住み込み就職 お仕事時々お遊び
あの日が近い
「胡桃」
「なんですか、長門さん」
とある日、そこそこお客様が来ている時間。
突然長門さんが品だし作業をしながら話し掛けてきました。
今私はその手伝いをしてたんですが……話し掛けられたので1度手を止めます。
あ、因みに七瀬さんと、止さんはレジにいます。
因みに、恵さんは学校に行ってていません。
で……長門さんは何を話すつもりですかね? また恋愛漫画がどうとかの話ですかね? そうだとしたら無視してやりましょう。
「そろそろあの日が近いな」
……うっうん、えと……え? なんです突然、その返答に困る問いかけは。
「……えと、すみません。何の日の事ですか?」
「ん? なんだ、胡桃の事だろうから察しが付くと思ったが……ダメか」
「ダメです。きちんと説明してください」
それで察した人はエスパーかなにかですよ。
そのままじゃ、さっぱり話題が掴めません……と言うか、今は仕事中ですから口より手を動かして下さいよ。
「そうか、ならハッキリと言おう」
「はい、そうして下さい」
そう言いながらも作業する私、それを見てた長門さんも作業し始めました。
まったく、今から話す事は仕事中にしなきゃいけない事なんですか?
本当に真面目に仕事をしない人ですねぇ……今日は止さんが珍しくきちんと仕事をしてるのに……まぁ、今の所はですけど。
「つまりだな、何が近いかと言うと……」
コトッ……コトッ……。
器用に商品を並べていく長門さん、私も同じ様に並べていきます。
ただし、話を聞くために若干長門さんの方に耳を傾けてます。
「バレンタインデーが近いと言う事だ」
……コトンッ。
それを聞いて、手に持っていた商品を落とす。
バレン……タインデー……なるほど、長門さんはそれを言いたかったんですか。
「ん、もしかして……気が付かなかったのか? 甘党のお前なら喜ぶ日だと思ったんだが……」
勿論、言われなくとも知ってましたよ、えぇ知ってますとも。
バレンタインデー、それは女性が男性にチョコを渡す日。
と言うのは建前で、チョコレート会社が、頑張ってチョコを皆に買ってもらう日……とも言われてます。
まぁ要するに、チョコが沢山食べれる日ですね。
ややこしい話しは抜きにして、それさえ分かれば良いんですよ。
大切なのはチョコですチョコ、色恋? そんなもん、甘いものを前にしたら要らない飾りです。
改めて言いますけど、大切なのはチョコなんです!
「……胡桃? どうした、動きが止まってるぞ?」
ふふ、ふふふふ……今年もその日がやってくるんですね。
楽しみで仕方ありませんよ、年に1度、色んなチョコが集まる日ですからね……食べ尽くしてやりますよっ。
と言うかチョコレートだけに限らず、バレンタインデーは甘い物が集まる祭典。
甘党の人だったら、高ぶらずにはいられない日……かく言う私は昂りまくってますよ!
その日の為に私は、甘い物を食べずに我慢してるんです! だって、そうした方が甘さを楽しめますからねっ!
「おーい、胡桃? どっどうした? 何ニヤけてるんだ?」
ゆさゆさ……。
っ! びっくりした、長門さんが私を揺らしてきました。
「なっなんですか」
「いや、なんですかじゃない。急にニヤけるな、怖いだろう」
え、ニヤける? 私、ニヤけてました?
「えっえと……すいません」
「うむ、まぁあれだ。楽しみなのは伝わった。」
「そっそうですか」
うんうんと頷く長門さん。
えと、バレンタインデーが近いなぁって話してましたけど……何か話したかったんですかね?
「えと、長門さん? バレンタインデーがどうかしたんですか?」
「ん、あぁ……そうだ、忘れてた」
思い出したかの様に、ぽんっと手を叩く長門さん。
「胡桃はここに来て知らないからな。教えて置こうと思ったんだ」
「へ?」
ふふっ……。
そんな感じで笑ってくる長門さん、あっ……この感じ、何か面倒臭い事を言われそうな気がしますね。
「ん? どうした、なんか嫌な顔をしているが……」
「いえ、してません、大丈夫です。気にしないで下さい」
「そうか、ならば気にしないでおこう」
いけない、顔に出ちゃってましたね、顔に出さない様に聞いて起きましょうか。
「えとな、さっきも話したが……バレンタインデーが近いだろ?」
「はい、近いですね」
私はその日が楽しみで仕方ありません。
「でだな。毎年その日はチョコレートを重点的に売り出す日にしてるんだ」
「っ!? それっ、素晴らしいですね!」
おっ驚きました、長門さんはなんて素晴らしい事を思い付くんでしょう!
