FORSE

巫夏希

16

刹那、サリドとグラムはオリジナルフォーズに向かって走り出した。それと対にフランシスカとリリーはヒュロルフタームの起動の為に砂浜へと駆けだした。


「おい、こっち向けよでくの坊!!」


そう言ってグラムは力一杯込めて手榴弾を投げ込んだ。


それはオリジナルフォーズの背中に激突し、爆発を起こした。


だが、


「おい!! 何も反応しねーぞ!!」


「こいつはまずいな……。俺たちの最強装備が反応しないなんて……」


「まぁ、この世界で手榴弾が最強装備ってあり得ないんだけどね。インド象に爪楊枝で挑むくらい愚問だよね」


「おい、じゃあなんでおまえ止めなかった」


「おもしろかったから」


「こいつひでえ! 外道だ! お巡りさん! 外道がここにいます!」


「お巡りさんなんてこの世界にはほぼ通用しないと想うけど?」


サリドはもう笑うことしかしなかった。








そのころ、リリー。


「あの二人、大丈夫かな」


「ダメだったらしゃーない。ヒュロルフタームで全滅させるしかないでしょー」


心配するリリーを余所にフランシスカは、適当な調子であしらった。


「別にあいつらにはそんな感情抱いてないしねぇ。あいつらがいつ死んだって私はいいのよ。だって、戦場に幾人間はいつか死ぬじゃない? だから、死んでもしかたないのよ。保険なんてないし、残機も1個だけ。今生きているこの身体だけよ。平和で暮らしたい、死にたくないなら戦場にくるんじゃない。むしろきてほしくないし、そんなの使えない。くず以下だ。ゴミや犬のほうがまだ使える」


「あなた、それだから友達も恋人も出来ないんじゃなくて?」


「余計なお世話よ」


そう言って、二人はヒュロルフタームにそれぞれ乗り込んだ。

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