住み込み就職 お仕事時々お遊び

わいず

あの日の注意と警告

あぁ……今日は清々しいですねぇ。
そんな気分のまま、時間が経って現在午後9時、いやぁ早いですねぇ、時間がたつのは。

はい、今私は恵さんの部屋にいます。
いやぁ、この部屋は可愛い小物がいっぱいですね。
ベットの側に置いてある熊の縫いぐるみなんか、可愛すぎです!
まさに、The女の子の部屋って感じです。

……さて、こんな感じに部屋の内装を語った所で、そろそろ此処に来ている理由をいいましょうか。
その理由は、以前から計画してた街の案内をいつするかを決める為です。

「はふぅ……ふふふふ」
「どったの胡桃さん? 急に笑ったりして」
「えへへ、ちょっと嬉しい事がありましてね」

でも、今はその事を話してません。
……ふふふ、お陰で長門さんや止さんがきちんと仕事してなくても、穏やかな気持ちで仕事を続けられましたよ。

でもその2人には「なんか気持ち悪い。逆に怖い」て言われちゃったんですよね。
別に怖くないのに……変な人達ですね。

「ふぅん……だから仕事中、ずっとニコニコだったんだ」
「そうなんですよ、うふふぅ……。暫くはニコニコしそうです」
「あはは、なにそれ……変なの」

けらけら笑う恵さんは、私が持ってきたクッキーを1つ手に取り口にいれます。
それをもぐもぐして、ごくんと飲み込んだ後、にやりと笑ってきます。

「で、何がそんなに嬉しいの? 彼氏でも出来た?」
「違いますよぉ、私にとってはそれ以上に嬉しい事です」

もうそれが楽しみで楽しみで仕方ないです! その日が近づくにつれ、世界が輝いて見えますよ。

「へぇ、そうなんだ」

じぃっと見てくる恵さん、ふふふ……どうやら、何が楽しみなのか気になってるみたいですね。
そんな感じがします!

「ねぇ、街案内の話ししなきゃなんだけどさ……」
「はい」

申し訳なさそうに聞いてきます、きっと恵さんが次に言う台詞は「何がそんなに楽しみなの?」です!

「何がそんなに楽しみなの?」

ほら、当たった。

「え、なっなに? なんで急に笑うの?」
「あ、すいません……予想が当たったのでつい」
「よっ予想?」
「あ、気にしないでください」

頭に ? を浮かべる恵さん、私の言葉はあまり気にしないでくださいね。

「で、何が楽しみなのか、聞きたいんですよね?」
「あ、うん」

では話してあげましょう。
むんっ、と胸を張って言ってあげましょうっ!

「なんとっ、バレンタインデーの為にチョコの試食をするみたいなんですよ!」

うへへぇ、口に出して言うと更にニヤニヤが止まりませ……あれ?

「けっ恵さん? どうしたんです? 急に渋い顔になりましたけど……」
「………」

え、あれ、あれれ? なっなんか、顔を手で押さえてため息つきましたよ?
あっあれぇ? 可笑しいですねぇ……恵さんも喜ぶと思ったんですが……なんか険しい顔してますね。

「けっ恵さん?」
「あのね胡桃さん、その日は……覚悟しといた方が良いよ?」
「へ?」

何処か遠い目をする恵さん、すぅっと立ち上がり天井を見上げました。

「あの日、私……ううん、私達は……地獄を見た」
「あっあの……恵さん?」

いっいきなり何を言うんです? 何か怖いですよ?
急に何かを悟りましたか? そう言う風に聞こえちゃってますけど……大丈夫ですか?

「胡桃さん、今日はもういいかな? あの日を思い出して……辛くなったの」
「えぇっ!? つっ辛くですか? いっ一体何を」
「ごめん……もう、思い出させないで」

えぇ…………。
なんか、涙ぐみましたよ? チョコを食べるんですよ? なっなんでそんなに辛そうなんですか?

「ごめんね……ほんと、ごめん……今日はもう、寝たい気分なの」
「えっえと……はっはい。わかり……ました」

何か良く分かりませんけど……帰った方が良さそうですね。
あ、そう言えば恵さんは

その日に何かあったんですかね?
……そっそう思ったらなんか怖くなってきました。
だっ大丈夫ですね? チョコを沢山食べれる幸せな日なんですよね? まさか、違うんですか?

なっなんか不安になってきましたよ……。
そんな不安を抱えながら、部屋に戻るのでした。

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