『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

2話 魔王軍の猛将サリエリ。

 2話 魔王軍の猛将サリエリ。


 急に登場したサリエリの問いかけに、ゴートは、一瞬だけ、ドキっとしたが、
 すぐに思考を切り変えて、この場の切り抜け方を考える。


(……受け攻めいくつかプランはあるが、さてはて……んー、まあ……『この辺』が妥当かな……)


 あらかた方針をかためると、
 ゴートは、『やれやれ』とでもいいたげな顔をして、




「同僚の顔を忘れるとは……お前の頭はニワトリ並みか?」




「……はぁ?」


「そんなことより、ハイエルフの羽は調達できたのか?」


 強引に話を切り変えて、ペースを掴もうとするゴート。
 作戦A『ガンガンいこうぜ』。
 とにかく、自分がラムドであることを、絶対的な前提とする猪突猛進作戦。


 ゴートは、止まらずに、


「勇者の攻撃から、お前の命を――あと、お前が飼っている人間のガキ共を助けてやったのが誰か、忘れた訳じゃないだろうな」




「……な……まさか……」


 そこで、サリエリは、ゴートの顔をジっと見つめ、


「……ラムド……か?」


「それ以外の誰に見える」


「壮年の魔人に見える。少なくとも、パっと見ではラムドだと分からん」


「……ふむ。そんなに変ったか? ちょっと若返りの薬を飲んだだけだぞ」


「若返り……そんなものが……」


「まさか、あるわけがないとでも? いや、まあ、そうだな。ありえないな。ランク8の回復魔法がこめられたアイテムでお前を助けたことよりも、勇者を撃退できるほどの呪いの兵士を召喚することよりも、これまでに、俺が、様々な異界のアイテムを召喚してきたことよりも、若返りの薬を手に入れる方がありえないよな」


「う……いや、まあ、それらと比べれば、確かに、若返りの薬くらいは、ありえないというほどではない……が……」


「俺に不可能などない。それは俺よりもお前らの方が理解しているだろう」


「だ、だが、喋り方や雰囲気も……かなり違うぞ。というか、面影があるというだけで、正直、お前がラムドだとは思えないのだが……」


「まあ、魂魄の一部を取り変えたからな。表面的な人格に多少の変化はあるだろう」


「は?! 魂魄を取り変えた?! ど、どういう――」


「何回も説明するのは面倒だ。とりあえず、これから陛下に説明しにいくから、お前も横で聞いていろ」


 そう言って、ゴートは、無詠唱で、転移の魔法を使って、玉座の扉前まで移動した。


「は?! 転移?! な、なぜ?! この城には次元ロックがかかって――」


「それをしたのは誰だ?」


「……ラム……ド」


「そう、俺だ。なら、バックドアの使い方くらい知っていてもおかしくないだろう。まあ、魔王城に次元ロックを張ったことは、勇者逃亡時に、陛下の言葉を聞くまでは忘れていたが――」


『お前、ほんと、どんだけ、魔王軍に興味ないの?! ていうか、ここに次元ロックを張ったの、お前ぇ!!』


「――別に、俺の記憶力は、死んでいる訳じゃない。むしろ、頭の出来なら、この国の誰よりも上である自信がある。『そんなものもあったな』と思いだせれば、ついでに、自ら設定しておいた裏技等も思い出せるさ」


「まさか、本当に……ラムドなのか?」


「逆に聞くが、そんなに変わったか?」


「……」




 ★




 玉座には、幼女魔王が腰をかけていて、側近数名と話をしていた(勇者襲撃の件について、セファイルとどう話し合っていくかについて、側近の意見を聞いていた)。


 側近(高位の魔人。どれも存在値50オーバー)たちは、サリエリの姿を確認すると、幼女魔王リーン・サクリファイス・ゾーンに頭を下げて、スっと下がる。


 『サリエリ』は世界ランキングでも『12位』と、かなり高位の力を持つ進化種であり、魔王国内ではナンバースリーの『防衛大臣』兼『統合幕僚長』兼『最前線指揮官』と、その地位は、かなり高い。
 全軍の最高指揮権はリーン(王)が有しているし、俯瞰的な作戦立案はラムド(総理)が行うが、戦場における軍の実質的なまとめ役はサリエリ。
 ぶっちゃけ、一番しんどい中間管理職をやってくれている苦労人。


「どうした、サリエリ。何かあったか? まさか、勇者がさっそくリベンジにきたとか言わないだろうな。勘弁してくれよ」


「いえ、流石に、そのような事があれば、このように悠長にはしていませんよ。全速力でかけつけて、全勢力を、ここに集結させます」


「はは、だろうな。そうでなくては困る」


 冗談っぽい口調ではあるが、目は笑っていない。
 勇者の件は、あの場だと、ラムド(センエース)がギャグ風味強めでサラっと流したが、実際のところ、魔王国の超一大事。
 一国の王子(最大戦力)が、他国の城にカチコミをかけて、王を殺そうとしたのだ。
 決して、シャレではすまない。


「ところで、後ろにいる魔人は誰だ? 見ない顔だが」







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