『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

37話 バロールの悪いクセは、すぐに諦める事。



 37話 バロールの悪いクセは、すぐに諦める事。


「よく聞かなくともバカにされていると気付いてもらいたいが、まあ、あなたに、そこまでは求めませんよ、カティさん」


「こ、このっ…………ふ、ふん! そんなノホホン呑気な私に、10秒ルームの記録で負けるとはね!」


「ぬっ」


「神を知っているはず、な・の・に! どうして、もっと頑張れなかったの? 主を尊敬していないの? ねー、ねー、どうして?! ねぇ、こたえてよ、星典魔皇ブナッティ・バロール様ぁ!」


「ぐぅ……」


「どうしたの?! グウの音も出ないの?!」


 そこで、サトロワスが、苦笑いで、


「いやいや、カティさん。バロールは、今まさに、ぐぅって言ったよね?」


「うるさい! あげあしとるな! あと、『さん』つけんな!」


 ちなみに、この、カティに対する『さんイジリ』は、かつて、カティが、『下の者に呼び捨てにされて鬼ギレしたことがある』というちょっとしたネタエピソードが発端。
 今となっては、さすがにそんな事(下からナメられる事も、下に対してキレる事も)はありえないが、若い時分にはそんな事もあった。
 『プライド(具体的には自己評価)は高いけど、ナメられやすい』という、彼女の根源的な気質が分かる小ネタ。


 ちなみに、カティとシューリでは、プライドの質が違う。
 カティは、『頑張ってきた自分に対する過剰な自信』であり、
 シューリの場合は、『究極超女神としての絶対的な矜持』。
 ようは、後天的か先天的かという話。




 ――そこで、テリーヌが、


「でも、ほんと実際、バロールの記録は酷いわね。まったく、姉として情けないわ、この根性なし」


「姉貴ヅラ、ウゼぇ! つぅか、『休むことなく、ぶっ通しで、高位モンスターを19万体も狩り続けた、この私』を、本当に、根性なし呼ばわりできるかどうか、よぉく考えてから発言しろ!」


「私がぶっ通しで狩り続ける事ができた高位モンスターの数は23万体。それを踏まえて、よく考えてもらいたいのだけれど、根性がないのは、私とあんた、どっち?」


「相対でモノを語ろうとするんじゃねぇ! つぅか、すげぇな、お前!」


 そこで、サトロワスがテリーヌの追撃とばかりに、


「ちなみに、私の記録は25万体だよ。時間でいうと、695時間。日数換算だと、28日だねぇ」


「こ、この異常者どもめ……ん……いや、つぅか、よく考えてみたら、カティもふくめ、お前ら全員、俺と違って『燃費の良い仕留め技』を持っているじゃねぇか! 10秒ルームは、構造上、『長期戦闘には向いていない私』には不利がすぎる訓練だった! それだけの話だ!」


「それらも踏まえた上で、もろもろ計算して、あの地味で過酷な地獄を、いかに長期間、耐えられるかっていう訓練でしょう。確かに、あんたの決め技は、どれも燃費が悪いけれど、それを補うスキルや戦術を搭載していないワケじゃないでしょ。技の燃費がどうこうなんて、クソ以下の言い訳でしかない」


「正論ばっかり言うんじゃねぇ! 姉貴を自称するんだったら、もう少し優しく包みこむ度量や器量をみせやがれ!」


「はっはー。まあ、実際のところ、あの訓練を500時間も耐えられるのはすごい事なんだけどねぇ」


「サトロワス、甘やかさないで。バロールの戦闘スペックは、九華の中でも、かなり上位。少なくとも、私よりは、長時間、耐えられる能力はある。それなのに、こいつは、私たちの誰よりも低い記録を出した。――『すぐに諦めてしまう』という、このバカの悪いクセが出たであろうことは疑いようのない事実……ここでちゃんと締めておかないと」


「……10秒ごとに一匹のペースで出現する『上位のドラゴンや鬼』を、不屈の闘志で500時間以上も倒し続けた俺を『すぐ諦める根性なし』呼ばわりするとは……なんてブラックな上司なんだ……いや、まあ、確かに、ぶっちゃけ、本当の限界がくるまえにギブアップしてしまったワケなんだが……しかし、別にそれは、『諦めた』ってワケじゃねぇ。ただ、ちょっと、なんというか……その、アレだ。外での仕事が気になってだな……あの部屋の中だと、低位の通信魔法が届かないから、もしかしたら、下からナニか連絡が入っているかもしれないと思ったりもしなかったりもアレな感じで――」


「ぷぷっ! だっさ! いいわけの仕方、だっさ!」







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