FORSE

巫夏希

15

「作戦会議をたてよう」サリドが開口一番に言ったことは至極当たり前のことであった。


「……女の子に諭された結果が作戦会議か? おまえの頭は何だ。見せかけなのか。そんなに大きい頭には何にも入っていないのか。私が味噌でもつっこんでやろうか。ジャパニアは味噌が名産ならしいからな」


「いや、遠慮しておくよ。味噌を入れたら僕の頭を焼けばいい色になって美味しくなってしまいそうだ」


「あぁ。それをねらっているんだが?」「つまり僕は非常食ってことか」


フランシスカとサリドが火花をちらしていると、「あ、あのー。っ、さっさと始めようぜ。時間の無駄だ」グラムが横やりを入れてきた。


「ふぅ。よかった。助かったよ。初めて君を尊敬できた」


「そうか。裏を返せば今までは侮蔑していた、ってことなんだな?」


「ってなことで、アイツをどうする?」サリドは再びスルースキルを発動して、「……出来れば人間を使わない戦いを望みたいんだけど」


「それはつまりノータである私たちに戦えってのかー。この意気地なしー」


「いや、だっておまえ等もともと戦う任務あるじゃん!! ヒュロルフタームが戦争の代名詞なんだから、この場合もヒュロルフタームが解決するのが建前でしょ!!」


「そこは代名詞とかなんとかをぶちこわして人間が戦っちゃおうよ」


「それじゃ今までと同じ!! 俺ら死んじゃう!!」今度はグラムが反論してきた。


――つまり、意見は『人間』を用いるか、『ヒュロルフターム』を用いるかの真っ二つに分かれてしまっていた。


「まぁ、とりあえず俺が考えた作戦を言うとだな」サリドは唐突に言い出して、「まずは俺らが陽動として手榴弾でもなんでもぶっ放して、逃げまくる。その隙を狙ってヒュロルフタームを起動させて、それでやっと対等に戦える、って感じだな。ありがちなやつだけど、それでどうかな?」


「異論なし」とフランシスカ。


「問題ない」と小さく呟くリリー。


「まぁ、しゃーないか」と小さく頭を掻きながらグラム。


「よし、じゃあそういうことでっ」サリドは手を掲げ、「作戦を、始めよう!!」

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