『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

8話 ゼンの最終予選



 8話 ゼンの最終予選 




 どうやら、力を使いすぎてしまったようで、
 ニーは、武装闘気を解除し、元のスライム状態に戻る。
 と同時に、セイラが気絶して、その場に倒れ込んだ。
 ニーがその身でポヨンと受け止める。


 そんな一連の流れを、ハルスと同じような呆けた顔で見ていたアビスだったが、


「……ぁっ……ご、合格」


 ゴホンと息をつきつつ、


「それでは、続きだ。これが最後になるな」


 と言いながら、ゼンに視線を向けるアビス。


 目が合うのと同じタイミングで、ゼンの前にクジが入った筒が出現した。




 ゼンは、


(まあ、ニーは、『あの神様』の召喚獣だから、このぐらい出来たとしてもおかしくはない)


 流石にちょっと驚かされた――が、
 『よくよく考えてみれば、さほどおかしくもない』と自分に言い聞かせつつ、


(さて、ついに俺の出番だ。さて、どうすっかなぁ……んー……シグレみたいに一ケタの大吉を引くことが出来たら普通に戦って、もし、凶系を引いたら、エグゾギアで終わらせようか)


 などと、安易に考えながらクジをひくゼン。


 クジを引いたはいいものの、みなと同じで、棒の先に何が書かれているかはわからない。


 これまでと同じように、アビスが筒ごと回収し、その結果を確認する。


 ――そして、言う。


「……もはや見事だな。まさか、これを引くとは」


「え、なに、もしかして1番? 大吉中の大吉? 『スケルトン(弱)1体』を『5時間以内に討伐せよ』的な?」


「いや、その逆だ。最悪中の最悪。大凶の中の大凶」


「……えぇ、ってことは100番? おいおい、この世界にきてからというもの、俺の運、どうなってんだ? 俺のクジ運は、いつだって『きほん平吉、良くて末吉、悪くて末小吉』だったってのに……最近は、大凶ばっかりじゃねぇか。いい加減にしてほしいぜ」


 と口では嘆いてみせているものの、胸の内では、


(まあ、でも、ここまでの流れから鑑みるに、ジズよりちょっと強いくらいだろ? なら、どっちみち、エグゾギアでワンパン……)


 などと、楽観視していたのだが、


 ――アビスは、そんなゼンの呑気を一声で殺す。










「君が引いたのは1000000番。これより、君は、真の地獄を見る」










「は? ……ひゃ……100万?!」


 ゼンの困惑をシカトして、アビスは、ポキっと棒をへし折った。


 すると、


 ゼンの目の前に、




「……ん? ……悪魔?」




 ものすごい短足だが上半身はムキムキの悪魔が一匹出現した。




 アビスが言う。


「バスターデーモン。存在値は30。この世界だと、上級に入る悪魔だ」


 『全世界標準』で言えば下級。
 まあ、ようするにはザコ。


「これ一匹だけ? ……なんだよ、ビックリしたぁ。100万とかいうから、焦ったぜ。つか、なんだよ、100万って。どういうお笑い? 試験官役が退屈なのかどうか知らんけど、妙な気まぐれで、雑なボケを放りこんでくるんじゃねぇよ。ぶっとばすぞ」


 ブツブツと文句を言いながら、


「呪縛ランク2」


 それなりに魔力を込めた呪縛で足を止め、
 ちなみに、ランク2に上げ、少しGPで強化した事により、『呪縛使用中』も、
 『自由』とはいかないものの、剣を振るくらいの事はできるようになった。




「雷術ランク2」




 続けてゼンは、所有している武器の中で最高の『注文の多い多目的室』に魔力を送り込む。
 バチバチィっと電気が走った。
 火力が一段階上昇する。


「存在値30くらいまでなら、ギリ一撃で殺せるんだよ。存在値30の後半くらいになると、攻撃を当てるのが厳しくなってくるっぽいから、どうなるか微妙だけど」


 『っぽい』という言い方になっているのは、ニーから、そう教わっただけだから。
 存在値10~20くらいの敵は、セファイル近郊にもいるので、訓練で何度か闘ったが、まだ『存在値30~の連中』と闘ったことはないので、実際のところは分からない。


 ※ 悪魔種は、シャドー系とは対照的に、デバフに対する耐性が高い方だが、ゼンの膨大な魔力をぶちこんだ呪縛なら、存在値にちょっと差があっても、それなりに足止めできる。




「まあ、というわけで、さようなら」




 ちなみに、冒険者試験の足切りラインは『30の後半』。
 存在値30を殺せるからといって安心はできないぞっ。





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