『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

15話 バーチャの神器。



 15話 バーチャの神器。


「心を折ろうと思って、ちょっと言ってみただけ。あなたほどの方に、こんなウソが通るなどとは思っていませんが、『出来る事』は全てやらせていただく。ボクの全てを使って、あなたを殺す」


「……いい覚悟だ」


 言いながら、心の中で、


(あの天万手とかいう腕……オーラの質が数秒ごとに変わっている……凝らさなければ分からない程度の微妙な変化……おそらく、弱点属性以外の攻撃を反射させるフィールドの展開……数秒ごとに切り替わる弱点属性は『等倍以上』で通すかわりに、それ以外の属性は跳ね返すといったところか……『ダメージ軽減』ではなく『反射』に振っているとなると、弱点属性は、最低でも5倍は通るはず……)


 その手の防御フィールドを展開するアイテムは珍しくない(実際のところ、かなり珍しいタイプのアイテムだが、アダムのように、強者との戦闘経験が豊富だと珍しくはない)ので、すぐに対処方法も頭に浮かぶ。


(12種類の追加アビリティというのが本当なら、弱点属性を突かれた際にカバーする特質もあるだろう……そうでなければ、ただの欠陥品)


 神器級のアイテムになってくると、
 《 『Aという弱点』はあるけど『Bという強みがある』 》
 というアリア・ギアスのカバーとして、
 《 『Cの条件』を満たせば『Aという弱点が消える』 》
 という対処方法が施されている事はザラになってくる。


 というか、そうでなければガラクタとして扱われる。
 『許容できる弱点』を積んで『特化した強み』を増やし、可能な限り、『弱点の幅』を狭くする対処を施す。
 そうやって、『自分にとっての最適アイテム』を創り上げていかなければ、真に強くはなれない。




 ――アダムは、高速で頭をまわし、天万手の対抗策を考える。


(防御と攻撃で、それぞれ6種類ずつ相互カバー強化されると考えて対処する……)


 かなり高い評価をつけるアダム。
 現世のアイテムで、そこまで高性能な一品は存在しない――というのが『常識』ではあるが、しかし、


(平の言う事が事実であるならば……あの『醜い腕』は、『かつての主上様』を、ほんの少してこずらせた愚神の『神器』……)


 バーチャ・ルカーノ・ロッキィについて、詳しくは知らないが、一応、アダムも聖典には目を通しているので、概要ぐらいは聞いている。


 なぜか現世で神の力が使えたバカ神。
 地上の全てを喰らい尽くそうと暴れ、結果的には主に倒されたマヌケ。


 主に仇なした『とんでもないクソバカ野郎』だが、一応、その属性は神。
 古い話とはいえ『遥かなる高みに在る主』を害する事が出来た神の一柱。


(それなりのアイテムだと仮定して動いた方が間違いは少ないだろう……)


 ――そこからのアダムは最善手を打った。
 ただ、『多次元上の殺し合い』は、限定平面上の詰将棋と違い、『最善を通せばオールオッケー』というワケではない。


 アダムは、最善を尽くし、『天万手を用いた堅』に徹する平熱マンを突破して、ミシャ&ゾメガの喉元にくいつこうと奮闘した。
 しかし、


「……思ったよりも高性能な神器じゃないか」


「そうなんですよ。だから、困っているのです。これほど優秀なアイテムでなければ、即座に解体して焼却処分しているところ。師を傷つけたアイテムになど、本当なら触れたくもありません」


 だが、三至には、意地や感情よりも優先させなければいけない責任がある。
 もし、『何か』があった時のために、使えるモノは残しておかなければいけない。


「けっきょく、あっさりと5分を稼がれたか……まあいい。貴様らの『全部』を見た上で……全てを受け止めた上で『図に乗るな、このゴミどもめ』と嘲笑してやる」


 そんなアダムの発言を受けて、
 平熱マンの感情に、少しだけピシっというヒビが入る。


 『ナメるな』という感情の圧。
 感情に支配されたりはしないが、感情を手放している訳ではないのでヒビくらいは入る。







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