FORSE
11
「αパルスがコンマ72秒早いな。ライラ。βパルスに合わせてくれ」
『りょーかい』
ガンテがマイクを通してライラに指示を送る。それをサリドはただ見つめることしか出来なかった。
「……この進行波、赤と青がありますよね? これは一体……?」
「赤が、ノータの脳波を示すαパルス。青は……そうだな。ヒュロルフタームの“鼓動”を示すβパルス、と呼んだ方がいいかな? んで、これらは仮に噛み合わない……例えば山と谷が逆さになってしまえば、これを重ねてできる波はどうなる?」
「プラマイゼロになりますね」
「そういうことだ。つまりは、αパルスとβパルスの位相誤差をコンマ05秒以内でなければ完璧なシンクロ……ヒュロルフタームの力を最大限引き出すことは出来ないってわけだ。……おっと、ライラ、後少しだ。コンマ41秒だからそれを目安にずらすんだ」
「……でも、そんな簡単に脳波を操ることなんて、出来るんですか?」
「無論、訓練は必要さ。だが、それでも出来ない人間が多いからな。正直な話ノータはそう簡単になれるわけはない。まっ、天才だけが世界を救うヒーローになれるわけだ。ライラ、それでいいぞ」
ガンテはモニター――そこには脳波とヒュロルフタームの鼓動のパルス波が描かれている――を見て、マイクに向かって言った。
「ライラ、居心地はどうだ?」
『結構いいわよ。もしかしてこれってLSSの最新型? 結構酸素が取り込みやすくなったような……』
「君には敵わんな。あぁ、そうだ。今日の整備で他のヒュロルフタームにも最新型LSSを注入しようと思っていてね。君がそれの一番乗り、ってわけだ」
「最新型LSS……ですか。従来のやつとはどう違うんですか?」
サリドがガンテに尋ねる。
「生命のスープ、って聞いたことあるか?」
「えぇ。……かつての海は栄養が沢山含まれていたんでしたっけ? だけど何故か今や痩せ細った栄養しか含まれてなくて、生き物がもう殆どいないんでしたよね」
「あぁ……。そしてLSSはその生命のスープに限りなく近い構成元素で成り立っている」
「……ってことは、古代の海と限りなく同じ、ってことですか?」
「あぁ。そして研究を進めていて、さらにその誤差は減りつつあるらしい。……つまりは、海を生命の母として復活させる時もそう遠い未来ではない、ってことになり得る」
『……ガンテさん。私はこれから何すりゃいいの?』
「……そうだな。狙撃とかはダミーを用いてやらせたからな……。一先ずは疲れたろう? とりあえず休んだらどうだ?」
ガンテの指示に従い、ライラはコックピットからLSSの排水を開始した。
『りょーかい』
ガンテがマイクを通してライラに指示を送る。それをサリドはただ見つめることしか出来なかった。
「……この進行波、赤と青がありますよね? これは一体……?」
「赤が、ノータの脳波を示すαパルス。青は……そうだな。ヒュロルフタームの“鼓動”を示すβパルス、と呼んだ方がいいかな? んで、これらは仮に噛み合わない……例えば山と谷が逆さになってしまえば、これを重ねてできる波はどうなる?」
「プラマイゼロになりますね」
「そういうことだ。つまりは、αパルスとβパルスの位相誤差をコンマ05秒以内でなければ完璧なシンクロ……ヒュロルフタームの力を最大限引き出すことは出来ないってわけだ。……おっと、ライラ、後少しだ。コンマ41秒だからそれを目安にずらすんだ」
「……でも、そんな簡単に脳波を操ることなんて、出来るんですか?」
「無論、訓練は必要さ。だが、それでも出来ない人間が多いからな。正直な話ノータはそう簡単になれるわけはない。まっ、天才だけが世界を救うヒーローになれるわけだ。ライラ、それでいいぞ」
ガンテはモニター――そこには脳波とヒュロルフタームの鼓動のパルス波が描かれている――を見て、マイクに向かって言った。
「ライラ、居心地はどうだ?」
『結構いいわよ。もしかしてこれってLSSの最新型? 結構酸素が取り込みやすくなったような……』
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