『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

10話 大凶



 10話 大凶




 事務的なその質問に対し、センは、シューリとの『無駄にカロリーを消耗する会話』で疲れた頭を切り変えて、


「そうでーす」


 ゆるく答えると、


「ふむ。なら、代表一人がこのクジを引いてくれ。それによって、どこのダンジョンに飛ばされるか決まる。飛ばされた先のダンジョンから脱出し、ここまで戻ってくること。それが予選の内容だ」


 一言一句変わらないその流れから、サクっとくじをひくセン。


 ここまでは『ゼンの時』と、顔つきから発言から全く同じだった試験官だが、


「……ん?」


 センがひいたくじを見て、少しだけまゆをひそめた。




 センが、


「どーかしましたぁ?」


 尋ねると、


「いや……ついさっき飛んだばかりの受験生と、場所がかぶっていたので、少し驚いただけ……ぁあ、いや、君たちには関係がないことだ、すまない」


 試験官は、ンンとノドを整えてから、


「君たちが挑むダンジョンは、全27種類あるダンジョンのうち、最も難易度が高いパラソルモンの地下迷宮」


 それを受けて、センは、


(27分の1が二連続……729分の1の確率……まあ、確かに珍しいな。だが、問題はそこじゃねぇ。シューリを率いている俺が、大吉以外を引いたってのが問題だ。シューリの幸運値はデフォルトでマックス。大凶を引くなんてありえねぇ)


 このくじでは、扉からの『下らないイチャモン(正規のルートではありません)』を避けるため、運命操作等は一切行わなかった。
 それでも、シューリが側にいる状態では、必ず『幸運』を引くはず。
 いったい――


(俺ら神々からすれば、最難関だろうが何だろうが関係ないから、『女神の幸運』が発動しなかった? まあ、その可能性もゼロじゃないが……しかし、この場合、『シューリのチートパッシブが空気を読んで自重した』と仮定するより『誰かが気合いの入った上等をかましてきた』と考えた方が妥当だろう……つまり、問題となってくるのは『誰が、なんの目的』で――)


 センが頭の中で考えていると、


 試験官が、


「この奥の部屋から転移してもらう訳だが、今なら辞退は可能。さあ、どうする? ちなみに、当り前だが、ダンジョンの奥で死んだとしても、委員会は責任をとらない。すべて自己責任だ。死ぬのが嫌なら、ここは退いて、来年また挑戦したほうがいい」


 例の『君は帰ってもいいし、帰らなくてもいい』のくだりに入った。


 試験官の無礼な発言を受けて、アダムがイラっとした顔となり、


「……主上様が、パラソルモン探索ごときで死ぬ訳ないだろ、アホがぁ」


 イライラした口調でボソボソとそうつぶやく。


 センから『今の自分の力が、どの次元にあるかを、常に考えて生きろ。俺が理由であったとしても、あまり感情をむき出しにするな』とクギを刺されているので、
 さすがに、『こんなカスみたいな試験官』相手に本気でブチギレたりはしないが、
 敬愛する御方に対する不敬な発言にはイラだちで反応してしまう。




 ここまでに経験した『色々』の『全て』で、『アダムの心』はセンに撃ち抜かれており、結果、センに対する忠誠心が、天元突破ゲージをいくつも破壊して、もう収集がつかないという状態になっている。


 もはや、今となっては、人だけではなく、
 動物にも虫にも、
 ――なんだったら水や雲や空気なんかも含め、
 この世の全てに対し、『頭が高い、貴様ら、この御方をどなたと心得る、その尊い御威光に触れられたという幸運にむせび泣きながら全力で平伏さんかい』と思うようになってきた。


 狂信者というより、もはや、ただのヤバいヤツである。




「もちろん、挑戦しまーす。さあ、大変だぁ。クリアできるかなぁ。ドキドキ」


 などと言いながら、小指でぽりぽりと耳をかくセン!


 続けて、


「もう、オイちゃん、恐怖のあまり膝がガクガク震えていまちゅよ」


 などと言いつつ枝毛を探しているシューリ!


 二人のノリに追従すべきか、一瞬だけ悩んだものの、
 タイミングを逃してしまい、結局押し黙ったアダム!




 最難関のダンジョン攻略を前にして、気合い充分な3人!










 ――ついに、センの冒険者試験の予選がはじまる。










 冒険者試験!!
 それは、年に一回だけ行われる非常に過酷な試験!
 合格率は、数百万人に一人という超低確率!
 予選を通るだけでも大変厳しく、もし一次を突破できれば、それだけでも、経歴が輝き、人生の難易度が2段階は下がる夢の試験!!




 はたして、センはその厳しい冒険者試験をクリアできるか!
 人生のプラチナチケット(冒険の書)を手に入れられるのか!


 これから、センの前に立ちふさがる、無数のハードル!
 そのすべてが、センの魂を削り取る茨の道!
 センの手は、果たして、栄光を掴めるのか!


 どうなるセン!
 がんばれセン!




 アクビするなセン!





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