょうねぇ」
フランシスカは先程降ってきていたナイフを一本取り出す。ナイフの雨は気付かないうちに止んでいたのだ。ちょうどレイシャリオと名乗る人間が現れたあたりから。
「……『Opgland security』……オプグランドセキュリティ社。神殿協会御用達の兵器店よ」
フランシスカは言った。そしてナイフを丁寧にハンカチでくるんでしまった。
ロゼはとりあえずフランシスカの着ていたパーカーを着ることにした。このまま行くことも十分考えたがフランシスカがそのままでは周囲の目を惹き怪しまれるという判断をしたためその結果となった。しかしそれでも彼女の下半身は傷ついているのでアングルによっては見えちゃまずいものが見えてしまう。なので彼女は今不機嫌なように取り繕ってパーカーのポケットに手を突っ込み、思い切り引っ張ってなんとかそういうものが見えるのを防いでいた。
「……もう時間も頃合いですかねぇ」
フランシスカがあくまでも自然な感じに言った。
「……、」
ロゼは何も言わずに頷く。
「とりあえず、戻らなくちゃならない。あなたは何階かしら?」
フランシスカはロゼに尋ねる。
「……僕は28階ですよ」
「じゃあ一個上じゃない! 私は27階だもの!」
「そうですか……。近いと何かと便利だから助かります」
ロゼは痛みを感じるのかすこし辛そうに笑って言った。
敵の声は予想外にも、目の前から聞こえてきた。
敵の姿はこちらからはよく見えなかったのだが、その雰囲気でロゼは感じ取る。
「……神殿協会か」
「……、」
しかし声は答えない。
「答えろ。さもなくばこのショットガンでお前の体を撃ち抜くぞ」
「……私は神殿協会枢機卿、レイシャリオ・マイクロツェフです」
「……で? その神殿協会サンが何の御用で? まさか平和の祭典に茶々入れに来たのか?」
「……半分は、合ってますね。……でも、もう半分が足りない。それを言うこともないし、その義理もない」
そう言って影はゆっくりと振り返って立ち去り、周りの影と同化していった。
「……神殿協会、か。本物でしょうねぇ」
フランシスカは先程降ってきていたナイフを一本取り出す。ナイフの雨は気付かないうちに止んでいたのだ。ちょうどレイシャリオと名乗る人間が現れたあたりから。
「……『Opgland security』……オプグランドセキュリティ社。神殿協会御用達の兵器店よ」
フランシスカは言った。そしてナイフを丁寧にハンカチでくるんでしまった。
ロゼはとりあえずフランシスカの着ていたパーカーを着ることにした。このまま行くことも十分考えたがフランシスカがそのままでは周囲の目を惹き怪しまれるという判断をしたためその結果となった。しかしそれでも彼女の下半身は傷ついているのでアングルによっては見えちゃまずいものが見えてしまう。なので彼女は今不機嫌なように取り繕ってパーカーのポケットに手を突っ込み、思い切り引っ張ってなんとかそういうものが見えるのを防いでいた。
「……もう時間も頃合いですかねぇ」
フランシスカがあくまでも自然な感じに言った。
「……、」
ロゼは何も言わずに頷く。
「とりあえず、戻らなくちゃならない。あなたは何階かしら?」
フランシスカはロゼに尋ねる。
「……僕は28階ですよ」
「じゃあ一個上じゃない! 私は27階だもの!」
「そうですか……。近いと何かと便利だから助かります」
ロゼは痛みを感じるのかすこし辛そうに笑って言った。
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