住み込み就職 お仕事時々お遊び
恵さんは声高らかに言っちゃった 3
親衛隊達が必死になって店内を探しまくっている頃、恵達は冬空の道を走っていた。
「ねぇ大丈夫?」
「ぜぃ……ぜぃ……だっだいじょぶ」
「ふひぃ……はひぃ……」
私は走った。
そのせいか冬の寒さなんて感じない、今は身体がポカポカ、もうカイロやマフラーいんなんかも……。
いち速くバイト先につくために、そのせいでついてきた友達2人は疲れ果てて息切れしちゃってる。
膝に手を置いてグロッキー、疲れちゃうなら付いてこなきゃいいのに……でも不思議な事に目だけがギラギラと輝いてる。
そんなに出会いが大切なの? 疲れ果てる程に胡桃さんに出会いたかったの? 胡桃さんは女の子だかんね? きっと後悔するよ。
まぁでも、もう言わなくていっか、だってもう着いたし。
「んじゃ、あたし先にお店入るから、あんた等は息整えてから入って来なさいよ」
はやく手伝わないといけない、きっと胡桃さんが困ってて助けを求めてる筈!
って、あれ? 何? 後ろから誰が抱き付いて……って、あんた等、何してんのよ?
「急に抱き付くとか……やめてくない?」
顔だけを2人に向けて冷たく言っちゃうあたし、早く入んないといけないんだってのに止めるなし……。
と言うか、ここからじゃ店内から丸見えじゃん、あたしが友達に後ろから2人がかりで掴まれてるの見えちゃってんじゃん、はずいっ。
「いっいやいや、胡桃って言う人と会うのは私達初対面だからさ……知り合い無しで会うとかマジ勘弁なんだけど」
「はげどー」
息切らしながら正論言ってるとこ悪いけど、ちょうっぜつっめんどい!
「無理に付いて来たんだから後は何とかやんなさい」
「なっ! それでも友達かぁっ」
「そうだそうだ、アホー」
アホとか悪口言うなし、普通に傷つくんだからね?
って、こんな事やってる場合じゃなかった、こうやって言い争ってるだけでも時間の無駄だ。
本当は友達連れてバイト先に行きたく無かったんだけど……こいつ等離れてくれないし、仕方ないか。
「分かったわよ、連れて入るから離しなさい」
「ふふっ、最初からそう言えばいいのよ」
「そうだよ」
バカにした様に笑った後やっと離してくれた、だけど何だろこの腑に落ちない感じ、こいつ等、1発殴ってやりたいわ。
と、いけないいけない……そんな事よりさっさと入んないと。
という訳でようやくあたしのバイト先、こんびにと言う名のコンビニに入った。
「いらっしゃいませー、っあ」
そしたら胡桃さんがいた。
お店の制服を着た胡桃さんはとっても綺麗、ショートヘアの赤髪を揺らしながら微笑んで手振ってきた。
「後は好きにやんなさい、あたしは着替えてくるから」
そんな胡桃さんを見た後2人の方を見る。
何か言いたそうな顔してる……あっ、そう言えば誰が胡桃さんか言って無かった。
「あの赤髪の人がそうだから、後は話すなりなんなりしなさい」
そして、胡桃さんが女の子だと気付きなさい! そう言う思いを込めてレジカウンターを通ってスタッフルームへ入ってく。
勿論、その時に「お疲れ様です、今から入ります」と言う挨拶を忘れない。
で、スタッフルームに入ったら脱衣場へ行く、がっこの鞄はロッカーにいれておく。
「……お店混んでたわね」
 
そんな事を思い出しながら着替えてく。
疎ましい自分の大きな胸を見て大きくため息、これがつっかえて着替えにくいのよね……って、嘆いてる場合じゃないか。
「早く着替えよ」
そう言って手早くお店の制服に着替える、その時にふと気付いた。
「そういや今日のお客、あたしのがっこの学生が多かった様な……まぁいっか」
見た顔が沢山いるのよね、なんか知らないけど私服で来てる……もしかして一旦家に帰ったの? 真面目だわぁ。
まぁそれが事実だったとしても対して気にしない、あたしはいつも通りお仕事するだけ、同じがっこの生徒だからって気にしない。
「よっし、着替えた! さっさと行かないと……」
着替えたあたしは更衣室から出てさっさとお店の方に向かう、その扉を開け放ち。
「いらっしゃいま……」
元気良く挨拶をしようとしたんだけど、そうはいかなかった。
「胡桃さんって今、彼女とかいないんですか?」
「いなかったら付き合って下さい!」
「えっ、えぇっ、あっあの……そのっ!」
なにしてんのよ! あたしの友達は!
