住み込み就職 お仕事時々お遊び
スッキリする為の日課 長門side
時刻は5時、普段なら寝ているこの時間、意味は分からないが目が冴えてしまった。
………眠たい、超眠たい、こんな時は起きたくない。
そんな事、皆は思った事はないだろうか? おはよう、今日も元気な長門だ。
さて、朝に弱い私は……現在ふわふわの暖かい布団の中でごろごろしてる。
しかも、この寝心地の良いベットのせいで私は起きれそうに無い。
と言うか、今日は日曜日。
私の店は、土日祝日は店を閉める……だから寝てしまっても良いだろう。
だから寝る、私は悪くない。
悪いのはベットだ、ベットが私を離さない……つまる所、ベットが私の彼氏と言っても過言では……いや、過言か、今の話しは忘れてくれ。
「んっ……うぁぁ?」
と、色々思いつつ、布団から顔を出してみる。
まだ薄暗い……うぅぅ、朝早くに目が覚める物じゃないな、眠たくて仕方がない。
それに、布団から出ると寒い……だから余計に眠く感じる。
こんな朝早くから起きる人は尊敬に値するな……私にはとても不可能だ。
朝弱いし、眠たいし、それと……最近色々あって疲れたんだ。
胡桃が来ただろ? 止がバイト復帰した事、他にも色々あったが割愛させてもらおう。
だって、説明するの面倒だもの。
「うっうぅ……しゃむいぃ」
がばぁっ……。
寒さで耳たぶが痛い、だから布団をかぶる。
今日は1日、ずっとこうしてようか? いや……それはよそう。
折角の休みに、寝て過ごしたら謎の罪悪感が身に襲いかかるからな……。
朝は起きよう、日曜の朝アニメを見たい人は尚更だ。
まぁ、私はそれに興味がないから良いんだが……起きないとダメだ。
いや、まて……今は5時だ。
まだ起きなくても良いじゃないか。
ふふっ……どうやら寝惚けて思考が停止してた様だな。
ならば気兼ね無く寝てしまおう。
それで寝入ってしまったとしても、胡桃か七瀬か恵が起こしに来てくれるだろう。
この3人は真面目だからなぁ、いやぁ……良い従業員を雇って正解だな、はっはっはっ。
ん? 止か? あいつはあれだ……昨日徹夜でゲームしてただろうから、今は爆睡中だ、だから期待してはいけない。
「……くかぁ」
なんて事を考えてリラックス。
このまま、微睡みに抗うことなく、永遠の睡魔に囚われてしまおう……。
と、その時だ。
私の脳内に閃光が走った!
その瞬間、がばぁっ! とベットから飛び起き、ある場所へ掛けて行く。
あ、因みに部屋からは出ていない。
ある場所とは、私の部屋の中にあるんだ。
その場所は、皆の部屋にも備わってる……その場所とは、風呂場だ!
「ふははは……。天才的閃きだな、これで快適な眠りが出来る」
不適に笑いつつ、服を脱ぐ。
ふふふっ、突然の閃きとはいえ、これを思い付いた私は天才だな。
今から寝る為に、1度身も心もスッキリしてしまおう! 
と言う事でシャワーを浴びてスッキリした後、二度寝するのを考え付くとはな……。
ふふふっ、これで気分良く二度寝が出来ると言う物だ。
私は天才だなっ、はっはっはっ!
ふふふふっ、こんな事を考えるのは私くらいじゃないか?
「ふふふっ、後で胡桃達にも教えてやろう……へくちっ」
自分の天才ぶりに、にやにやしてたら、くしゃみをしてしまった。
だって今裸だもん、サムクテ仕方ない……。
パパっ、と脱いでしまってシャワーを浴びてしまおう。
そして、再び寝よう!
と、その前に……私はお腹を触ってみる。
むにんっ、むにんっ……。
心なしか肉付きが……その……ふっ増えた気がする。
いっいや、気のせいだ。
そんな事はない! 早く浴びよう、寒くて敵わん。
「ふんっふんっふぅぅん……」
肉付きがほにゃらら、と言う考えを吹き飛ばす様に鼻歌を歌いながら下着を脱いだ後、上機嫌に浴槽への扉を開く。
そこには何度も目にしてる光景が目に映る。
白い浴槽、シャワーノズル、少し広い心安らぐ空間……ここで今から私はシャワーを浴びる。
「さて、始めるか……」
寒さに震えつつ、シャワーノズルを掴む。
えぇと、お湯お湯……間違えて水を出して「あひゃぁっ、ぢべだぃぃぃっ」なんてベタな事にならない様にお湯の蛇口を捻る。
きゅっ……きゅっ……きゅっ……じゅぱぁぁっ。
よし、出たぞ、だがこの状態ではまだ水だから暫く待とう。
んっ! 足に水が当たって冷たいっ。
わたわたしつつ、水を避ける。
ちょんっ、ちょんっ……。
かるーく、指で確認してみる、うん……大分熱くなってきた。
これなら、浴びれる!
という訳でシャワーノズルをスタンドに乗せ、いざ朝シャン開始っ。
シャァァァ……。
「ふあぁぁっ……きもちぃぃぃ」
冷たく冷えた身体が湯で濡れていく……。
私の長い黒髪を伝って、少し大きな胸を滴り下に落ち、ばしゃばしゃと音を立てている。
んー……やはり良いものだなぁ。
なんか、血行が巡る感じ? 浴びた瞬間、びわっ! となる感じ。
あの感覚が堪らなく好きだ……かの感覚を味わう為に今日から朝シャンを私の日課にしようか?
「良いかも知れないな、気持ちもサッパリするし、悪い事なんて1つもない」
それに、健康番組でも言っていた。
朝シャンしたら、なんやかんやで身体が良くなると!
……すまん、良く聞いてなかったから、曖昧なんだ。
シャァァァ……。 
いや、そんな事は良い。
今は、この心地良いシャワーで頭がいっぱいだ。
……そう言えば、少女漫画にもヒロインが朝、シャワーを浴びる描写があったな。
その多くが、何処か遠い目をしながら浴びていた。
ふむっ、となると……私もそう言う目をすべきなのか? いやしかし、私に今のところ想い人はいない。
それに男と付き合う気もない、私は胸キュンを味わいたいだけなのだ。
……と、ここで腕を組んで考えてみる。
私、今27歳だよな? そんな考えじゃ色々と不味い気がする。
いやだって、昨日ママから……ごほんっ、母から「あんた、早く良い人見付けなさい」と言われたのだ。
…………。
うっうん、大丈夫、多分大丈夫だ。
まだチャンスはある、あるから落ち着け。
と言うか、本当に恋愛とか興味ないんだ。
だから良い人を見付けろたか無理だ。
だって、恋愛に興味は無いんだからな!
いやしかしだ……このまま行くと必然的に独り身になってしまう。
いやまて、このビルにいる限り皆がいるから独り身にはならない、だからセーフだセーフ。
…………あ、不味い。
心の奥底から「このままで良いのか?」と言う言葉が沸いて出て来てしまった。
狼狽える私は、胸に手を当てて落ち着かせる。
くぅっ……。
朝シャンはサッパリするからしてみたは良いものの、もやもやしてしまった。
これはあれだなぁ……日課にするのは止めにするか。
そんな事を思った私は、シャワーを切り上げ、髪と身体を拭き、再びベットで眠るのであった……。
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