『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

28話 我らは、すべてを包み込む黒き後光。



 28話 我らは、すべてを包み込む黒き後光。




「さあ、可能性を持つ者よ。その手で、彼らを食らい、己の不備を補いたまえ」


 淡々とそんな事を言うアビスの目を見つめながら、
 ゼンは言う。


「……おいおい……いままで、そこそこ合理的な事をほざいていたってのに……ここにきて、まさかの『とんでも理論』炸裂……高低差ありすぎて、耳キーンなるわ」


「高低差? おかしなことを言う。私は常に一貫している。決して揺るぎない」


「まあ、ある意味で、一貫してんな……力を見せつけてから、ダークサイドへの勧誘。はっ……なんつぅ、悪役のテンプレ……こんな状況なのに、つい笑っちまうぜ……」


「悪こそが、『我ら』の指標。『底』まで『堕ち』なければ、『力の真理』には届かない。つまり、私が悪の模範であることなど、当然の話。さあ、その手で彼らを殺せ。さすれば、君に、我らの元にくる許可をあたえん」


「……われ……『ら』……?」












「すべてを包み込む、黒き後光。正当なる闇の支配者。我らは、超魔王軍ゼノリカ」










「っっ?!」


 アビスの言葉に、ゼンは呆けた顔をして、


「お、お前……ゼノリカ……なの……」


「? その言い草、まさか、ゼノリカを知っていたとでも?」


「……まあ、一応。詳しくはないけどね」


 時間の経過で、少し回復したので、
 まともに喋るくらいは出来るようになったゼン。


 立ちあがり、服のホコリを払っている彼に、アビスは、


「信じられん。我らは表に出ない影の存在。……君は、いったい、どこでゼノリカを知った」


「お前らの大将を育てた『神様』に聞いた。聞いたっていうか、倒せって言われたよ」




「くく……はははっ!」


 アビスは大声で笑い、


「面白い冗談だ。まあ、真実を言いたくなければ言わなくともよい」


「……冗談じゃねぇんだけど……」


「まともに取り合うのも大人気ないが、一応言っておこう。偉大なる超魔王『ゾメガ・オルゴレアム陛下』は全世界の頂点であり、その『上』など存在しない。つまり、ゼノリカを倒せる者など存在しない」


「……へぇ」


 テキトーに返事をしながら、


(超魔王は神様よりも強いのか? あの神様より強いやつなんて、いるとは思えないんだけどなぁ)


 などと、心の中でつぶやいた。
 強くなるたびに、ゼンは、『神の遠さ』に対する理解を深めていっていた。


 ほんのわずかな時間、それもちょっとした会話しかしていないが、
 それでも、あの時感じた『底しれない圧力』は、今でも鮮明に思い出せる。




 ――『あの遠さ』に届く者がいるとは思えない。




 そんな懐疑的な目をしているゼンに、
 アビスは、ふふんと、小馬鹿にするように、鼻で笑いながら、


「言っておくが、ゼノリカ内では、この私ですら下っ端の下っ端なのだぞ」


「……ぇ、マジ……」


 ここで、ゼンは、素直に驚いた。
 今のゼンは、まだまだとは言え、『表では最強のハルス』を遥かにしのぐ圧倒的な力を得ている。


 アビスは、そんなゼンでも、足下にも及ばないバケモノ。


 もちろん、攻撃力が100億を超えているエグゾギアさえ使えれば、
 エメラルドスカイアビス・リザードマン(強)など、ワンパン確定のクソザコだが、
 先ほどアビスから教わったとおり、『積み技』は、対策された時点で死にスキルであり、
 『対策の対策』を怠った方が『正式な弱者』となるのが、戦場のルール。


 命がけの戦闘で『たられば』に意味はない。
 『こうだったら勝てる』など、クソ以下の言い訳。
  ~~ロマン砲、撃てなきゃただの、飾りかな~~
 つまり、現状、ゼンは、アビスよりも、間違いなく弱者。




 ――そして、ということは、もし、アビスの言う事が事実だとすると、


(俺は、下っ端の下っ端にも勝てないザコ以下のザコってこと……だが、ありえるか? このトカゲは、あのハンパなく強かったホルスド・ガオンすらかすむ、俺が今まで見てきた中では、神様を除くと、ぶっちぎりで最強のバケモノなんだぞ……そんなヤバい怪物でも下っ端にしかなれない組織なんて……いくらなんでも、ありえるわけ……)









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