面倒臭い話をすると思ってすみません!
とか思いながら、鼻息をふんすーと吹き出す。
それを見て長門さんが若干引きました、いっいけない、気持ちを落ち着けましょう。
「でっでだな、その日の2日前に……我々がそのチョコレートを厳選する為に試食をしてほし……」
「分かりました! その日は気合い入れてやらせて頂きます!」
がしぃっ!
勢い良く長門さんの両肩を掴む私。
あぁ……さいっこうですねぇ、チョコレートの試食? えぇ、喜んでやりますよ!
「えっ、ちょっ! 胡桃! 痛いっ、肩がっ! 肩がぁぁぁっ、潰れるぅぅぅぅっ!」
ぎりりぃっ……。
長門さんの肩から鈍い音が聞こえますが、今の私には、そんなの関係ありません。
嬉しさで、そんな音なんて気にしてられません!
そうですか、チョコレートの試食ですかぁ、今から楽しみで仕方ないですねぇ……。 
「いぎゃぁぁぁっ、かっ肩っ! 肩がぁぁぁっ!!」
べしんっべしんっ、と長門さんが私の背中を叩いて来ます。
そうですか、長門さんも楽しみなんですね? そりゃそうです、甘い物は女性の味方ですからね。
チョコレートの試食、それを聞いたら、何時もより倍頑張れますよ! よぉぉしっ、頑張りますよぉぉぉぉっ!!
心の中で鼓舞をあげる私、長門さんも「ぎゃぁぁぁぁっ!!」と鼓舞をあげてます。
長門さん、珍しく気合い入ってますね。
そんな事を感じた今日のこの時間……この後私は上機嫌で仕事が出来たのでした。
「なんですか、長門さん」
とある日、そこそこお客様が来ている時間。
突然長門さんが品だし作業をしながら話し掛けてきました。
今私はその手伝いをしてたんですが……話し掛けられたので1度手を止めます。
あ、因みに七瀬さんと、止さんはレジにいます。
因みに、恵さんは学校に行ってていません。
で……長門さんは何を話すつもりですかね? また恋愛漫画がどうとかの話ですかね? そうだとしたら無視してやりましょう。
「そろそろあの日が近いな」
……うっうん、えと……え? なんです突然、その返答に困る問いかけは。
「……えと、すみません。何の日の事ですか?」
「ん? なんだ、胡桃の事だろうから察しが付くと思ったが……ダメか」
「ダメです。きちんと説明してください」
それで察した人はエスパーかなにかですよ。
そのままじゃ、さっぱり話題が掴めません……と言うか、今は仕事中ですから口より手を動かして下さいよ。
「そうか、ならハッキリと言おう」
「はい、そうして下さい」
そう言いながらも作業する私、それを見てた長門さんも作業し始めました。
まったく、今から話す事は仕事中にしなきゃいけない事なんですか?
本当に真面目に仕事をしない人ですねぇ……今日は止さんが珍しくきちんと仕事をしてるのに……まぁ、今の所はですけど。
「つまりだな、何が近いかと言うと……」
コトッ……コトッ……。
器用に商品を並べていく長門さん、私も同じ様に並べていきます。
ただし、話を聞くために若干長門さんの方に耳を傾けてます。
「バレンタインデーが近いと言う事だ」
……コトンッ。
それを聞いて、手に持っていた商品を落とす。
バレン……タインデー……なるほど、長門さんはそれを言いたかったんですか。
「ん、もしかして……気が付かなかったのか? 甘党のお前なら喜ぶ日だと思ったんだが……」
勿論、言われなくとも知ってましたよ、えぇ知ってますとも。
バレンタインデー、それは女性が男性にチョコを渡す日。
と言うのは建前で、チョコレート会社が、頑張ってチョコを皆に買ってもらう日……とも言われてます。
まぁ要するに、チョコが沢山食べれる日ですね。
ややこしい話しは抜きにして、それさえ分かれば良いんですよ。
大切なのはチョコですチョコ、色恋? そんなもん、甘いものを前にしたら要らない飾りです。
改めて言いますけど、大切なのはチョコなんです!
