『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

36話 レミングウェイ・カティさん。



 36話 レミングウェイ・カティさん。


 バロールにつっこまれると、カティは顔を真っ赤にして、


「うるさい! あくまでも『そうなりたい』という意味だ! そして、すでに『ちょっとなりかけている』と言えなくもないんじゃないかと、そう思わなくもない今日このごろというだけのこと!」




「わ、私は……こんなのに負けたのか……」


 うなだれるバロールに、カティは蹴りをいれながら、


「どういう意味だ!」


 怒鳴ってはいるものの、その顔は優越感で満ちていた。
 相性が悪いせいで、まともに闘った場合、カティでは、バロールにはほぼ確実に勝てない。
 カティとバロールは、実際に、今まで、何度か模擬戦闘をやった事があるが、カティは余裕で全敗している――が、しかし、相性がいいパメラノが相手だと、まあまあの確率で勝てるので、カティが特別弱いというワケではない。
 逆に、バロールは、苦手なパメラノが相手だと、かなりの苦戦を強いられる。
 つまり、総合的にみると『どっこいどっこい』という話。




 ――と、そこで、テリーヌが、


「ところで、終理殿下に押しつけられた仕事の方は、どうなったの? まさか、皆に置いていかれるのがイヤだからって、ほっぽりだしてきたワケじゃないでしょうね」


「貴様は、私をなんだと思っているんだ。ガキ扱いするのもいい加減にしろ」


 そこで、サトロワスが、


「で? 実際のところ、進捗状況はどんな感じなのかな? もちろん『ほっぽりだしてきた』だなんて思っていないけど、どんな感じに進行しているのかは聞いておきたいねぇ」


「タネはすべて蒔き終わった。あとは、天下の連中が刈り取っていくのを待つだけだ。ラムドがいい仕事をしてくれたから、予定よりもかなりの巻きで事が進んでいる」


 テリーヌが、


「ラムド……確か、あんたが作戦の主軸にしようとしていた駒の名前だっけ?」


「ああ。あの世界ではトップクラスの存在値を持つ召喚士ラムド・セノワール。偉大なる神がお選びになられた道具だけあって、ラムドは、おそろしく使えるコマだった。おかげで、いくつかの工程をすっ飛ばして、こちらに早期合流する事ができた」


 と、そこで、カティが、


「偉大なる神……ねぇ」


 ボソっとそうつぶやいた。


 このカティと、現在『別の訓練施設』で汗を流している『第七席のディマイズ・マリス』は、センエースの声を賜っていないため、まだ神の存在を明確には信じられていない。


 あの呼び出しがあった日以降、九華のメンバー全員から幾度となく『神がいかに神々しかったか』をコンコンと聞かされたが、『直接、センエースを感じていないカティ』からすれば『メンバーから神についての話を聞かされること』は、『教会でのくどい布教』や『全世界史の授業中にムリヤリ聖典を読まされる』のとほとんど変わらなかった。




 そんな、いまだ神に対して懐疑的なカティをみて、バロールが、


「ふっ……哀れだな」


 ボソっとそう言うと、カティが、イラっとした顔つきになって、


「その顔、すっげぇムカつくんだけど! なにか言いたいことでも?!」


「言いたいこと? ……ぁあ、そうだな、なくもない。正式に言うと、お前のことを、うらやましくも思う」


「……はぁ?!」


「神を知らぬがゆえに、お前は、そうして、酷くノンキなままでいられる。ノホホンと気楽でいられて、いやぁ、ほんと羨ましいですよ、カティさん」


「さん付けで呼ぶな! そこはかとなくバカにされている気がする! というか、よく聞けば、セリフの全てを賭して、完全にバカにしてきているじゃないか!」







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