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FORSE

巫夏希

4-8

その頃、リーフガット。

彼女たちは、予兆のない攻撃を受けていた。

魔法。

それは科学では説明することの出来ない未知なる力。

魔法。

それはかつての旧時代、限られた人間が使うことが出来たとされる、禁じられた力。

それが、今彼女の目の前で起きている。

それは彼女にとって理解しがたいことでもあった。

「リリーにフランシスカは無事にヒュロルフタームに乗って発進した!?」

「なんとか大丈夫! ……にしてもまさか本陣を直接狙ってくるなんて……!!」

ライズウェルトは苦々しそうに呟いた。

「……やり過ぎちゃったかな?」

そこにはサリドの予想通りフィレイオがいた。

炎のような紅い髪をもつ少年。

リーフガットはそれだけを見ただけであるのに、憎悪さえ感じた。

「……見とれちゃいました?」

フィレイオが笑いを交えて言った台詞に、リーフガットはのせられてしまい、

「……!!」

命取りとなる緊張の感情を一瞬ながらも解除してしまい、

「……ヒトは何でも、遅い」

フィレイオに呟く隙を与えた上に、

「少し、黙ってていただきますよ?」

また、同じように悪戯を含んだ笑みで、彼女の鳩尾を的確に突いた。

「……う、ぐ……!!」

彼女は苦しそうな顔をして、静かに倒れていった。

「……貴様、何を?」

「何を? と言われても困るんだけどね。別に僕は魔術を用いていないし、ただ普通に人間としての急所を突いて気を失わせただけ。それの、どこに責められるポイントがあるというんだ?」

「……待って?」

ここでライズウェルトはとある事に気付いた。

「……まさか、独りでここまで?」

ライズウェルトが呻いたにも似た声を出し、言った。

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