センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

65話 ピンチに颯爽と現れる者――

 65話 ピンチに颯爽と現れる者――

「なんだかよくわからねぇが、とにかく、このジジィは、悪モンって事だな?」
「リーンとは違う、ちゃんとした意味の魔王。倒すべき人類の敵」
「待って! 違う! その結論じゃダメ! この争いは、意味がない!」

「意味があるかどうかを決めるのは、ぬしではない」

 そこで、アンドロメダの肉体が変色した。
 全身から黄色い体毛が生え、
 頭部から一本の角が生える。

 すると、動きが目に見えて加速した。
 動きにキレが出て、拳に鋭い重さが加算される。

「へ、変身型かよ!」
「……変身型の魔人。初めて見た」

「変身する魔人くらい、たいして珍しくはないじゃろう……ああ、いや、この程度の世界じゃと、進化種の変身型ならともかく、魔人の変身型は珍しいか。まあ、どうでもよいがのう」

 アンドロメダは、『麒麟』が進化した魔人。
 普段は老人の姿で力を抑えるかわりに、本来の姿に変身した際には大きな身体能力を得る(魔人のオールステータスアップ効果を残したまま、進化種特有の個性を発現させるのは、変身型のスタンダード。ただ、この手の変身スキルは、だいぶメモリをくうので、存在値がそこそこ高くないと出来ない。あと、『変身していない時のマイナス』等のアリア・ギアスを乗せないと、効果的にも微妙。変身型は、『進化種スタイル』がマッチしている場合じゃない限り、あまり使用されないビルド。もう一歩、上の領域にいくと、メモリに余裕が出てくるので、一つか二つは『変身』を取り入れるのがむしろ一般的になってくるが、その際には、進化種スタイルとの融合的な限定的変身ではなく、『神化』の劣化版のような『純粋に魂魄をワンランクアップさせる感じ』の変身を使うようになる)。

 変身状態のアンドロメダは、ホルスド・シャドーを一撃で殺せるほどの火力を有する――が、この場でその火力をふるう気はなく、

「ぐ! くそ! ハンパじゃねぇ火力だ! こんなもん何発も耐えられねぇ!」
「気を抜けば瞬殺。超地獄」
「ま、待ってください! お願いします! ちゃんと話を聞いて――」

「ぬしらの魂魄は善に属するモノ。つまりは、我々の糧。生命の大いなる未来のために、ここで死ね」

 アンドロメダは、拳にオーラを注ぎこみ、
 冷静な対話を懇願するセレーナにむけて、問答無用に叩き込もうとした。

(死っ――)

 死を間近にしてスローになる視界。
 そんなセレーナの視界に、
 豪速の影が切りこんできた。


 ズガンッッ!


 っと、肉の弾ける音がして、アンドロメダが吹っ飛んでいく。
 壁に激突して、そして、動かなくなった。
 アンドロメダを吹っ飛ばしたのは、




「逃げるぞ。お前らに死なれちゃ困る! 人類の未来を守るために、ピースメイカーの力は不可欠だ!」




 マシンゴーレムを纏った男だった。

 マシンゴーレムは、『機動魔法』で生成できる、搭乗型の金属人形。
 全長は3メートルほどで、搭乗型のロボットというより、だいぶ大きめのパワードスーツと言った感じ。
 機動魔法は、相当の技術と訓練を必要とする超高度な魔法で、エックス級の世界に使い手などいないと断言できるレベル。

 そんなマシンゴーレムを駆る男の後ろには、彼につき従う忍が一人。

「あなたたちは……」

「俺はモナルッポ。かつて、ピースメイカーに入るよう勧誘されて断った男……といえば、俺が誰か少しは理解してもらえるか?」

「ミルスの第三王子?! ど、どうして、あなたがここに?!」

「事情を説明している余裕はない。超魔王が動き出す前に、ここから逃げねぇと」

「……超魔王? アンドロメダのこと?」

「違う! いいから来い。逃走ルートは確保してある」

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