魔術的生徒会

夙多史

間章(3)

 あの日。
 あの日、幼かった自分は、両親に向かって訊いていた。
「おとうさん、そのひかってるの、なに?」
 幼稚園児の頃の記憶なんてほとんど残っていないが、この光景は間違いなくあの日。幼い自分が自分の眼の異常さを知った日。
「光ってるの?」
 父は首を傾げ、隣の母と顔を見合わせた。幼い自分が指差したところに光り物などないことに気づくと、二人とも途端に不安げな顔になった。
「何もない……わよね?」
 と母。
「魁人には、見えるのかい? 父さんの中にある光が」
 父は本当に不安そうにしている母に適当なことを言って席を外させ、幼い自分をまっすぐに見詰めてくる。そして、優しく告げた。
「いいかい、魁人。それは他の誰にも言ってはいけないよ。魁人には見えていても、他の人には見えないものなんだ。変な人と思われるのは、嫌だろう?」
 幼い自分は大きく何度も頷いた。
「でもね、魁人。他の人とは違うからって、自分の眼を嫌いになってはいけないよ。それは凄い眼なんだ。悪い魔法使いを倒せるほどにね」
 幼かった自分には、父の言っていることの意味がわからなくて――――――――

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