FORSE
4-2
「そういえば、食事は済ませたかしら?」
リーフガットはふとそんなことを言い出した。
「俺ら二人はさっき、ストリートの蕎麦屋で食べてきたところ。姫様とかは食べてきたのか?」
「……、」
「姫様は何か食べたの?」
「えっと、サラダに麻婆豆腐に炒飯かな。おまけにデザートの杏仁豆腐も」
「どうして姫様は俺の質問に答えずにサリドにだったら答えるんだ……? 全く訳が解らん」
「好き嫌い、ってやつ」
「じゃあ俺は嫌いってことか?! 至極素直に言うもんだなオイ!!」
「グラム、静かにしろ。ホテルの人間がうんざりそうな顔をして此方を見ている」
「うぐぐ……。弱者は口を封じられるのか……!!」
そんなことを言って、静かになったグラムだったが、なぜグラムはそうなったのか、鈍感なサリドには解り得ない事であった。
†
「……さて、とりあえずヒュロルフタームのある場所へ向かうか。フランシスカ、あの倉庫は覚えているか?」
「……あぁ、潜水艦で潜ると発見できたあの廃倉庫だな? まさか彼処にヒュロルフタームがいるとでも?」
「それは行ってからのお楽しみ♪」
リーフガットはそんなことを言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
というわけで、サリドたちは再び(といっても実際にそうと言えるのはフランシスカとロゼだけだが)オリンピアドームセントラルターミナルへと辿り着いた。
「……今頃スポンサーと観客は大慌てだろうな。大本命がいない、と喚いているのが聞こえてきそうなくらいだ」
フランシスカは地下へと潜る階段を降りながら、そんなことを言い出した。
「確かに、いきなり総合の一位、二位が居なくなったらそりゃ動揺もあるでしょ……?」
「まぁ、そんな娯楽な事は考えないでちょうだい。これから始まるのは、」
リーフガットが唐突に右に曲がり、行き止まりの壁に手を当てた。
「戦争、ってことよ」
刹那、壁がゆっくりと競り上がり、そこに入口を作り上げた。
†
明かりすらない通路を、リーフガットが持つライターと、サリドの携帯端末に内蔵されているカメラのフラッシュで進んでいくうちに、今度は鉄の扉が彼らの行く手を阻んだ。
「今度は鉄の扉が……」
「ただの鉄じゃないわよ? これは『クロムプラチナ』にオリハルコンを混ぜ込み、電気を流すことによって自由自在に硬度を変化させるんだ。純度の高いものほどではないが、十分に硬度を高めることが出来る」
そう言ってリーフガットは再び壁に手を当てた。
リーフガットはふとそんなことを言い出した。
「俺ら二人はさっき、ストリートの蕎麦屋で食べてきたところ。姫様とかは食べてきたのか?」
「……、」
「姫様は何か食べたの?」
「えっと、サラダに麻婆豆腐に炒飯かな。おまけにデザートの杏仁豆腐も」
「どうして姫様は俺の質問に答えずにサリドにだったら答えるんだ……? 全く訳が解らん」
「好き嫌い、ってやつ」
「じゃあ俺は嫌いってことか?! 至極素直に言うもんだなオイ!!」
「グラム、静かにしろ。ホテルの人間がうんざりそうな顔をして此方を見ている」
「うぐぐ……。弱者は口を封じられるのか……!!」
そんなことを言って、静かになったグラムだったが、なぜグラムはそうなったのか、鈍感なサリドには解り得ない事であった。
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「……さて、とりあえずヒュロルフタームのある場所へ向かうか。フランシスカ、あの倉庫は覚えているか?」
「……あぁ、潜水艦で潜ると発見できたあの廃倉庫だな? まさか彼処にヒュロルフタームがいるとでも?」
「それは行ってからのお楽しみ♪」
リーフガットはそんなことを言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
というわけで、サリドたちは再び(といっても実際にそうと言えるのはフランシスカとロゼだけだが)オリンピアドームセントラルターミナルへと辿り着いた。
「……今頃スポンサーと観客は大慌てだろうな。大本命がいない、と喚いているのが聞こえてきそうなくらいだ」
フランシスカは地下へと潜る階段を降りながら、そんなことを言い出した。
「確かに、いきなり総合の一位、二位が居なくなったらそりゃ動揺もあるでしょ……?」
「まぁ、そんな娯楽な事は考えないでちょうだい。これから始まるのは、」
リーフガットが唐突に右に曲がり、行き止まりの壁に手を当てた。
「戦争、ってことよ」
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そう言ってリーフガットは再び壁に手を当てた。
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