『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

33話 サイコジョーカー



 33話 サイコジョーカー




 『死ななくて、スキル使い放題』という特性は、やはりハンパじゃない。


 それが、8体いるという暴力。
 普通であれば、圧殺されるしかないチート技。


 そう、チートなのだ。
 10兆システムである『エグゾギア』の『時限強化モード』がチートじゃない訳がない。


 だが、センは、言葉どおりの『赤子の手をひねるよう』に、
 フッキの切札である『天影太陰モード』を封殺してみせた。




(こいつは、いったい、なんだ……どういう存在なんだ……)




 体が震えた。
 恐怖が膨れ上がる。


 フッキは、ようやく理解する。


 先ほどの、天影を封じた動きは、それまでのソレとは格が違っていた。
 ハッキリ言って見えなかった。
 何も分からなかった。


 ゆえに、気付く。


(まさか……今まで手を……)


 そして、その気付きは、
 当り前のように、真実へと届く。


(バカな……そんな……ありえ――)


 ここまでのフッキとの闘いで、センは、メッタメタに手を抜いていた。
 もうこれ以上ないってくらい、余力なく全力で、手を抜いていたのだ。


 本気の欠片も見せちゃいなかった。
 いや、ある意味で本気だった――が、決してフルパワーではなかった。
 遊ばれていただけだった。


「ありえない、ありえない、ありえない……なんだ、どうした……俺の現実は、いったい、どうした……これは、まさか、夢か? 俺は神の夢を見ているのか?」


 違う。
 ゴーレムは神様の夢を見ない。


 これはただの現実。


 『存在値数十兆という神のゴーレム』が、
 アクビまじりにボコボコにされているという現実。


「絶対にありえない!! こんな現実は存在しない! 絶対にぃいい!」


「現実を拒絶するのも結構。その結果、切り開ける未来もなくはない。だが、当然、『目と耳をふさいで喚くだけ』じゃ何も変わらない。現実が気に食わないというのなら、変えるために行動してみろよ」




「うるさい! だまれぇええ! 上位者ぶるなぁあああ! 不快だぁああ!」




「ぶってんじゃねぇよ。俺はお前より上なだけだ」


「うるさぁあああああい!」


 フッキは、そこで、オーラを増幅させる。


「くそがぁあああ! ナメんじゃねぇえええええ!」


 バチバチとエネルギーを膨らませて、


「これで終わりだとでも思ったか! バカがぁ! むしろ、これからなんだよぉおお! ここからが俺だぁあ! 俺こそがぁ! 真理を体現する最強ぉおお! 全てを超越した、聖なる死神ぃい!」




 全てを取っ払い、
 自分を解放させようと、


「エグゾギア! お前の全てを寄こせ!」


 ――叫ぶ。










「サイコジョーカーッッ!!」








 ついには、エグゾギア最大の切札を投入。
 究極の時限強化スキル『サイコジョーカー』。
 コレと比べれば、他の強化技など児戯に等しい。


 サイコジョーカーの発動により、爆発的に上昇していくフッキの存在値。
 フッキの目の前に立ちふさがっていた『限界』という名の巨大な壁を、容易く何枚も超えていく。
 極限を超えて、先へ、先へ、先へ――


 ――だが、




「っっっ!! ぬぉ!! うぼはぁ、おえぇえ!! ――か、解除、解除、解除ぉおお!」




 あまりの圧迫に耐えられず、
 フッキは、すぐさまサイコジョーカーを解除した。




「うぇ、おぇっ! ……はぁ……はぁ……うぇっ! おえ! うぅうう……ぃいいい!」




 転がり、のたうちまわって、妙な緑の液体を吐き散らかす。
 普通に引いてしまう、無様極まりない姿。




 そのザマを見届けながら、センは言う。


「サイコジョーカー、きついよなぁ。俺も、使った事があるが、一分ちょっとしか持たなかった。俺で一分だから、お前じゃあ、5秒と持たないだろう」




 サイコジョーカーは、爆発的に機体性能を上昇させるが、使用している間、システム発動者の精神と肉体に、おぞましいほど強いストレスがかかる。
 それは、もはや耐えられるものではなく、
 神ですら、使用中はまともに戦う事など出来ない。




 つまり、サイコジョーカーは、
 もうハッキリ言ってしまうが、


 ――ただの『死にスキル』である。







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