なんなの? えっなんなの? あたしの友達、胡桃さんに告白しちゃってるじゃない! で、その様子を少し遠くで見てる、てんちょは「ほぉ……あぁ言う出会いもありか」って呑気に言っちゃってる。
と言うか、てんちょの頭腫れてない? きっ気のせいかな?
ってそうじゃなくて! そんな事言ってないで止めて!
あと、そこの変態っ、胡桃さんが告白されてるのを見てニヤけながら鼻押さえるの止めなさいよっ、あんたにとっちゃ飯ウマ展開なんだろうけど、胡桃さんにとっては良い迷惑よ!
「あっ……けっ恵さん! こっこの人達なんとかしてください! おっお友達ですよね? 一緒に入って来ましたし……おっお友達ですよねぇ!!」
うわっ、見付かった。
いや、そりゃ見付かるわよ、だって近くにいるんだもの。
でもこの状況で話し掛けないで欲しかったなぁ、だって物凄く面倒な事になりそうだもん。
でも胡桃さんはアタフタして困ってる、ここはあたしがガツンと言ってやらないといけない、胡桃さんは女だと!
そしたらだ、カウンターに身を乗り出して言ってきた。
「恵っ酷いじゃん、こんな優良なイケメンの事黙ってるなんて!」
「そうだよ、女子高生は恋する生き物なんだよ! 命短し恋せよ乙女って言うでしょ!」
ほら面倒な事になった。
変な事言うもんだから周りのお客、引いちゃってんじゃん、コソコソ話したりしてんじゃん。
と言うか知らないわよ、女子高生は恋する生き物だなんて事!
あぁもうっ! ここは変な噂が立つ前に真実を教えなきゃダメだ。
あたしは制服のズボンをパシンッと叩いて気合いを入れた後、友達2人を真っ直ぐ見つめて良い放つ。
「あのねっ、胡桃さんは女なの!」
あたしの声は店内に響いた。
すると、空気が固まった気がした、え? なんでそんな空気になるの? いっ意味分かんないんだけど……。
あっあたし、変な事いった? 言ってないよね? 胡桃さんは女だよって言っただけだし……変なの。
困惑するあたし、この変な空気になっちゃった意味が分かるのはまるで分からない、どっどうしよう……。
「ねぇ大丈夫?」
「ぜぃ……ぜぃ……だっだいじょぶ」
「ふひぃ……はひぃ……」
私は走った。
そのせいか冬の寒さなんて感じない、今は身体がポカポカ、もうカイロやマフラーいんなんかも……。
いち速くバイト先につくために、そのせいでついてきた友達2人は疲れ果てて息切れしちゃってる。
膝に手を置いてグロッキー、疲れちゃうなら付いてこなきゃいいのに……でも不思議な事に目だけがギラギラと輝いてる。
そんなに出会いが大切なの? 疲れ果てる程に胡桃さんに出会いたかったの? 胡桃さんは女の子だかんね? きっと後悔するよ。
まぁでも、もう言わなくていっか、だってもう着いたし。
「んじゃ、あたし先にお店入るから、あんた等は息整えてから入って来なさいよ」
はやく手伝わないといけない、きっと胡桃さんが困ってて助けを求めてる筈!
って、あれ? 何? 後ろから誰が抱き付いて……って、あんた等、何してんのよ?
「急に抱き付くとか……やめてくない?」
顔だけを2人に向けて冷たく言っちゃうあたし、早く入んないといけないんだってのに止めるなし……。
と言うか、ここからじゃ店内から丸見えじゃん、あたしが友達に後ろから2人がかりで掴まれてるの見えちゃってんじゃん、はずいっ。
「いっいやいや、胡桃って言う人と会うのは私達初対面だからさ……知り合い無しで会うとかマジ勘弁なんだけど」
「はげどー」
息切らしながら正論言ってるとこ悪いけど、ちょうっぜつっめんどい!
「無理に付いて来たんだから後は何とかやんなさい」
「なっ! それでも友達かぁっ」
「そうだそうだ、アホー」
アホとか悪口言うなし、普通に傷つくんだからね?
