FORSE

巫夏希

22

その頃、リーフガット。

「……、やぁ。ネフィルティティ」

「やぁ、リーフガット。その皮肉な感じは相変わらずだな……?」

リーフガットの目の前に立っていたのは、

リーフガットにそっくりな、人間だった。


「相変わらず着飾らない女だなぁ、お前は。もう三十路だろ? もう少し色気を纏えよ。でないと本家から帰還命令を出されちまうぜ?」

ネフィルティティと呼ばれた人間(しかしどう見てもそれはリーフガットの姿であったのだが)は憂鬱そうにリーフガットを見た。

「……ならその女の物真似をしているお前も同じことになるんだな?」

リーフガットは皮肉混じりにせせら笑った。

「ワタシ? 私はほら、ちゃんと色気纏ってるし? あんたみたいな格好してるのもあんたが来ると解ってたからしたことだし。……で? 用件は何だ?」

「話が早くて助かる。単刀直入に言う」

リーフガットはそのまま、ネフィルティティに顔を近づけ、言った。

「……神殿協会の目的はなんだ?」

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