「……胡桃? どうした、動きが止まってるぞ?」
ふふ、ふふふふ……今年もその日がやってくるんですね。
楽しみで仕方ありませんよ、年に1度、色んなチョコが集まる日ですからね……食べ尽くしてやりますよっ。
と言うかチョコレートだけに限らず、バレンタインデーは甘い物が集まる祭典。
甘党の人だったら、高ぶらずにはいられない日……かく言う私は昂りまくってますよ!
その日の為に私は、甘い物を食べずに我慢してるんです! だって、そうした方が甘さを楽しめますからねっ!
「おーい、胡桃? どっどうした? 何ニヤけてるんだ?」
ゆさゆさ……。
っ! びっくりした、長門さんが私を揺らしてきました。
「なっなんですか」
「いや、なんですかじゃない。急にニヤけるな、怖いだろう」
え、ニヤける? 私、ニヤけてました?
「えっえと……すいません」
「うむ、まぁあれだ。楽しみなのは伝わった。」
「そっそうですか」
うんうんと頷く長門さん。
えと、バレンタインデーが近いなぁって話してましたけど……何か話したかったんですかね?
「えと、長門さん? バレンタインデーがどうかしたんですか?」
「ん、あぁ……そうだ、忘れてた」
思い出したかの様に、ぽんっと手を叩く長門さん。
「胡桃はここに来て知らないからな。教えて置こうと思ったんだ」
「へ?」
ふふっ……。
そんな感じで笑ってくる長門さん、あっ……この感じ、何か面倒臭い事を言われそうな気がしますね。
「ん? どうした、なんか嫌な顔をしているが……」
「いえ、してません、大丈夫です。気にしないで下さい」
「そうか、ならば気にしないでおこう」
いけない、顔に出ちゃってましたね、顔に出さない様に聞いて起きましょうか。
「えとな、さっきも話したが……バレンタインデーが近いだろ?」
「はい、近いですね」
私はその日が楽しみで仕方ありません。
「でだな。毎年その日はチョコレートを重点的に売り出す日にしてるんだ」
「っ!? それっ、素晴らしいですね!」
おっ驚きました、長門さんはなんて素晴らしい事を思い付くんでしょう!
面倒臭い話をすると思ってすみません!
とか思いながら、鼻息をふんすーと吹き出す。
それを見て長門さんが若干引きました、いっいけない、気持ちを落ち着けましょう。
「でっでだな、その日の2日前に……我々がそのチョコレートを厳選する為に試食をしてほし……」
「分かりました! その日は気合い入れてやらせて頂きます!」
がしぃっ!
勢い良く長門さんの両肩を掴む私。
あぁ……さいっこうですねぇ、チョコレートの試食? えぇ、喜んでやりますよ!
「えっ、ちょっ! 胡桃! 痛いっ、肩がっ! 肩がぁぁぁっ、潰れるぅぅぅぅっ!」
ぎりりぃっ……。
長門さんの肩から鈍い音が聞こえますが、今の私には、そんなの関係ありません。
嬉しさで、そんな音なんて気にしてられません!
そうですか、チョコレートの試食ですかぁ、今から楽しみで仕方ないですねぇ……。 
「いぎゃぁぁぁっ、かっ肩っ! 肩がぁぁぁっ!!」
べしんっべしんっ、と長門さんが私の背中を叩いて来ます。
そうですか、長門さんも楽しみなんですね? そりゃそうです、甘い物は女性の味方ですからね。
チョコレートの試食、それを聞いたら、何時もより倍頑張れますよ! よぉぉしっ、頑張りますよぉぉぉぉっ!!
心の中で鼓舞をあげる私、長門さんも「ぎゃぁぁぁぁっ!!」と鼓舞をあげてます。
長門さん、珍しく気合い入ってますね。
そんな事を感じた今日のこの時間……この後私は上機嫌で仕事が出来たのでした。
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