って、こんな事やってる場合じゃなかった、こうやって言い争ってるだけでも時間の無駄だ。
本当は友達連れてバイト先に行きたく無かったんだけど……こいつ等離れてくれないし、仕方ないか。
「分かったわよ、連れて入るから離しなさい」
「ふふっ、最初からそう言えばいいのよ」
「そうだよ」
バカにした様に笑った後やっと離してくれた、だけど何だろこの腑に落ちない感じ、こいつ等、1発殴ってやりたいわ。
と、いけないいけない……そんな事よりさっさと入んないと。
という訳でようやくあたしのバイト先、こんびにと言う名のコンビニに入った。
「いらっしゃいませー、っあ」
そしたら胡桃さんがいた。
お店の制服を着た胡桃さんはとっても綺麗、ショートヘアの赤髪を揺らしながら微笑んで手振ってきた。
「後は好きにやんなさい、あたしは着替えてくるから」
そんな胡桃さんを見た後2人の方を見る。
何か言いたそうな顔してる……あっ、そう言えば誰が胡桃さんか言って無かった。
「あの赤髪の人がそうだから、後は話すなりなんなりしなさい」
そして、胡桃さんが女の子だと気付きなさい! そう言う思いを込めてレジカウンターを通ってスタッフルームへ入ってく。
勿論、その時に「お疲れ様です、今から入ります」と言う挨拶を忘れない。
で、スタッフルームに入ったら脱衣場へ行く、がっこの鞄はロッカーにいれておく。
「……お店混んでたわね」
 
そんな事を思い出しながら着替えてく。
疎ましい自分の大きな胸を見て大きくため息、これがつっかえて着替えにくいのよね……って、嘆いてる場合じゃないか。
「早く着替えよ」
そう言って手早くお店の制服に着替える、その時にふと気付いた。
「そういや今日のお客、あたしのがっこの学生が多かった様な……まぁいっか」
見た顔が沢山いるのよね、なんか知らないけど私服で来てる……もしかして一旦家に帰ったの? 真面目だわぁ。
まぁそれが事実だったとしても対して気にしない、あたしはいつも通りお仕事するだけ、同じがっこの生徒だからって気にしない。
「よっし、着替えた! さっさと行かないと……」
着替えたあたしは更衣室から出てさっさとお店の方に向かう、その扉を開け放ち。
「いらっしゃいま……」
元気良く挨拶をしようとしたんだけど、そうはいかなかった。
「胡桃さんって今、彼女とかいないんですか?」
「いなかったら付き合って下さい!」
「えっ、えぇっ、あっあの……そのっ!」
なにしてんのよ! あたしの友達は!
なんなの? えっなんなの? あたしの友達、胡桃さんに告白しちゃってるじゃない! で、その様子を少し遠くで見てる、てんちょは「ほぉ……あぁ言う出会いもありか」って呑気に言っちゃってる。
と言うか、てんちょの頭腫れてない? きっ気のせいかな?
ってそうじゃなくて! そんな事言ってないで止めて!
あと、そこの変態っ、胡桃さんが告白されてるのを見てニヤけながら鼻押さえるの止めなさいよっ、あんたにとっちゃ飯ウマ展開なんだろうけど、胡桃さんにとっては良い迷惑よ!
「あっ……けっ恵さん! こっこの人達なんとかしてください! おっお友達ですよね? 一緒に入って来ましたし……おっお友達ですよねぇ!!」
うわっ、見付かった。
いや、そりゃ見付かるわよ、だって近くにいるんだもの。
でもこの状況で話し掛けないで欲しかったなぁ、だって物凄く面倒な事になりそうだもん。
でも胡桃さんはアタフタして困ってる、ここはあたしがガツンと言ってやらないといけない、胡桃さんは女だと!
そしたらだ、カウンターに身を乗り出して言ってきた。
「恵っ酷いじゃん、こんな優良なイケメンの事黙ってるなんて!」
「そうだよ、女子高生は恋する生き物なんだよ! 命短し恋せよ乙女って言うでしょ!」
ほら面倒な事になった。
変な事言うもんだから周りのお客、引いちゃってんじゃん、コソコソ話したりしてんじゃん。
と言うか知らないわよ、女子高生は恋する生き物だなんて事!
あぁもうっ! ここは変な噂が立つ前に真実を教えなきゃダメだ。
あたしは制服のズボンをパシンッと叩いて気合いを入れた後、友達2人を真っ直ぐ見つめて良い放つ。
「あのねっ、胡桃さんは女なの!」
あたしの声は店内に響いた。
すると、空気が固まった気がした、え? なんでそんな空気になるの? いっ意味分かんないんだけど……。
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