FORSE
38
その頃、サリドたちは破壊されたヒュロルフタームルビンを眺めていた。
「これが……末路か……」
そう言ってサリドは目を瞑った。
「おいサリド、お前の端末にまたVMが来てるみたいだぞ?」
隣にいたグラムがそんなことを言ったのはそのあと直ぐのことだった。
「グラム、君はなんなんだ? このムードをぶち壊してまで言うことか?」
「お前のVM着信メロディがよっぽどムードをぶち壊していると思うんだが……」
「ま、いいや」サリドは携帯端末を稼働させ、「誰からだろう? ってリーフガットさんか。なんだろう? 仕事か? また」
「それはないだろいくらなんだって。……と思ったがプログライトの例が既にあったんだな」
グラムの言葉は適当に受け流し、サリドは端末が受信したVMを見た。
「……なんだって?」
しかし、サリドはそれを見て、思わず目を疑った。
「どうした、サリド。そんなに慌てて? ……エイプリルフールのネタでもきたか?」
「グラム。エイプリルフールはまだ大分先だぞ。……それに、そんな笑っていられることじゃないよ」
VMはリーフガットからだった。それは確かな事実だった。
そこにはレイザリー城が陥落したことが記されていた。
「おいおい……、ちょっと待てよ。それは冗談がきついぜ」
「リーフガットさんが冗談を言うとは到底思えないし……、たぶん本当なんだろうよ。にしても、どうして誰も反応しないんだ? 首都が陥落したなんて重大なこと、知らない訳がないだろ?」
「……どうやら、頭角を現してきたようだな?」
「どういうことだ? サリド。まるで、神殿協会とレイザリーがグルみたいなことを……」
「あ~、やっぱそうだったか。どうりで怪しいと思った」
サリドとグラムの背後から声が聞こえ、振り返った。そこにいたのは、フランシスカだった。
「フランシスカ。どうしてここに……?」
「あぁ。別に盗み聞きしようって思ってきたわけじゃないから。新入りに花でも手向けようと思ってね。そしてたあんたらが先客で来てたもんだから。まぁ、別に悪く思うなよ」
フランシスカが言ったとおり、彼女の右手には幾本かのヒマワリが握られていた。
「んで……、それを聞いてどうする? ヒュロルフタームが三台あれば倒せるかもしれないが……」
「それはつまり、私に共闘しろっての?」フランシスカはしたたかに、「勘違いしないでよね。私はあの新入りのためにやるだけなんだから」
「だが、君は唯一ヒュロルフターム・プロジェクトに限りなく近い人間だ。それくらい解っているだろう?」
「解っている!! ……だが、どうすればいいんだ……」
「潰すしかない」サリドは振り返り、フランシスカの方を向き、「ヒュロルフターム、そしてメタモルフォーズの総てを、ね」
「これが……末路か……」
そう言ってサリドは目を瞑った。
「おいサリド、お前の端末にまたVMが来てるみたいだぞ?」
隣にいたグラムがそんなことを言ったのはそのあと直ぐのことだった。
「グラム、君はなんなんだ? このムードをぶち壊してまで言うことか?」
「お前のVM着信メロディがよっぽどムードをぶち壊していると思うんだが……」
「ま、いいや」サリドは携帯端末を稼働させ、「誰からだろう? ってリーフガットさんか。なんだろう? 仕事か? また」
「それはないだろいくらなんだって。……と思ったがプログライトの例が既にあったんだな」
グラムの言葉は適当に受け流し、サリドは端末が受信したVMを見た。
「……なんだって?」
しかし、サリドはそれを見て、思わず目を疑った。
「どうした、サリド。そんなに慌てて? ……エイプリルフールのネタでもきたか?」
「グラム。エイプリルフールはまだ大分先だぞ。……それに、そんな笑っていられることじゃないよ」
VMはリーフガットからだった。それは確かな事実だった。
そこにはレイザリー城が陥落したことが記されていた。
「おいおい……、ちょっと待てよ。それは冗談がきついぜ」
「リーフガットさんが冗談を言うとは到底思えないし……、たぶん本当なんだろうよ。にしても、どうして誰も反応しないんだ? 首都が陥落したなんて重大なこと、知らない訳がないだろ?」
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「あ~、やっぱそうだったか。どうりで怪しいと思った」
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「フランシスカ。どうしてここに……?」
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フランシスカが言ったとおり、彼女の右手には幾本かのヒマワリが握られていた。
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