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わいず

お酒のお付き合いの話し 4

「よいっしょ、ふぅ……やっと着きましたぁ」

長門さんを背負って、000号室に辿り着き、扉を開けようと思ったら、長門さんの部屋の鍵を持ってない事に気付いた私。

長門さんに聞こうとしましたが「うへへぇ、おんぶかぁ、これは恋愛的なしゅちゅえーしゅんらなぁ」とか言って陽気に笑うばかり。
とても聞ける雰囲気ではありません、と言うかシュチエーションが言えてません。

で、仕方がないので、またエレベーターの方へ行き、次は私の部屋がある階に行きます。
今晩だけ、長門さんを私の部屋に止めてあげましょう。

と言う考えがあって、今、私の部屋に連れてきました。

部屋の電気を、ぱちんっと付けると、長門さんが私の肩に顔を乗っけてきました。

「わはぁ、お持ち帰りらぁ」
「もぅっ、背中で騒がないでください! 降ろしますから、きちんと踏ん張って下さいよ?」

長門さんを降ろそうと、腰を落とす私、長門さんは床に足がついたんですが、しっかり立ってくれません。

「ほらっ、長門さん! ちゃんと立っ……あっ!」

立って下さい! って言おうとしたら、力が抜けちゃって、長門さんが床に、べちゃっと落ちちゃいました。

あぁ、やっちゃいましたね、怪我なんかしてませんよね?

「うへぇ、床ちべたい、きもひぃ」
「あぁもぅ、だらしないですねぇ、今お水持ってきますから、じっとしてて下さいね」
「ふぁーい」

あぁ、床に倒れたまま、くねくね動いちゃって……だらしないですねぇ。
ここは、起き上がらせるより、お水を用意する方が良いかもしれませんね。

という訳で、水道の方に向かいます。
そこにある、ガラスのコップに水を入れます。

……よし、これくらいで良いですかね?

お水を汲んだので、ゆっくりと長門さんの元へ行きます。
溢さない様にゆっくり、ゆっくりとです。

「はい、お水ですよ」

倒れたままの長門さんを、ぺちぺち叩いて座らせ様としますが、長門さんは身体をくねらせるだけで、座りません。

そりゃそうですよね、酔ってるんです、私の言う事なんて頭に入ってないでしょう。

なので、お行儀が悪いですが床にコップを置いて、力付くで座らせます。

「よっ、あっ……結構軽いですね」

まず、長門さんの上半身を起こして、足を動かします。
えぇと、ここをこうして……こうしてこうですね。

あぁ、女の子座りになっちゃいましたね、まぁ座ったから善しとしましょう。

「頭ふらふらしゅる……」
「はいはい、お水飲んでください、そしたら今日は寝てください」

そう言って、コップを渡す。
長門さんは、目をとろーんとさせて「うん」って呟きます。

そして、コップを両手で持って、くぴくぴ、とお水を飲んでいきます。
飲み方、可愛らしいですね……と言うか、さっきまで騒いでたのに、静かになってませんか?

「あぅ……眠い、寝たい、眠りゅぅ」

お水を飲み終わると、目をぱちぱちさせて、うとうとし始めました。
眠そうですね、でも、このまま床に寝かせる訳にはいきません。

「長門さん、寝るのならベットで寝てください」
「ぅぁ? ぅぅぅ……」

すぴぃ……。
コップをコトッ、と床に置いた後、座ったまま眠ってしまった長門さん。
はぁ……仕方無いですね、やれやれ、と言った感じで手を広げた後、私は……。

「よっ……」

長門さんをお姫様抱っこします。
まさか、女性に対して、こんな抱き方するなんて、思ってもいませんでした……。
ねっ願うなら、される側が良かったですね。
イケメンで、背が高くて、優しい人に……ふへへ。

っ! いっいけません。
今はそんな事は置いといて……長門さんをベットに移動させましょう。

「はぁ……幸せそうに寝ちゃって、私の苦労もしらないで、なんか腹立ちますね」

すぅ、すぅ、優しい寝息を立ててます。
言った通り腹は立ちます、ですけど……寝顔の可愛さに免じて許してあげます。

こうして、長門さんをベットに乗せます。
……この時の私は、ある大事な事に気付いてませんでした。

それに気付くのは、今より数秒経った頃でした。

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