『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

6話 革命の日は近い。



 6話 革命の日は近い。


 気持ち良さそうに喋っているカリネに対し、
 モナルッポは、『へぇ』と感心顔で相槌をうちながら、心の中で、


(ランク5の魔カードの量産……もし、事実であるならば、世界がひっくり返る)


 周囲の全ての者から、『無能』扱いされているモナルッポ。




 ――王族の血は継いでいるので、潜在能力はそこそこだが、怠け者で勉強嫌いであるため、上二人と比べれば実性能はゴミのよう。
 国にも社会にも政治にも興味がなく、連日連夜、酒と女に溺れるだけのバカ王子。
 父や二人兄から『勇者ハルス(性格は狂っているが性能は世界一の大天才)』と比較されることも多く、その際には、『お前と比べたら、有能な分、勇者がマシに思える』とまで言われる始末。




 この世界を支配していると言っても過言ではない『魔カード産業』についても無知極まりなく、戦闘能力も存在値30ちょっとで微妙。


 そんな評価を受けているモナルッポが、今、考えていることは、


(もし、本当にランク5の魔カードを量産できるのなら……それを軍事に用いると……もちろん、量産できる量によっても話は変わってくるが、仮に、現在のランク2と同じか、その半分ほど生産できるだけでも……ほんの数カ月程度の生産期間で、フーマー以外の国なら楽に落とせるだろう。当然、フーマーはその暴挙を許さないだろうが、しかし、かの企業はフーマーに真っ向から逆らっているという……それは、すなわち、『やるつもり』だからではないか?)


 高速で世界の今後を演算する。
 ありとあらゆる情報を繋ぎ合わせて未来のシルエットを探る。
 これまでに蓄積してきた手札の切り方を思案する。


(世界全体が、なかなか、熱くなってきたじゃないか。これは、本格的に動き出さなければいけない時期がきたとみるべきだな……立ちまわりは慎重に、されど臆病にはなりすぎず、時には大胆に……)


 モナルッポは、これまで、『革命』のための準備を整えてきた。
 モナルッポからすれば、祖国は、退屈なゴミためだった。


 国は小さく、優秀な人材は少なく、『強み』はおろか、個性すら特にない。


 セファイルほど劣っているワケではない。
 すべてにおいて、セファイルよりまし。
 だが、こんな状況ならば、むしろ、いっそのこと、セファイルより小国だった方が良かったと、モナルッポは思っている。


 最下位の方が、まだ目立つというもの。


 ミルスは、セファイルほどショボくはないが、ほどほどにしょうもない国。
 『それじゃあ情けないから』と頑張って、自分達を大きく見せようと、いろいろ頑張ってみたりもするけれど、カラ廻りするか、見栄えだけのハリボテになるだけ。
 それが、モナルッポの祖国『ミルス王国』。


(魔王国が宣戦布告する直前から、セファイルでは妙な動きがあった……『何か』が動いていると見て間違いはない)


 モナルッポは気付いていた。
 世界の情勢。
 運命のズレ。


(大きなウネリは起こった。だが、いまだ『輪郭しか見えていない』という現状。……これは大問題)


 世界を相手にラムドが大暴れして、呼応するように、セファイルで異常な技術が産まれた。
 ウネリはあった。
 しかし、いまのところ、漠然とした全体像しか見えていない。


(深く潜る必要がある。動くなら今。手持ちの全てを総動員して……いや、カードを切るだけではなく、この俺自身も動くべき。この大きな流れに乗り、革命を起こす)


 モナルッポの望む『革命』とは、『世界の王』になること。
 フーマーをも支配下においた『無上の神格化』が最終目標。


 ラリっている勇者では出来ないが、自分ならば出来ると確信しているモナルッポ。
 能力だけなら、勇者の方が、『世界の王』の地位に相応しい。
 だが、勇者はあまりにも『愚か』が過ぎる。







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