一兵士では終わらない異世界ライフ

矢追 参

???の世界

 –––???の世界–––


 青色の光が美しく輝く。その光は淡く光り、下から上…地から天へと登っていく。多くの光がそうやって登っていき朝日が昇ってくる前の暁の空にその青色の光と同じ色をした星々が爛々と輝いている。その幻想的な世界の地面の一帯は淡い青色の光を宿した青色の花びらを咲かせている不思議な花々で埋め尽くされている。まさに幻想郷とも呼べるその世界でポツリと一人……暁の空を見上げていた。
 その者は深い深い海の色をした長く……そして海が波打つかのようなウェーブのかかった髪を持っている。美しい顔と肢体は男共が妄想するような女性の象徴であり、妖艶なその姿を男が見れば一瞬で虜になるだろう。だが、そんな彼女の身体に一箇所……というか何箇所か人というにはそぐわない箇所があった。
 耳の部分が魚のヒレのようになっていて、下半身は魚の尾……それは空想に出てくるような人魚の姿に酷似していた。肌は色白を通り越して真っ白に近く、所々鱗が見えている。
 そう……彼女は人ではない。
「おい、ウンディーナ!そんなところで何やってんだよ?」
 と、彼女をウンディーナと呼ぶ男の声が背後から聞こえてきたため、彼女は振り向いた。振り返ると、茶髪の髪を長く伸ばした男が立っていた。長い前髪が顔の半分を覆い、整えていないのか、髪がボサボサだった。彼の肌は褐色肌で手がとても大きく、手甲に包まれていた。腕は長いが足は短いから背は高くない。そんな彼も人ではない。
「ノームルですわね。ちょっとこれを読もうと」
 ウンディーナという女性は手に持っていた本をノームルという男へ差し出した。
「んーー?」
 ノームルが覗き込むように本の表紙を見つめる。本の表紙には、「グレーシュ・エフォンス」という人の名前が書かれていた。
 それを見て、ノームルは顔を顰めた。
「おいウンディーナ……バベラの図書館から勝手に持ってきたのか?」
「なんです?人聞きの悪いことを言わないで下さいまし。アタクシはちゃんとバベラに断って持ってきましたわよ」
 ノームルは暫く訝しげな目で見ていたが、やがて納得したようにふっとため息を吐いた。
「そんで?その本なんで持って来たんだ?」
「この……グレーシュという子の辿る物語が気になりましたの」
「へぇー?じゃあ、生者なんだ?バベラの図書館からは何持ってきたの?未来の書?それとも過去の書?」
「過去の書ですわよ。未来を覗けるのは、もっと上位のでないと出来ませんから。それじゃあ、アタクシは早速読みたいので、ノームルはサラマンドラやシルフィのところへ行ってらっしゃいな」
「えーーー」
 ノームルは不満タラタラな顔でウンディーナの顔を見る。
「だってサラマンドラもシルフィもどっかいっちゃったしさぁー。後はジェイーロンとかウィリ・オーもいないんだよなー」
 ウンディーナは肩を竦めた。
「なら、フラルカやヴォルフは?」
「あいつら怖いんだもん!」
「はぁ……仕方ありませんわね。じゃあ、一緒に読みましょうか」
「うし、きた」
 ノームルはそう言ってウンディーナと一緒にその本を開いた。


 –––主要人物纏め–––


 ○グレーシュ・エフォンス
 男性 8歳 人族黒髪コクヨウ


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 ○ソニア・エフォンス
 女性 14歳 人族金髪コンゴウ


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 ○アルフォード・エフォンス
 男性 38歳 人族黒髪種


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 ○ラエラ・エフォンス
 女性 34歳 人族金髪種


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 ○ノーラント・アークエイ
 女性 8歳 人族茶髪グラン


 –––☆–––


 ○クーロン・ブラッカス
 女性 56歳 人族夜髪コクヤ


 –––☆–––


 ○エリリー・スカラペジュム
 女性 8歳 人族黒髪種


 –––☆–––


 ○ギシリス・エーデルバイカ
 女性 38歳 獣人族犬耳イヌミミ


 –––☆–––


 ○ソーマ・アークエイ
 男性 38歳 人族茶髪種


 –––☆–––


 ○ギルダブ・セインバースト
 男性 18歳 人族黒髪種


 –––☆–––


 ○アリステリア・ノルス・イガーラ
 女性 14歳 人族金髪種


 –––☆–––


 ○ゼフィアン・ザ・アスモデウス
 女性 1000歳くらい 魔族色魔サキュバス


 –––☆–––


 ○ワードンマ・ジッカ
 男性 36歳 妖精族炭鉱ドワーフ


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 ○アルメイサ・メアリール
 女性 ??歳 人族紫髪ライテイ


 –––???の世界–––


「あら…最後のは…」
「ん?どうかしたのか?」
「いえ…」
 ウンディーナは最後に記載され始めていた名前を見て少しだけ何か考えたが、ノームルに急かされてウンディーナはやれやれと本の続きを読み始めた。
 その本の物語は…主人公がこの世界に生を受けてから始まる物語。まだ、八年分の物語…これからもまだ物語は描かれていく。


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