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FORSE

巫夏希

3-13

ライジャックは紐をほどいてもらい、服を着るためにシャワーを浴びた。その時に紐のささくれにより痛んだ皮膚が悲鳴をあげる。

「……っ!!」

ライジャックは指を下半身の方へと持っていく。臀部、陰部、太股、脹らふくらはぎくるぶし。全ての部位がささくれの接触による痛みと赤みをもっていた。

「……いつまで続くのやら……。組織のリーダーもいいことばかりでは……ない、な」

ライジャックは一言呟いて、鼻歌を混じらせながらシャワーで髪を洗い始めた。





シャワーを終え、バスローブを着て、空を眺めた。そこに広がっていたのはつい最近あった国の役人によるクーデターと“表向きに伝えられている”ものの残骸と復興をしてきた区々だった。

彼女は思い立ったかのように本を手に取り、よんだ。タイトルは『レイザリー正史ⅩⅩⅨ』と書かれていた。

彼女はライジャック・ポーリオ・レイザリーといい、レイザリー王国第30代国王であった。





射撃に関しては特筆するところもなく普通に終わってしまった。強いていうなら、他の人間があっという間に終わってしまったのと、フランシスカやロゼがあっという間に終えてしまったりしたので、終了が30分程早まった、というくらいか。

「あっという間に終わっちまったなぁ」

「まさかそこまで速いだなんて。ガンマンも吃驚びっくりだよ」

「……まぁ、フランシスカもロゼさんも凄腕のノータなのでしょう? ならばそこまで言うことはないんじゃ……」

二人の会話にラインスタイルが割り入ってきた。

「あれ? ラインスタイルさん、どうしたんです……?」

「……姉の付き添い」

それを言うのと同時に能天気な姉、ライズウェルトがラインスタイルの後ろから挨拶する。

「昨日は災難だったようね?」

ライズウェルトは開口一番でサリドたちの身の回りに昨日起きたことを労った。

「いやぁ……、はい。まぁ、ひどかったです」

「世間話はそこまでにして、報告を行うわ」

「世間話を始めたのはあなたですよね……?」

サリドは溜め息をつきながら、呟いた。


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