『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

51話 イキり合い

 51話 イキり合い




「おい……そこのザコA。おーい、聞いているか? もし知っていたら、出口とか教えてもらいたいんだけど。なぁ、おい……返事してくれ。もしもーし」




 声をかけてみたが、ゴーレムは応答しない。




「ムシすんなよ、木偶の坊! ぶっこわすぞ!」




 語気が強くなる。
 己の強さに対する自信が、ゴートを強気にさせる。


 ――すると、






『……うるせぇなぁ……カスがぁ……』






 ゴーレムは、モノアイをカァっと光らせながら、ボソっとそうつぶやいた。


 それを受けて、ゴートは、さらに一歩近づいて、




「もしかして、御昼寝中だった? だとしたら、うるさくして悪かった、あやまるよ」




 軽い口調でそう言ってから、


「これ以上、うるさくしないよう、さっさと出ていくことにしよう。ただ、出口がわからないんだ。というわけで、ここから出る方法を教えてくれないか?」




 フッキ・ゴーレムのモノアイが、一瞬、ギンと光り、




『俺を殺せば出られる』




「あ、そうなの? 親切に教えてくれてどうも」




『つまり、方法はない』




 そう言い切った。
 確信を持った発言。


 ゴートのこめかみに、分かりやすく怒りマークが浮かんだ。


(言うねぇ)


 ニコっと笑顔を浮かべて、しかし、目は笑っていなくて、




「……おやおや、随分な自信家さんだな。言っておくが、俺は相当強いぜ。というか、俺は強すぎる。あまり、俺の前で図に乗らないほうが賢明だ」




 そんなゴートの発言に対し、フッキ・ゴーレムは、




『ははははは』




 小馬鹿にしたような笑い声をあげた。
 表情などないが、それでも、感情がしっかりと伝わってくる嘲笑。
 強くイラっとしたゴートは、


「警告はしたぞ。つまり、責任はお前にある。……俺の笑えない強さ、しっかりと教えてやるよ」


 言いながら、ゴーレムを解析しようとしたが、




「……っ?」




 システムを発動するが、変化は起こらなかった。




(……できない……なんで……)




 コメカミに汗が浮かんだ。


 すぐに、




(いや、解析出来ないんじゃない……)


 理解できた。


(俺の……今の演算能力では解析しきれないほどの……)




 1000体の最高位モンスターでも一瞬で解析出来た無敵の力。
 その気になれば、あの10000体のモンスター達も余裕で解析できた力。
 サイコイヴ‐システム。
 究極の神々ですら辿り着いていない世界。
 それほどの力であっても通用していない。
 その意味は、




(つまり、こいつには、それだけの力が……)




『はっ、今なにか、しょうもない小細工をしているな。それがお前の言う笑えない強さか? 滑稽を通り越して哀れだな。確かにそのシステムそのものは素晴らしい。それだけをとれば、充分、評価には値する。真に優れた者が使えば神になれる力。だが、お前が使っているせいでクソ以下のゴミとなっている。まさしく、豚に真珠。猫に小判』


 ケラケラと笑いながら、フッキ・ゴーレムは続けて、


『それほどのシステムを搭載していながら、それでも、存在値が『5億』程度でしかないカス。それがお前だ。存在値が兆の領域にも届いていないカスが、俺の前で図にのるな……本物の強さってやつを教えてやる』




 そう言いながら、ゆっくりと立ちあがった。


 全長五メートル。
 でかいはでかいが、メチャクチャ巨大なサイズという訳でもない。
 だが、凶悪な威圧感を感じた。
 ゴートの全身がブルリと震えた。
 存在値等は見通せないが、その威容が視界に入るだけで、ビリビリと腹の底に響く。




『魂魄の格、次元の違いを……思い知れ』




 ハッキリと向けられた殺意。


 それを受けて、バッキバキの恐怖に駆られたゴートは、反射的に、




「いっ、異次元砲ぉおお!!」




 大量の魔力をこめて、アビス・リザードマンから奪った異次元砲を撃った。
 今の膨大な魔力を持つゴートが使えば、その火力はとんでもない事になる。




 しかし、




『はっ……また、随分と質の低い異次元砲だな……』









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