『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

18話 貴様の罪を清算する。



 18話 貴様の罪を清算する。


 ホアノスは無知じゃない。
 まっすぐなクズ野郎だし、極めて愚かではあるが、何も知らない弱者ではない。
 だから、一瞬で理解した。


 目の前にいる小柄な少女が『ケタの違うバケモノ』であると、『千年振っても届かないどころか、何万、何十万という気が遠くなる時間をかけたとしても、絶対に届かない領域にいる、異次元の怪物』だと理解した。


 その上で、立ち向かえるか否か。
 最後の最後の人間試験で、ホアノスは、『文句なしの0点以下』という最低結果を叩きだし、余裕で落第した。




「神法にのっとり、チャンスは与えた。もはや慈悲はない。貴様の罪を清算する。楽に死ねると思うなよ。貴様がその手でうみだしてきた苦痛を、貴様の醜いその肉で全て再現する。苦しんで、苦しんで、苦しんで、そして、死ね」




 言うと、ミシャは、右手の中に、小さなブラックホールを出現させた。
 その黒い渦は、ギニャギニャとうごめいて、ガバリと口を開くと、腹をすかせた猛獣のように、ホアノスに襲いかかり、ホアノスの全てをペロリと飲み込んだ。


 その様を見て、心底から震えているザザが、


「ひ、ひぎゃあっ」


 と、逃げ出そうとした。
 脱兎。
 忍らしい俊足。
 けれど、五歩目を出そうとしたところで、ペロリと、あっけなく飲み込まれてしまった。


 二人を飲み込んだ黒い渦は、ユラユラとゆらめいて、
 一度、強く発光してから、
 世界に溶けるように霧散していった。


 ホアノスとザザは、消えたワケではない。
 ここではないどこか――深い闇の底で、地獄の責め苦を受けている。
 ミシャを怒らせた罪は重い。




「お見事な裁定でございます、ミシャンド/ラ様」
「ミシャンド/ラ様。あのカスが消えた事によって生じる面倒事はいかがいたしますか?」


「アクエリアスに連絡して、適切に処理させなさい。あと、今後、二度と、あの豚の話はしないでくれると助かるわ」


「「御意」」












 ★


 ミシャを監視していた者の一人、
 フーマーの上層部が今回の仮面武道会用に選別した『少しだけ出来る者』の『筆頭』であるセレーナが、震えながら、目の当たりにしたミシャの脅威を、上司であるケイレーンに報告をいれた。




『あのドーラという少女は、凄まじく強い。間違いなく私より強い。あの圧倒的な力……もしかしたら、勇者に匹敵するやもしれません』




 報告を受けたケイレーンは、深い溜息をつきながら、


「どうやら、レイモンドは、想像していたよりも遥かに面倒な組織らしい」
「勇者に匹敵するとは……信じられん。勇者はクズ野郎だったが、スペックは確かだった」
「それほどの力……あるいは、あの少女が、レイモンドの代表なのではないか?」
「なるほど。『自分の裏には黒幕がいる』という虚偽で飾り、レイモンドという組織を実像よりも大きく見せているパターンか。なくはない」
「だが、黒幕が実在するとなると、かなりの驚異だぞ。勇者に匹敵するバケモノや、それ以上の存在ともなれば、われわれでも、簡単には処理できない。フーマーまで攻めてきてくれれば、大いなる主より賜わった神器が使えるから、どうとでも出来るが、外で好き放題された場合の制御は……」


 使徒は、全員、大いなる主から、二つの神器を賜っている。


 『天国の加護』が届く範囲内(安楽の地周辺)でしか使えないが、
 『レベルアップ、ランク20(十分間、レベルが200上昇する)』という、
 途方もない魔法が使えるようになる、クオリティ32のリングと、


 『天国の加護』が届く範囲内でしか使えないが、
 『瞬間移動、ランク10』という、途方もない魔法が使える、クオリティ15の翼。


 その二つさえあれば、誰が相手でも恐くない。
 あの『強大な力を持った従属神の面々』が相手でも、リングと翼を使えば余裕で勝てるのだ。





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