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FORSE

巫夏希

27

そのころ。

「遅かったじゃない!!」

集合場所にフランシスカたちとサリドたちが合流していた。

「いやぁ、悪い。悪い」サリドは駆け出して、笑う。

「で? 待たせたならそれほどの情報を掴んだんでしょうね?」

フランシスカは冷たく、突き放すように言った。

「ああ、勿論さ」そう言ってサリドは先ほど修一から聞いたことについて話した。

「……なるほどね。それならあれはこの世界を滅ぼそうとしている、と」

「ああ。たぶんそうだと思う」

サリドはフランシスカに話をして、ひとつ溜息をついた。

「どうしたのかしら?」

「ああ、いや、これで終わると思ったら気が……」

「そうね……。確かにそうなっちゃう気持ち、解らなくはないわ」フランシスカは笑う。「でも、まだこれからよ! 戦いが終わったらバカンスなり何なりすればいいじゃない!!」

「……、」サリドはずっとフランシスカの顔を見て、その照れを隠そうとして、顔を沈め、「……これ、あげようと思ってさ」

サリドが差し出したのは二、三本の鼻。桃色の、小さな花だった。

「……これは、アネモネ?」

フランシスカが呟き、サリドはゆっくりと頷く。

「アネモネの花言葉……」それを思い出そうとしてフランシスカは気付く。

刹那、フランシスカは顔を顰めてヒュロルフタームへと歩いていった。

だが、花を手放すことはなかった。

後を追ってロゼ、ウィンド、リリーの三人もそれぞれのヒュロルフタームに乗り込んだ。

「あの馬鹿、何が言いたいんだか……。『薄れ行く希望』だと?! 馬鹿も休み休みにしてほしいよ……」

フランシスカはひとり、ヒュロルフタームのコックピットで愚痴を言っていた。

『ちょっといいかな。フランシスカ。最終的な作戦を立てようと思ってだね』

突然通信が入った。その主は――ロゼだった。

「えぇ、いいわよ」フランシスカは了承する。

『ありがとう。では簡単に説明しよう。ウィンドもリリーもよく聞いてくれ……』

そう言ってロゼによる作戦の説明が開始された。

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